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古事新記(ふるごとあらたにしるす)  作者: 五十鈴飛鳥
第3節 いい男と魔法少女は、黒ノ国主と白の魔法使いにクラスチェンジしました。
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24マネジメントのお仕事

 ククの朝は早い。


 彼女の身支度は、体の特徴に起因する。


 先ず、でかい。着る服が限られる。

 学校は制服でいいが、普段着がかわいくない。


 肌が弱いため、長袖、丈の長いスカート、そしてストッキングかタイツ。手袋など日光をさける服装になる。

 目も直射日光を避けるため、UVカットの眼鏡をしている。


 髪をみつあみかシニオンでまとめているためか、イギリスの地味な委員長キャラとなっている。


 セーラーカラーの制服が暑い。無駄に肩が暑い。


 かわいいかもしれないが、蒸し暑い。暑い時期には向かない。

 かといって筒っぽみたいなので、寒いと隙間から冷気が吹き込む。


 とにかく難儀なのである。


 ミミは着崩して、前面開放。胸は見せブラで隠しているが上げ底だ。

 一応は、アームの装備に適したインナーなので機能的、見せブラじゃないと言えるが、露出が破廉恥。



 女性でなくても高い身長は、生活空間への適用が難しい。


 平均的な身長を基に作られている、住宅施設では猫背が推奨される。

 道具類も平均身長で作られていたり、炊事など平均的女性の背丈で設計されていると不便でたまらない。


 ”委員長”は、寄宿舎でも頼られる存在である。

 各地より、というより城塞内のムー人の子息と周辺部族のエリートが集う学び舎で、ククは黒人として異例である。


 文字の読み書き、ムー語が堪能。化学知識も学習するまでもなくあり、黒人文化にも精通する、バイリンガルである。


 通常はどちらか一方の言語であり、人種間では科目も変わるのだが、彼女は両方のコミュニュケーションが可能で、隔絶されがちだった両人種のハブとして機能していた。


 異例づくしではあるが、彼女は黒人では始めて、高等科へ編入となり、且つ飛び級するまでに至った。


 中身はムー人だが、外見は・・・白い黒人。・・・・・・誰から見ても普通じゃないな。




 まさか、もう一度女子高生をするとは思っても視ていなかった。

 女子高生で死んで、”とんでもなく不便な時代に生まれたな”思ったものだが、再び学校に通い、制服を着るなんて思いもよらない。


 ただ、おしゃれが出来ない。これは苦痛だ。

 ずっと室内ならいいが、どうしても屋根のない場所へ出なくてはいけない。

 いくらUVカットのクリームがあるとはいえども、太陽は大敵だ。


 基はいいはずで、白い肌、高い身長、長い足、まあ胸はほどほど。モデル体形なので何を着ても似合うはずだが・・・・・・。





「みんなー早く起きて。朝食の準備が出来ていますよ。」

 ククとは少々遅れて、女子寮の生徒が起床してくる。


「みんなそろったかしら。」

 ククが点呼を取ると。


「おかあさーん。ミミちゃんがいませーん。」


「おかあさんじゃありません!!」

 たしかに、精神年齢は人以外を含め数々の転生を経ている。ただし記憶があるのは人間だったときくらいで、だいたいアラサーくらい。確かに子供の一人や九人いてもおかしくない。


