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古事新記(ふるごとあらたにしるす)  作者: 五十鈴飛鳥
第2節 いい男と魔法少女が旅にでました。
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16城塞都市シーバ

 石の家(ジンバブエ)

 おそらくは最古の城塞都市。ジンバブエはビクトリア湖よりはるか南方にある。


 その塔、塔と呼ぶにはあまりに長大すぎる。

 周辺には石で囲まれた集落があるが、それよりも場違いな壁があった。


 その周りは巨大な壁で囲まれている。

 しかしながらその壁は場違いな程きれいで、未来的である。

 ダムのようなアーチと高さを誇る。



 ククたち旅のご一行は、北側の(アトラス)にたどり着く。


「すいませーん。女王陛下の招待を受けた者ですけどー」

 門の前でククが叫ぶ。なぜか見張りも何もない。


「おかしな門だな。それらしい鳥居(ゲート)があるのに入り口らしいものがない。」

 確かに門だと思うのだが、壁の向こうに行くためのトンネルらしい部分がないのである。


 そんなことをしていると、どこからともなく声が聞こえる。


「女王陛下からの招待状はお持ちか?」


「はい。コレです。」

 ククは声に従い、招待状の入った箱を見せる。


「招待状の紋章を確認する。箱の中の書状を鳥居(ゲート)に向けて掲げよ。」


「こうかしら。」

 招待状にある、菊なのか太陽なのかの形をした紋章を鳥居に向ける。


「確認した。しばし待たれよ。明日の朝ここに来るがいい。」


 謎の声は、ククたちに指示をしたが、ククたちはご立腹である。


「呼んでおいて、待ちぼうけ?確かにいつ行くとは言ってないけど、長旅で疲れているのよ!」

「まあ、すぐとは思わなかったけど、外の町で今晩は泊まるか。」





「やあ。いらっしゃい。中には入れたかね。」

 門の前に行く前に、この町に寄り道を尋ねていた。この町に入るのに、路銀としてもらった金の板の紋章は、砦の門をあっさり開けたので、本命もうまくいくと踏んでいたのだが、思惑が外れてしまった。


「それがだめだったのよ。なんか明日来いって。」

「まあ、いつも諸国参勤の人たちも、待たされるみたいだから仕方ないさ。」


 町の宿のおじさんとそんな話をしていると。

「ねえ。おなかすいたよ~。つかれたよ~。」

 ミミが休憩を促す。


「じゃあ、すんませんが、一泊、いや二泊したいんだが。場合によっちゃあ子供を預かってもらえる所を世話してほしいんだが。」

 テヲが宿泊の手続きを行う。招待を受けたのはククとテヲなので、ミミにはお留守番してもらわなければならない。それに錬金術の道具や、武器、大物はたぶん持っていけない。


「支払いは金、塩、銅などがいいな。穀物だと結構な量がいるよ。」

 諸国の人たちは、各地の特産品を持ち込むので、そういう事になったのだろう。


「じゃあ、金、塩、銅のどれがいい?」

 すでに諸国で錬金術のための、特産品あさりをしていたので、どんなもんでもありだ。

「じゃあ、金だな。」

「こんなのでもいいの?」

 ククは金のアクセサリーを渡すと。

「これはこれは。いいのかい?金の重さでしか取引できないが。こんな細工物なかなかいいい値打ちのものだが。」

「金はもう加工しちゃったし、あとはこの板だし。」

「じゃあもらっとくよ。コレだと3日は泊まれる分だ。」

「ありがと、おじさん。」



 翌日。


「来たわよ。門を開けて。」

「良くぞこられた。しばしそこで待たれよ。」


 数分待たされたが、おかしな音がする。


「シュイーン、シュイーン」

 何かの駆動音がする。そしてそれが近づいて来る。

 その音が止まる。


「皆のもの出でませい!!」


 鳥居の周りへ物陰に隠れていた兵が現れる。その数50は下らないだろうか。


 ククとテヲが兵に囲まれ槍が向けられる。


「グオン、グオン、グオン。」


 下から機械音がする。何かが上がってくる様だ。

 鳥居と塀の間の地面が割れる。

 地面からハッチが現れ、エレベーターが上がってくる。

 エレベータから、頭が、機械の巨人の頭が現れ、徐々に上がってくる。

 その機械の巨人は腕を組み、足を開き立っていた。


「そなたらが、西の湿原から来たものか。なるほど大きいな。」

 可憐な声が聞こえる。


 だが、ククたちはそれどころではない。なんたって囲まれていてけん制に手一杯だ。

「そんなこと、どうでもいいわ!!こいつら何とかしないと。」

「おい、来るな!!俺たちは客なんだろ!?俺たちが何をしたってんだ。」


「皆のもの!!一歩引け!!」

 機械の巨人から声が響く。


 機械の前面が「バクン」と音をたてる。そして油圧シリンダーがゆっくりとハッチを開く。


 そこには、少女が居た。全身密着性の高いパイロットスーツを身にまとい。体にとても大きい部分がありとても目立つ。身をくねらせてハッチ前に出てきて、やはり腕を組んで立った。


