14おまんじゅう大作戦
おまんじゅう。コワい。
「いらっしゃい。いらっしゃい。おいしいおまんじゅうだよ。」
売り子の威勢のいい売り声が響く。
「チャド湖名物、おまんじゅうだよ。」
「ねえ。ねえ。おまんじゅうだって、おいしいのかな?」
ミミは、おまんじゅうに興味深深だ。
「名物にうまいもの無しって言うでしょう。大層なもんでもないでしょ。」
ククは、さも当たり前のように言う。
「いっぺん食ってみないとわからんけどな。」
「そうだよ。食べてみないとこのおまんじゅうのおいしさはわからないよ。」
売り子が、会話に割り込んで、呼び込みしてきた。
「おまんじゅうは、パンより甘くておいしいよ。」
さらに、宣伝文句をつける。
「おまんじゅう。おいしのかな?食べようよ。ねえクク。」
ミミは甘いと聞いて、ますます興味がわいたようだ。
「そうねえ。食事には早いけどちょうど小腹がすいて、何かお腹入れたいところよね。」
ククもこの時代では、お菓子なんてあんまり見かけないので、なんとなく興味がわいてきた。
「おまんじゅうは、軽食にもなるけど、主食にもなるよ。」
売り子は、おまんじゅうの宣伝に一生懸命だ。
「どーれ。ためしに食ってみないか?」
テヲが物珍しいので、どうせ旅の土産話にもなると思って、提案した。
「そうねえ、それ一つおいくらかしら。米一杯くらい?」
ククが懐具合を見ながらたずねると。
「米三杯だよ。でもとってもおいしいから、お値打ちだよ。」
「ちょっと高いわよ。どうしてそんなにするの?」
「それは、甘くておいしいからだよ。材料のテフ自体が甘みがあるけど、おもちにすると、他のものが食べられないくらいおいしいんだ。」
「そんなの、”ちょっとそこでファーストフードを”って感覚じゃないわ。」
「そらそうだよ。特別な日とか、偉い人が主食として食べるものだから、ご馳走だよ。」
おまんじゅうは、結構値が張った。
古代のチャド湖は現在のチャド湖が比較にならないほど大きく、周辺は水が豊かにありテフの一大生産地になっていた。そのため自然とおまんじゅう工房が軒を連ねるに至った。
「高いわ、もっと安くならない?」
ククが値切りだした。
「わるいねえ。あんまり安くも出来ないんだよ。おまんじゅう組合で決められているから。」
「おまんじゅう組合なんてあるの?」
「そうだよ。老舗から、新進までのおまんじゅう工房が、しのぎを削って、代官賞をもらうために、日々技術を磨いているのさ。」
「賞をもらって何になるの?」
「そりゃあ。賞をもらえば、上様におまんじゅうの納品が出来るようになるし、看板にもキクの紋が出せる。そりゃあ、”一位おまんじゅう”の栄誉だよ。うちも昔は賞を頂いたんだけども、最近はめっきり賞をいただけなくて、元祖の名が泣くってもんだ。」
「じゃああんまりおいしくないんだ。」
子供らしくミミはストレートだ。
「お嬢ちゃん。言って良いことと悪いことがあるってもんだ。子供の躾は親の務めってもんだ。」
と、ククとテヲに目をやった。
「この子は、わたしの子供でもないし、腐れ縁ってやつで・・・・・・躾がなってないのは認めるけど・・・・・・」
ククは結婚もしてないのに親に見られるなんて気に入らない。
「じゃあ。おいしいか食べさせてよ。」
「いいよ。食べて確かめてもらおうか。」
(やった!!タダで食べられる。)
ミミはしめしめと、おまんじゅうに手を伸ばし、おまんじゅうにありつくことになった。
「はむ。はむ。はむ。」
ミミは、一口、また一口とかぶりつく。
「こへ、ぉひひぃょ。おほっほぃぃ。」
「しゃべるか、食うかにしろよ。」
「だっへ、とまはんはい。」
「そんなにうまいのか?俺も一個もらっていいか。」
「いいよ。一つも二つも変わんないよ。お姉さんもどうだい?」
「じゃあ遠慮なくいただきましょうか?」
「あいよ。お二人さん。いいとこあげるよ。」
「どれ。」
ククとテヲはおまんじゅうを口に運んだ。
「おいしいというか、主食?」
ククは調理された肉や野菜を包んだ、肉饅頭かと思っていたが、ほとんどおもちみたいなもの。だが甘い。なぜ中に具がないのにおいしい。でも主食。
「米や麦で作った団子やパンに比べれば、癖がなくてうまいけど、一味ほしいな。」
「痛いとこつくね。確かにうまみを出す熟成が足らない。もっと甘く出来るんだけど・・・・・・」
お店の人は、なにか含みげに口を濁した。」
「なにか、ワケありっぽいな。いったい何があったんだい?」
テヲはお店の人に尋ねると。