「まったくあの子は、まだ寝てるの?ユーキ、同室でしょ?ちょっと起こしにいってくれる?」


「え~。でも~。こわいし~。」

 なかなか起きないし、起き抜けに殴られるのだ。



「仕方ないわね。」

 ククは仕方なく、つかつかと廊下を早足で、ミミを叩き起こしに部屋へ行くのだった。


 コンコンコン、ドアをたたく。たたくと同時に扉を開ける。

「早く起きなさいミミ、入るわよ。」


「ん~。もうちょっと。」


 ミミは寝床で、腕をバンザイして、股を広げ、襲ってください。とでもいわんばかりに無防備だ。


 ククが静かに忍び寄る。ミミに覆いかぶさるように、寝床にひざをつく。


 そこから脇から首の後ろに腕をからめ。


 一気に引き起こす。


「おわああああああ!!」

 ミミは今まで寝ていたのに起立させられた。


「さあ、起きたわね。さっさと着替えなさい。」


「あいかわらず強引だな。でかいってのは。」


「でかいのは関係ない。コツを知っていればできるのよ。ジュードーっていうらしいわ。」


 うーん。柔道より合気道なんだけどな。どうやら間違って伝わったらしい。


 ククはそのまま、ミミが着替えるのを見張って、その服装は校則違反だ、なんてはしたないといいながら、ミミはミミでまったく聞く耳を持たない。


「まったく、破廉恥が服を着て歩いているみたいだわ。・・・ウラヤマシイ。」


「ん?なんか言った?」


「いえ。なんでもないわ。早くしないと朝食抜きよ。」


「それは嫌だ!」


 ミミはすっぴんで部屋を出て行った。


「まったくゲンキンな。」



 朝食を終え、学校へ向かう。

 ククと寮生は共に登校するが、ミミはどこかに消えてしまう。どこで何をしているのやら。



 傘を差し、ククが歩いていると。

「おはようございます。」

「おはよう。」

「おはようございます。クク様。」

「おはよう。」

「おはようございます。お姉さま。」

「おはよう・・・・・・」


 顔を赤らめて去る女生徒。

 たしかに、ヅカの男役と言われても遜色ない。


 異人種との橋渡し役もあり、教諭からも信頼されすっかり生徒会長ポジションに収まってしまった。

 おかげでする事が多く、果ては自習などの代用教員をする事もある。

 仕事が出来て、精神年齢も高く、遠めで黙っていれば美人。

 あこがれる女生徒がいてもおかしくない。


 ククは、教室に向かうわけでなく、教官室へ向かう。そこにククの机があるからだ。



 城塞都市内でのルールは、現代的である。

 民主的、共産的、などという政治的区分ではなく、合理的なのである。


 したがって、能力があるものは、容赦なく取り立てられる。




 そのシステムは、PDCA(Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善))で成立している。

 品質システムを取り込んだのだ。


 勘違いはしないでほしい。品質システムの適用で製品の品質は向上しない。

 品質システムは、要求事項があり、その要求事項を適用することで、組織の仕組みを整える。


 品質システムの重鎮が言うには、「要求事項は必要な項目を適用して、必要ない項目は不適用でかまわない。」規格文書を自由に使っていいとおっしゃるのです。

 ですが、審査員には解らんのですよ。


 業界によっては医療や航空宇宙、自動車、試験など「必ずやりなさい」というクラスター規格も存在するが、それは生命に関わるから、規格統一が必要だからという理由で品質システムからの派生がある。


「小さな組織の場合、適用しないほうが効率的に働く。」

 これも真実で、零細など各人の合意で済むような法人で文書化なんて意味がない。


 プログラムでたとえれば、小規模なら、メモリ管理とか気にしなくていい。簡単にプログラミングするなら、JAVAみたいにモジュール化されている、プラットフォームを使えばいい。Cではじめから作る必要はない。


 大きい組織の場合、本当にC言語で一から作ったような品質システムを持つ企業がある。

 三河地方にある自動車会社である。

 実際、規格通りやらなくてもスデにあるから、取得する必要がないといって、実際取っていないが、世界企業だ。世界一の品質なのだから、そりゃかないっこない。


 建設業界など、国が「品質システムを取得するほうが望ましい」と書くと、取得しないと仕事が来ない、というのと比べるとかなり自由だ。




 役所が品質システムを導入するご時勢ですが、古代に最大の発展を見るとは思わなかった。

 それもこれも、宇宙での生存経験があってこその成果であろう。



 さて、ククの仕事は、朝の教諭連絡から始まる。

 教材の準備、生徒の出欠管理、もちろん自分の研究もある。

 ククはとても忙しい。その中、体力づくりも欠かせない。



 彼女の生活は非常にシステマチックである。

 そろそろ、学生としてはする事がなくなってきている。修学の時期も近い。

 そして、それは彼女が新たなステージへ上がる兆しである。



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