14話 男の娘?
僕は3年生になり、妹たちも中等部から卒業の年だ。逆に、ワカメは入学の年だ。
留年がなければオシホが学生でいられるのは今年で最後になる。
さすがに進路を決めなくてはいけない時期で、僕は仮想化技術というか、あのオカリナが何なのかということを突き止めるため、電子系へ進む。
妹やウェルは卒業なのか進学なのか、まだ決めかねる様だ。
そうすると寮のあきが一気に3部屋になる。まあ妹はあと3年僕と暮らすだろう。だから2部屋になるかな。
チコメの抜けた部屋が一室、空き部屋になっている。
本来なら3年いるはずだったが、彼女は実績が飛びぬけており、単位は卒業要件をみたしており、味噌、しょうゆの研究で得た成果で学位もとってしまったので、飛び級で卒業していた。いや、ヒルメが強引に卒業させたんだろう。
留年や飛び級というのがあるので、一概に年齢=学年ではない。
今年は、その空き部屋を埋めるべく、一人入居するらしい。シヴァル・パティールというかわいい女の子とうわさだ。
「どんな娘がはいってきますかね?オシホさん。」
「そうだね。ロリロリかわいい娘がいいんじゃないかね。ヤゴロヲ君。」
「親父くさいこといってないで、さっさと掃除しなさい!」
シシュチルに怒られてしまった。
「このロリコンどもめが!!いっぺん死んできなさい!!」
ウェルは相変わらずロリコンには厳しい。
空き部屋を掃除していると、結構怪しい物体が現れる。
なにせ菌類研究のエキスパートだけに、瓶詰めのサンプルとか箱の中に標本とか、あんまり部屋に寄り付かなかった割にいろいろある。
「これ、捨てていいんだよな?」
オシホが怪しい瓶や箱を、開封しないまま持っていた。
「下手なことして、バイオハザードが起こったらたまらない。ぜんぶ焼却しましょう。」
あのチコメのことだから、やばいものに違いあるまい。
「女の子の部屋にしては殺風景よね。」
シシュチル。あいつが普通の女だと思っているのかね。あれは、無頓着に20歳で制服着てたんだぞ。
「歓迎もかねて、少しきれいにしようか?」
ウェルがなんか芸術性を爆発させようとしている。
「それは勘弁してね。また次入ってくるとき困るの。」
「あなたたちももう卒業の時期ね。入ってくる前は、チコメが部屋にいないもんだから、一人で掃除したのよ。」
カウィールさんはしみじみ言うのであった。
掃除も一通り終わり、荷物もいくらか入ってきた。やっと明日には待望の入居者がやってくる。かわいい娘で、今年教養課程に入ってくるという。じゃあ15歳か。ロリではないね。
そんな風に思っていた時期もありました。
目の前には、ロリっこがいるんです。ショートカットのどう見ても小学生の。
「今日からお世話になります。俺の名前はシヴァル・パティール。よろしく。」
俺っ娘ですか。
「かっわいい~。ねえパティちゃんて呼んでいい?」
シシュチルが、初対面であだ名をつけてしまうくらい愛らしい。
「パティちゃんよろしくね。」
ウェルもかわいい女の子には弱いようだ。
「やめてくれ。俺は”ちゃん”なんて嫌だ。せめて”君”といってくれ男らしく。」
「え?」
一同、唖然とした。は?今なんと?
「俺は男だ。」
おお。ちんちんついてるんだ。ついてるのか?