「実は、うちの親方が倒れちまって、うちの弟子たちだけで作っているんだが、味を継いだ息子が、喧嘩して出て行っちまってたんで、うまく作れなくなってんだ。」
「その息子はどこいったんだい?」
「息子さんは、自分で店を出して、しばらくは振るわなかったみたいだが、伝統の製法じゃないモノを売り出してからうなぎのぼり。あっという間に賞を取るようになったんだ。」
「あれじゃないの?その新旧世代の衝突ってやつ。時代の変わり目ってのじゃないの?」
ククは、イノベーションが起こることは、いつの時代でもあるんだなぁとしみじみ思いつつ。
(もみじまんじゅうとか、大あん巻き みたいなもんかね。)
「しょうがないんじゃない。さっさと仲直りしたほうがいいんじゃない?」
「そんなことが出来れば、とっくにやってるよ。」
「いったい。何が原因なんだい?」
テヲは店の人に聞くと。
「ここでは何だから、中に入ってくださいな。」
クク様ご一行は、店の中に入っていった。そこには、横になる老体と、弟子や女たちが忙しく立ち回っていた。
「あんたたち、おっぱいは好きか?」
「は?」
一瞬耳を疑う言葉が。
「実は親方と跡取りさんは、おっぱいが元で喧嘩になったんです。」
「もういうな。終わったことだ。あいつは熟したおっぱいの事はわからん。」
奥から、厳しい声が聞こえてくる。
「はぁ?まったくわからん。」
テヲは、頭に疑問符が浮かぶ。ククは、ご老体に蔑んだ目を向けている。
「旅のお方、おまんじゅうの硬さはどんなもんだったかい?」
「まあ、硬いわけでもなく、ふわふわとやわらかい。」
テヲが手をわしわしさせながら言うと。
「あ!あれか!」
「いやらしい手つきで何を思ったのかしら?」
ククが後ろで目を光らせている。
「いや、このムニムニとした触感なかなかどうして。」
「それで、手を前にして動かすのはやめて。」
ククは手を体の前に組んで後ずさりした。
「そいでな、息子さんは、ちょっと固めのやっぱりやわらかいが、小ぶりな一口まんじゅうを好んでつくってな。」
今度はミミがククの後ろに隠れた。
「あんたら死んだらどうかしら!?そしたら万事解決よ。」
「なにを言う!!おっぱいこそがおまんじゅうの極意じゃ!!あいつは邪道じゃ!!幼いおっぱいもないような子供をさわりたくって、豊かなおっぱいに興味がないだろうと、わしがちょっとあいつの嫁さんを揉んだら出て行ったんじゃ。」
「やっぱり死んだほうがいいわ。いっぺん死んでみようか?」
ククは、懐から殺戮兵器を取り出そうと構える。
「まあまてよ。なんでおっぱいを揉んだんだい?」
「そりゃあ。おまんじゅうの硬さはおっぱいのやわらかさと、詩にあるからにきまっとろう。」
「それが伝承なの?」
ククがあきれたように言う。
「だから、おまんじゅう職人は、日々研鑽のため色んなおっぱいを揉むのじゃ。そうじゃお嬢さんのおっぱいも揉まねばなるまい。」
ククは、チャキと音を言わせ、火砲を取り出そうと懐を探る。
「ああ、このおじいさん手遅れだわ。早く、早くヤらないと・・・・・・」
「まあ待ってください。おまんじゅうのため、わたしも揉みたい・・・・・・ゲフゥ・・・」
ククのボディーブローが、お店の人に炸裂する。
「この店ごと燃やそう。それが一番いいわ。次にその息子も子供の敵だから燃やそう。」
ククの目は、軽蔑の念が溢れていた。
「まあまあ。実際の被害を受けた訳じゃないから。そこまで熱くならないで・・・・・・」
テヲはククをなだめる。
「それで、その息子さんは?」
「すぐ目の前じゃ。あてつけにも程がある。」
向かいには、一口で食べられる手ごろな値段のまんじゅう。団子サイズくらいだろうか? を売る店があり、たしかに老若男女で繁盛していた。
「あの小ぶりおっぱいを売り出して、すぐにあれに客を奪われた。他のやつらも賛同しだして、すっかり町なかで、おまんじゅう職人がおっぱいをもむ光景がなくなって、こっそり裏手で、小ぶりおっぱいを確かめる輩が増えおった。」
かなりまずい光景が想像されるが、皆さんもあえて考えないでおこう。
そこへ、店の前から太陽を背に覗き込む影があった。
「そんなこと言ってるから、時代に置いていかれるんだ。今時代は弾力のあるもちもちおまんじゅうだ。」
「おまえは!!ええい帰れ帰れ!!ここはお前が敷居をまたいでいいところじゃない!!」
息子があらわれた。
「小ぶりなおっぱいはいい。あれは芸術品だ。日々変わる大きさや弾力。ああすばらしい。」
