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ペットシステムの登場です

 あれから街を出て地図画面を開きながら近場にあるダンジョンを目指している。現実であると分かったからか、自分の目の前に浮かぶ地図に近未来チックなものを感じる・・・まあファンタジーだし。

 しかし私は一つ、忘れていた。ゲームの時には感じなかった距離感の違いだ。ゲームの時は数分もしないでダンジョンまで行く事ができたが、今は現実だ。つまり距離もあり徒歩ではだいぶきついと言うことだ。

 既にめんどくさくなりつつあるこの徒歩をどうにかしなければならない。何か無いか・・・?


「あ、そうだ。ゲームじゃない今なら使えるかも」

 

 ここで私は一つゲームの時に使っていたあるシステムを思い出す。それはペットシステムだ。

 ペットとはその名の通り自分のパートナーとなる動物の事だ。この『サード』ではソロプレイヤーを救済しようと言う名目で、ペットを追加していた。

 育成をする必要があるがその強さはプレイヤーにも劣らない。まあペットの定義が崩れそうなペットも存在するが・・・中には空を飛ぶペットもいる。例を挙げるならドラゴンや天使などか。一時期は強いペットを求めてクエストを進めたなぁ・・・

 

 まあそんな訳で私にもペットが沢山いる。使えるなら空を飛んでいけるペットで一気に行こう。

 ウィンドウ画面を開いてペットアイコンをポチッと押す。すると目の前に魔法陣が現れ、そこから光の粒子が飛び出す。それは突風を伴いながら実体を形成し形を成した。

 その名はリヴァイア、漆黒の鱗を全身に纏う巨竜である。かつてとあるクエストで手に入れたペットだ。


「おおぅ・・・」


 私の遥か上から鋭い眼光で見られている。ゲームではかっこいいとしか思わなかったが、現実でこうしてみるとデカいなぁ・・・よくダンジョン内で使えたな。

 とりあえずその背中に乗ろう。これで空を飛べば速いはずだ。と、その時だった。

 足に手をかけ登ろうとしたらその大きな顎で私の頭を強打してきた。


「あだぁ!?」


 その鋭い痛みに思わずしゃがみ込み頭を押さえる。うぐぐ・・・


「・・・主よ、何故呼ばなかった」


 はい?・・・っていうか喋れたの!?いや待て、今はゲームではなく現実世界だ。つまりゲームでは無かったペットにも意識が存在するって事か?

 見てみればリヴァイアは全身からそれはもう見るからに分かるほどに不機嫌オーラが出ていた。物理的に。あっ、やめて草木が枯れ始めてるから!

 

「すまなかった、私も何が何だか分からなくてな。こうして待たせてしまったのであれば謝ろう」


 そうして頭を下げる。すると、ズイッと顔をこちらに寄せてきた。

 えーっと、撫でればいいのかな?

 ゆっくりと手で撫でると、その鱗はひんやりと冷たくスベスベしていた。すると不機嫌オーラはとりあえず収まってくれた。とりあえずなでなでを続けていたら顔をさらに寄せてきて私の体にズリズリと擦り付けてくる。

 甘えてる・・・のかな?

 そこで私は気づいた。リヴァイアは震えていたのだ。


「・・・本当に良かった、もう・・・居なくなってしまったのかと」


 そうだ、私からすれば数日、いや数時間かもしれないがこの世界で生きるリヴァイアにとっては、300年の月日が流れているのだ。音沙汰も無ければ人間の寿命を考えれば亡くなっていて当然。

 その申し訳なさもあり、少しの間ずっと撫で続けていた。


「それで、何用だ主よ」


 先程までの甘えに恥ずかしいのか、少し目を逸らしながらそう聞いてくるリヴァイア。そんな様子に少し微笑ましくなり、ふっと笑い私も答える。


「近くにあるダンジョンまで行きたいんだけど、遠くてねー。そこで君の力を借りたくて」


 そこまで言えば理解したようで、なるほどと頷き首を下げた。乗れということだろう。

 ひょいひょいと登り首元に跨る。


「それじゃ頼むよ!」


「了解だ」


 その丸太よりも太い大きな脚で跳躍すると一気に翼を振るう。それだけで全身に吹き付ける突風、それはまるでジェットコースターのようだった。






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