「とりあえずちんちんみていいか?」
ちんちんちんちんと、僕は、別にホモじゃない。
「やめろよ。あとで見せるから。ていうか、便所どこ?しょんべんしたい。」
「ああこっちだ。」
「じゃあ連れションで。」
僕とオシホとパティちゃんで男子トイレに入ると、生えてます。いいもの持ってんじゃねえか。
「ところでいくつ?とても2つ違いとは思えないんだけど?」
僕は、どう見ても子供。ワカメは子供だけど魔性だったが、この子はあどけない。
「俺は、12歳。今年で13だ。」
「おお。若い。でも中等部じゃなの?」
「俺は地元で飛び級して、行く学校がないから、大学校に進学したんだ。」
「ほー。アタマ良いんだ。」
「バカにしてるの?」
「いや。今日入居する部屋の先代も飛び級で卒業していったからね。あの部屋はそういう部屋なのかなって。」
「そうなの?じゃあ俺におあつらえ向きだな。」
「でもさー、2階って女性が入居してるから、防犯上どうなんだろうね。」
「え?女の部屋なの?」
「うーん。厳密にはそうじゃないけど、慣習的にね。」
そういうと、パティールはトイレをダッシュで出て行った。
「どういう事だ。俺が女部屋とは?」
カウィールさんに詰め寄るパティちゃんの声が聞こえる。
「てっきり女の子だと思ってって、だって声がかわいかったし。」
「それは、俺がまだ声変わりしてないから。それでも見た目でわかるだろう!!」
いや、絶対わかんね。どう見ても美少女だもん。
「まあまあ、パティちゃん。女の子なんだから。」
ウェルは未だ女の子と信じて止まない。
「だから俺は男だと。そんなにちんちんみてえのか?おう見せてやらぁ!!」
かわいいおちんちんなら、ウェルも喜びそうだ。
「やめろって。」
オシホが後ろから羽交い絞めにして止めているが、パティちゃんは足をばたばたさせていた。
「ちんちんついてるよ。残念ながら。いやー残念だ。」
僕が、ちんちんちんちん言うと。
「さすが、ロリコンは違うわね。そんな事でだまされるとでも?」
「ためしにどう?いいネタが股間に生えていやすぜ。」
いや、ほんとうなんだって、”かわいい子にはちんちんつけろ”ということわざになるくらい。
「なに言ってんのよ。」
さすがに引くよねやっぱり。
「ちょっとさわってみる?女の子って言うなら。」
このシュチュで僕なら女の子にちんちん触られたい。
「平気よ。女同士だし。ほら無い。”むにゅっ” え?」
「この。よくも。よくも。」
パティちゃんが涙目だ。あー、なーかした、なーかした、せーんせーにゆうてやろ。
ウェルさん。ずっと握ったままですよ。むにむにと。
「やめろ。はなせ。おい。」
少しずつ、むくむくしてきます。だってウェルだって女の子ですもん。女の子の手で刺激されたらたまらない。
「え?え?え?」
とまどうウェル。いい加減離してやれよ。僕と違って長年の経験がないんだから、爆発しちゃうよ。夜中襲われちゃうかも。
やっと、事態を理解したウェルは、後ずさりして、駆け出した。すぐさま部屋に閉じこもってしまった。
「ちくしょう。あの女。あの女。」
見かけによらないご立派さまが。言葉に意味深な意味を与える。
「まあまあ。ご褒美みたいなもんじゃないか。美少女に握られるなんてめったにない。」
「お兄ちゃん。変態。」
「俺は、握るならテクニックがほしい。」
オシホはどこぞの風俗で経験があるのか?
「オシホさんまで、変なこといわないの。」
「それより離してくれないか?いい加減。」
「おっ。わりいな。」
オシホは抱きかかえていたパティちゃんを地上に解放した。
「俺は男だ!!」
パティちゃんが胸を張って親指を自分へ向け高飛車に言う。
「わかってる。」「いいもの持ってるもんな。」
僕とオシホは”ものいい”審査員です。
「なんだよ。男だけかよ。男がわかるのは。」
「さっきから、何なのよ。」
シシュチルには解るまい。男同士のブツ比べの意味が。
「ごめんなさいね。女の子だと思ったのよ。声と顔と名前で。」
カウィールさんは、この判別困難な事態に謝罪をするが、さすがにおちんちん鑑定士でもないので、この子の判定は出来ないだろう。
「いいですけどね。慣れてるし。それより部屋は何とかなりませんか?」
慣れてるんだ。まあ見た目は女の子だよね、完全に。
「それが、1階は埋まってて、来年ならいいんだけど。」
「俺が卒業できればな。」
オシホは、留年するつもりなのか?
