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地獄みたいな練習が終わった

ひたすら地面に吹き飛ばされ続けるのを練習と言える精神力もすごいと思いました(小並感)

 地面にぽたりと水滴が落ちる。頬から伝う汗は顎に到達し地面へと落ちていく。体を包む熱さに頭はやめろとサインを出すが私はそれを無視する。今一瞬でも目を離せば、すぐにでも意識を刈り取られる。

 目で追うな。地面に擦れる足の音、風を切る体の動きを肌で感じ取れ。それを常に意識しなければ相手の動きなど読めはしない。


「そこっ・・・!」


 気配を辿り棍を突けば、岩に叩きつけたような衝撃が手に伝わる。棍を持つ手はあらぬ方向に弾かれ態勢を崩す。まずい、このままでは。

 1秒すら猶予のない余白に弾かれた腕を無理やり戻して棍を盾にする。その時には既に眼前に剣の刃が迫っていた。防いだ棍ごと私の体は吹き飛び地面を転がる。


「だいぶ良くなりましたね」


 地面に大の字で転がる私を上から見下ろすのはバルキリー。私は力なく笑った。

 あれから日が暮れるまでバルキリーと練習をした。練習になってたのかすら怪しいがとりあえず基本を覚える事はできたと思う。


「本来はここからがスタートなのですが、今回は時間が足りませんね」


 私がやったのは『転び方』の練習だ。自分よりも格上の相手と戦う時、振り回されながらも致命傷を回避する為の練習。空手や柔道でも最初に習うのが受け身なように、転び方を学ぶというのは基礎でありこれがなければ相手の前に立つことすら不可能である。


「魔法使いである主人が魔法を使わない前提の戦いをするのであれば、互角か格上の相手をする事になるのは間違いないですからね」


 とはバルキリーの言葉である。職に対して補正がある為、単純な実力は私が弱くなるのは当然だ。だからこうしてその為の練習だったわけだが。素直な感想を言うと。


「これがスタートってきっついわぁ・・・まあ楽しいんだけど」


 バルキリーはペットな為に特定の職こそないものの、専用のステータスとスキルを持っておりプレイヤーを相手にするのと遜色がない。お陰で攻撃しては弾かれ吹き飛ばされ続けた。魔法がないだけでここまで違うとは。


「既にナツミ達は今日の分は済ませたようですし、私たちもこれで終わりにしましょう・・・そろそろ実戦をさせた方がいいかもしれませんね」


 なんか最後の方声が小さくて聞こえなかったけど顔が怖いぞバルキリー。あー、ゲーム内じゃいくら動いても疲れは感じなかったけど。こうしてくたびれるまで動くの疲れるものなんだなぁ。こうも汗でベタベタだと風呂に入りたくなる。あ、でも魔法があるんだし即席の風呂くらい作れそうだ。

 飯を食ったらやろう。この世界は風呂の文化はあるんだろうか。あれを知らないとか人生損しかないぞ。

 前回の投稿から遅れて申し訳ない。あれから色々ゴタゴタしてまして落ち着いて書ける時間がありませんでした。投稿ペースは落ちますがこれからも投稿してますので気長にお待ち下さい。

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