「失礼した。客人。呼び出しておいて脅かしてしまい、すまない。」


「でか!!」

 テヲは体の一部を見て驚く。体が140cmも無いくらいなのに、胸がアンバランスに大きい。


 ククはその人物に見覚えがあった。女王。かつての超文明の女王ヒルメだった。

「あ・・・あ・・・、ひ・・・、ヒルメ姫?」


「知り合いなのか?クク?」




「久しく姫とは呼ばれる事は無いですが、あなたが姫と言うなら、かなり昔の事になります。」

「女王陛下。お姿をお隠しなさいませ。」

 従者が女王に注意を促す。

「しかし、彼女たちはまだ深々と顔を隠している。わたくしが顔を隠していては、彼女たちも覆いをはずさないでしょう。それに彼女はわたくしを姫と呼びました。もしかすると協力者になってくれるかもしれません。」


「そなた達、顔をお見せくださいまし。」

 女王は、ククたちにフードから顔を見せるよう頼んだ。

「ひかえひかえ!!女王陛下の御前であるぞ、頭が高い!!」

 従者は、ククたちに跪くよう命令する。


「まあ、待ちなさい。この者がわたくしの学生時代を知っているのなら、普通に接する方が良いでしょう。」



 ククはその言葉に耳を疑った。そんなオカルト真実と思う人がいるのかと。

「もし?もし前世の記憶があったとして、姫は信じてくれますか?」

 ククは女王に聞き正す。

「信じます。過去にもそんな人間が居ました。決して夢の物語でなく。」


「その人は今どうしているんですか?」

 女王は渋り・・・・・・


「あいつは如何しているんでしょう。別の女に現を抜かしているんでしょうか?

「今を思えば、妹には手を出しませんでしたが、同じ背格好のわたくしには手をだし、合法とはいえ、ロリコンで、結局小さい子が好きなだけなんでは・・・・・・」


「女王陛下、妄想と暴走がすぎます。」


 ククは心配になってきた。



「えー。」

 女王陛下は身を正し。

「あなた方の旅の様子は聞き及んでおります。このままターミナルへの連れて行く訳にはいきません。」

 ククたちは、そういえば色々やったなぁ。と思いつつ何が問題だったんだろうと考えた。

「すみません。どのようなところが引っ掛かったんでしょうか?」


 女王は困ったもんだと、頭を抱え答える。

「あなた方は危険なんです。爆弾や、通常得られない武器、それに盗賊や、あちら側の間者。武装解除と調査が済むまでは、拘束もやむなしと判断しました。」

「でも私、別に悪いことしてませんよ。」

 ククは反論する。

「問題なのは、その男です。言葉も然ることながら、武器が電気精錬しなくてはならない金属や、化学が進んでいないと出来ないもの。ネフェリム由来の外骨格。それらは、あの男が絡んでいるか、三大神機が無ければ得られない物です。」


「いや・・・・・・これは、海の底に沈んでいたお宝で・・・・・・」

 テヲが苦し紛れの言い訳を言うと。


「ならば、あなたに着いて来ている彼らは誰なんでしょう?」


「・・・・・・いえ。俺には関係ない・・・・・・たまたま同じ旅をしていただけでは・・・・・・」


「あなた方の持ち物をすべて、調査させて頂きます。尋問の上、その後処遇を言い渡します。」





 女王は兵に命じ、ククたちを拘束した。目隠しをされ通路より壁の中へ入り、軟禁される事になった。


 ククは豪華な部屋に軟禁、風呂に入るよう命じられ、まさしく身ぐるみはがされ、下着さえも没収された。

 ククの着替えは、なんだか珍しいフリフリしたかわいい服が与えられた。

 おつきの人もいて、お姫様気分である。



 テヲは、独房につれてこられ、これから拷問されるぞ!!という感じだ。

 とりあえず、身包みはがされる。端末、アームやチタンナイフは分析にまわされる。


「お前には、黙秘権がある。都合の悪いことは話さなくても良いが、真実を言わないと裁判で不利になる。」

 テヲを収監した男は言う。体が大きく屈強な肉体をしている。また豪華な装飾を施しているため、身分も高いと思われる。


「俺はどうなるんだ?」


「それはお前次第だ。」







 遠く離れた海に面した都市。

「ナムチ様が囚われました。」

 金髪碧眼の女性に報告が入る。

「テヲが囚われましたか。それで、潜入は成功したのですか?」

「はい。」

「それでは手筈通りに。」

「はい。しかしいざとなればナイルに展開している部隊を動かす事に。」

「大事なきように。テヲの交渉が成功すれば、わが国の衰退も防ぐことが出来ましょう。」



「ぜひとも手に入れなくてはイケマセン。あの神機を復活させるために・・・・・・」


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