「それでいいです。1年は我慢します。でも絶対ですよ。1年で変わらなければ、別の宿舎を探します。」
「それは、お姉さん困っちゃう。かわいい店子がいなくなるのは損失よ。」
「必ず出て行ってね。オシホ。」
カウィールさんはオシホの手をとって真剣に願った。美人さんに手を握られ、見つめられるご褒美。うらやましい。
「あ、ああ。出来るって。大丈夫だって。」
若干戸惑いながらオシホは返答した。
「んっんっ、いつまでやってるのかしら。」
シシュチルが、咳払いして、握り合った手をつかんだ。
「おお、・・・・・・わりいな。」「ええ、・・・・・・そう。」
なんか間があるな。
「ばたばたしたけど、部屋に案内するよ。」
僕たちは、荷物を持って2階の端にある部屋へ移動した。
「あと、トイレとか風呂とかリビングダイニングの使い方があるから、晩飯前くらいにリビングにおいで。あと自己紹介まだだったね。僕はヤゴロヲ、教養部在学、下にいた女の子が僕の妹で中等部のシシュチル、で隣の部屋には、ウェル」
「俺はオシホな。来年専門課程卒業だ。」
「はい。ヤゴロヲさん。オシホさん。またあとで。」
「いやあ。あの子いい子ですね。」
「そうだな。意外と落ち着いているしな。」
しばらく、リビングで休んでいると、ウェルが申し訳なさそうに下りてきた。
「あのぅ・・・・・・あの子はいないよね?」
「いま、部屋で片づけ中だよ。」
「うん。音がしてるから。」
「まあ、思春期の男の子にとってご褒美というか、ラッキースケベ?気にすんなって。」
「でも・・・・・・あたし・・・・・・ちゃった。もうお嫁にいけない。」
顔を真っ赤にして、うつむき加減になってしまった。
「まだまだかわいいもんだって、オシホのブツでもないんだから。」
僕がオシホの股間を指差して言うと。
「俺のは、あれだぞ、覚悟しなとだな・・・・・・」
オシホはちょっとそわそわして言う。
「バカなこといってないで、なに?大きさ比べして楽しいの?大きさじゃなくて相性でしょう。」
シシュチルが下ネタに突っ込みを入れる日がくるとは。
「おい。お前経験あるのか?」
「・・・いいえ。何を言ってるのお兄ちゃん。」
「そうだぞ、シシュチルはまだ清純だぞ。」
オシホに人の妹の何がわかるんだ?
「ちょっと、変な話に向かわせないで、あたしの今の問題をなんとかしてよ。」
おっと、ウェルの事を忘れていた。
「大丈夫だって。気にすんな。そんな事言ったら、ワカメはどうなる。あれこそ痴女みたいなもんだろ。」
「それは、聞き捨てなりませんわ。ヤゴロヲ様。わたくしは、ヤゴロヲ様の欲望の向くままの願望を具現化しているだけですわ。」
今日は、お外にククルカちゃんと、遊びに行っていたワカメが帰ってきた。いつもどおり当たり前の様に暴走気味である。
「たしかに、ぐらっと行きかけるが・・・・・・でなくて、もうちょっとソフトにならないかな。」
「あら、王家でしたら面談即交合ですよ。何をおっしゃいます。常識です。」
「王家と同じにしないでください。」
「あっ!そうか、王家ならいいのか。」
ウェルはなにかはっと気づいた。
「落ちぶれたとはいえ、元王家だからお手つきとかありかも・・・・・・」
「いや、そのりくつはおかしい。」
ウェルに突っ込む事なんてないが、さすがに僕でも突っ込みたくなる。
「男女の仲なんてすぐよ。気が合えば一気に行くから。」
カウィールさんは、なんで焚きつけるようなこと言うかね。
「まあまあ、そんなに飛躍しなくても、一度謝ってしまえば終わるから。」
「そう。そうよね。でもわたし・・・・・・」