見事な変態である。
「おっぱいは、柔らかいに限る。それにでかい方が良いに決まっている!!」
まあ言い分はわからないでもないが、やっぱり変態である。
「ちょうどよかったわ。わざわざ出向いて燃やす手間がはぶけた。ちょっとそこに正座しなさい。」
ククはお怒りです。
「何だねそこの妙齢の女性。私はあなたには興味がない。でもこちらのお嬢さんはいい。いいよ。」
息子はミミ背後に回りこみ胸を揉み揉みしだき、恍惚の表情を浮かべる
「・・・・・・!!」
ミミはアームを展開しようとしたが、密着されて怖くて声が出せない。
「このお嬢さんは、もうちょっとして、子供を生めばいいおっぱいになる。まだまだ熟すまで待つんじゃ。」
親方は親方で、ククをさらに刺激する。
「ああ・・・・・・、どうやって殺ろうかしら?この変態ども・・・・・・」
「まてって。ククもどうして、いい形をしているし、たぶんいい感じに大きくてやわらかい(肉まん位かね)」
テヲが手をわしわししてフォローを入れるが、やっぱり変態。
「はあ・・・・・・まとめて始末するわ・・・・・・」
「お嬢さん・・・・・・始末する前にもう一度腹にイッパツ・・・・・・ぐふぅ!!」
お店の人にもうイッパツくらわしたが、なんだか嬉しそうだ。
「ああ・・・・・・だめ・・・・・・なんか変な気分になっちゃう・・・・・・」
ミミの様子がおかしい。ちょっと気持ちよさそう。
「そうです。身をゆだねなさい。わたしが揉むとみんなそうなるんです。」
ククの周りは、異様な光景だった。揉んだり、悶絶したり、なんなんだこれ。
先ずは、息子をミミから引っぺがすため火砲を構え、息子へ向ける。
「おいちょっとまて!!」
テヲがその間に入ろうとしたそのとき。
「あれ?」
ククがおまんじゅうの材料ですべり、ステーンと息子に向かって転がり、息子と共に倒れた。
「痛った・・・・・・!!」
息子の手には、ククのおっぱいが握られていた。
「むむコレは・・・・・・」
それは怒涛のラッシュで揉み続ける。もう手が分身しているような滑らかな動き。
「あぅ、あっあっあっあっあっ・・・・・・・なにこれ・・・・・・すごい・・・・・・」
「おおこれは新触感。やわらかいが弾力があり、揉み応えがあり、手に収まる。すごいフィット感だ!!」
ククは息子にすき放題もまれて、悶絶した。よだれをたらし涙目でレイプ目である。
「いいアイデアが思いついた。コレはいいものだ。」
「どれ、わしもいっちょ・・・・・・」
親方もククのおっぱいを揉みしだく。
「さっき揉まれたばかりなのにまた・・・・・・」
それはねちっこく、でも激しさがないが、テクニシャンの手つきでやわらかく揉まれる。
「んっ・・・・・・あっ・・・・・・いっ・・・・・・」
ククはもう満足ですという表情で寝っ転がっている。
「これは、コレか?息子よ。」
「ああそうだっコレだ!!」
二人は謎の合意を得て、工房の裏に消えていった。
ククとミミが落ち着いたころ。裏手から二人しておまんじゅうを運んできた。
「お嬢さん。わたしは間違っていた。幼女のおっぱいが至高なんて。」
「わしも間違っておった。やはり若い娘さんはいい。」
「・・・・・・はぁ・・・・・・んっ・・・・・・あんたたち・・・・・・さいてい・・・・・・でもゆるしてあげる・・・・・・」
おまんじゅうは極上の食感、そして甘さをもっていて、おいしさが増していた。
かくして、親子の仲直りが成立した。
古代エジプトには、麦より上位の主食として、オリュラというモチのような食べ物が存在していたらしい。主に宮廷やお祭りで食べられていた。
製法について文献にハッキリ残っている訳ではないが、おっぱいっていいものですね。
「ああ、なんてこと・・・・・・あんだけ好きな様にされて、抵抗できないなんて・・・・・・」
「でも、仲直りのきっかけになったんだから、由としよう。」
「あんたはいいわよ、揉まれてないんだから。ちんちん突然揉まれてうれしい?」
ククとテヲが話していると。
「それはいいかもしれない。ぜひそのときは、私のモノを」
「わしも」
「わたくしの息子も是非」
「ああ・・・・・・やめて!!想像もしたくない。」
「アレの硬さのまんじゅう?どっちの硬さの?」
「テヲもやめて!!自分でやって!!」
「じゃあ早速。おおい!!」
店の人同士が息子をいじっている。
「だからやめんか!!」
ククさんお怒りです。
こうして、なんだかわからないがおっぱいの、いやおまんじゅうのお話でした。