ウェル一人では勇気がない。グループで行ったほうが何かと安心、といった感じで言葉が途切れる。
「仕方ないか。全員で行くか。ワカメの姉さんは立ち会ってないから、行かなくていいと思うけどな。」
オシホは、寮生の年長者として、珍しくリーダーシップをとった。
「わたくしもご挨拶したいと思っています。しかし”姉さん”ってなんですか?」
「いやヒルメ姉ちゃんとかぶるんでな。いまや国の母さんだから自動昇格でワカメ姉さんだ。」
「あんまりうれしい尊称ではないですね。それに大きな男が母だの姉だの気持ち悪い。」
ワカメは普段暴走しているが、決して暴言は言わない。が本気で気持ち悪かったらしい。
「さっさと済ませよう。謝るだけの簡単なお仕事だ。」
僕らは階段を上がり、一番端っこの部屋へ向かった。
「おーい。入っていいかい?」
「はいどうぞ。」
扉を開けると勢ぞろいでびっくり。
「ごめんなさい!!」
ウェルが開口一番、謝罪した。ジャンピング土下座ではないが、勢いはある。
「お前、何したかわかってんのか?」
素人さんにお金払ってもしてくれないことです。
「ごめんなさい!!何でもするから!!」
女の子が何でもするからなんていった日には、ぜひ、マッサージの続きを。
「何でもだって?」
ほら、来るぞ。
「じゃあ、俺に従え。」
ほら来た。定番だね。これからどうなる。やはり止めるべきか。
「従えってなにを?」
思春期の男がうら若き乙女にする事といったら、アレしかないじゃないですか。
「俺の部屋の片付けと、資料の整理だ。」
がっくり。
「そんなんでいいの?」
そうだな。僕だったら、命令に女の子が悔しがられながら従う様、をつまみに飲みたい。
「前の住人の痕跡から見て、菌類を使った研究をしている。」
「よくわかるね。確かに発酵食品を作っていたよ。」
「わかるも何も、菌類のコロニーがいっぱいあるじゃないか。」
たしかにね。かなり掃除したつもりだが、色んな色だったりしたからな。
「それに、俺のテーマともかぶる。」
「どんなテーマなの?」
ウェルが恐る恐るたずねる。ウェルは勉強があまり好きではない。芸術系だしね。
「それは、病気の原因は細菌やウイルスによるものが大きい。だから細菌やウイルスを絶やす薬があれば病気を根絶できる。でもどの薬がその菌類に効くか判らない。だからあらゆるサンプルがほしい。ここにはそれがあるようだから、一度整理したい。」
ほほう。抗生剤やRNA合成阻害というやつかね。なかなか目の付け所がいい。
「そりゃサンプルだらけだ。でもアオカビはないな~。ある意味どこにでもあるからな~。」
僕は、抗生剤といえばアオカビと直結して考えていた。ペニシリン以外にも在来菌から取れるなんてこのときは知らなかった。
「アオカビなんていらないよ。別に病害もないし。」
「まあまあ、かび臭い話ばっかりじゃ、ツマンナイヨ。」
シシュチルはカビの話で盛り上がれない。
「そういえば、まだ焼却してないな。かび臭いゴミ。」
オシホがあの危険な容器がまだ、ゴミ捨て場に置いてあることを思い出した。
「なんだって?それを捨てるなんてもったいない。」
パティちゃんが血相を変えて飛び出す。
「なにやってんだ。お前も来るんだ。」
パティちゃんがウェルの手を引っ張って、階段を下ろうとしてた。
「えっ?いやいやいや!?あの怪しいやつよ?せっかく捨てたのに?命に係わるわ。」
「何でもするって言ったじゃないか。」
「これとそれとは、別。だってあれだよ?」
「いいんだよ。うまくやるから。」
「お姉さん感心しません。」
カウィールさんが立ちはだかる。
「だって、命に関わりそうだし、またあれを入れるのはちょっとね。」
確かに、せっかく出したのにまた入れるなんて。
「じゃあこうしましょう。研究室を提供しましょう。」
ワカメが僕の方を見て切り出す。
「ちょうど学区内に空きがある物件がありまして、そこを使いましょう。」
「あそこですか?(ヒルメの思い出の場所でもある)」
「さすがに、遊ばせておくにはもったいないですし、もともとあの方の研究室になってましたから、都合がいいでしょう。」
「確かに、あそこはここをさらに上回るカオスっぷり。適応できますか?」
「大丈夫ですよ。入試選考の資料によれば、この方も劣らずの変わり者です。」
ワカメに僕はそっと近づき、小さな声で話す。
(「なんであそこを。それに知っていたんですか?彼を。」)
(「もちろんです。理事ですし、選考にも係わりました。飛び級でしかもこんなかわいい方、忘れません。」)
(「じゃあ、この寮へは、もしかして・・・・・・」)
(「それは偶然です。ヤゴロヲ様の引力でしょうか?」)
「じゃああのクラブハウスの封印を解く時が・・・・・・」
「ええ、禁断の扉を開けるときです。」
正直あれから立ち寄ってないのでどうなってるか、神のみぞ知るところだ。
「それで、そのクラブハウスってのはなんだい?」
パティちゃんが話しを、盗み聞きして尋ねてきた。
「それはそれは、先代の住人の魔窟さ。彼女がそこで寝泊りする位の魔窟。たぶんこの部屋より危険度が高い。でも生活空間は清浄度が保たれていると信じたい。」
「なんなんだよそれ、じゃあ寮が必要ないじゃん。」
「ああそうだよ。ほとんど見かけなかった。」
一同、うんうんと首を縦に振る。
「でも安心してほしい。追い出す様な事はしないから。」
「寝泊りできる場所があるんなら、寮に入る必要なかったよ。」
「ただの寝泊りでしたら、没収しますよ。成果を出してください。前任の方も十分な成果を挙げています。」
ワカメは手厳しく、同い年の教養部1年生に対して要求する。
「研究成果なんて、まだ1年ですよ?どうやって?」
「それは、場所を提供するんです。相応の対価を頂ます。それに助手もいらっしゃるようなので。」
「あー、ダメダメ。あたし勉強さっぱりだし、それに中等部だし。」
ウェルは、こんなの無理だし、男の子と一緒なんてちょっと怖いという感じだ。
「じゃあどうしましょう。ヤゴロヲ様は、強制参加ですが。医学看護系の方が適任ですが。」
僕はワカメにひそひそ話するため近づき。
(「あのー僕は強制なんですか?」)
(「はい。もともとはヤゴロヲ様の軟禁場ではないですか。」)
(「途中から愛の巣でしたけど。それで、彼に付ける人材は?」)
(「チャンティコさんが厄介払い、いや適任と思われます。」)
(「いま厄介払いといいましたね。」)
(「言葉の綾です。彼女はちょっとかわいい顔の方が、”好み”みたいなので、ちょっと期待しています。」)
心の声が声に出てますよ。
「あたしは、本当にいいの?」
ウェルは”何でもする”と言った対面上の責任があるため、何らかの償いをしたい。
「じゃあ、俺の部屋をきれいにしてくれるか?ほとんど寄り付かないだろうから。たまにはクラブハウスに報告に来てくれればいい。」
「それでいいの?ほんと?」
「ああ、俺が良いんだから、気にすんな。」
「ありがとう。許してくれて。」
「許してはない。別に気にしてないだけだから。」
意外と男らしい子だなあ。
「さて、またあの建物か。あそこたまり場にならない運命なのね。」
男性陣が一人称俺が2名、僕は孤軍奮闘である。うーんここは男らしく俺?でいく?それともワシとか、我とか。