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夜中の奇襲は定番。むしろウェルカム

 弁当は値段が高いだけあり美味かった。新鮮さもそうだが弁当という持ち運ぶことを考えて冷えても美味いように作る心遣いを感じたね。なにを当たり前なことを、と思うかもしれないがこういった細かい事を出来るのは少ないのだ。


「私は携帯食だというのに・・・」


「一人分しかないんだから仕方ないだろう?これ高いんだぞ?」


 2000円もしたんだからこれ。まあ携帯バスケットっぽい何かを食いながら未練のある目を向けられるのも困る、次何か美味そうなのがあれば分けてあげよう。


「ところで、気づいたか?」


 ナツミさんはそう言いながら手元に剣を置く。

 んー?何か起きたか。いや顔を動かさず辺りに目を配るナツミさんを見るに周りに何かある?


『魔力感知』


 すかさずスキルを発動、自分を中心とした一定の範囲に存在する魔力の塊を感知する。スキルはすぐに反応し、自分達を囲むように複数の魔力を感じた。


「あー、そういう事?」


 自分達を囲む動きが統一されてるあたり魔物ってより人間か?魔物は本能が優先された動きをする者が多い。このように統制された動きをする魔物は少ないのだ。


「気配は・・・10人といったところか?」


「惜しい、11人だ」


 そんな軽口を言い合ってるうちにナツミさんの背後から剣を持った男が襲いかかる。それを見ずにナツミさんが剣の鞘を後ろに飛ばした。

 鳩尾に鞘が当たり蹲る男を蹴り倒しナツミさんは辺りに目を配りながら剣を構えた。


「殺しはなしなんだろう?ちょうどいい、訓練といこうか」


「私も人のこと言えないけど・・・ナツミさんも大概、戦闘好きだなぁ」


 だってこうして剣握って振り回すときのナツミさんイキイキしてるし。まあ私もこうして新しい事に触れるのは楽しいんだけども。

 と、そんな二人の会話の中でも敵は襲いかかってくる。中々考えられており、遠くから弓矢でこちらを狙う伏兵。そんな伏兵を狙わせないよう複数で同時に肉薄する敵もいる。おまけに必ず一人は死角から来るおまけ付き。


「っとっと・・・」


 そんな攻撃を回避し、肉薄してきた敵の脇腹に肘打ちし武器を奪う。その隙を狙ってきた敵には地面に落ちていた砂利を蹴り目潰し。怯んだら懐に潜り込んで低い姿勢から放つ正拳突き、腹に突き刺さり敵は倒れた。


「作戦はいいが個人の実力はそこまででもない」


 そう言い切り来る敵を問答無用で剣で叩き伏せるナツミさん。敵はすごく痛そうだなぁ。


「くっ、てめぇらこうなったら全員で突っ込め!」


 そんな大声が聞こえると敵の動きが変わる。一撃を喰らおうともそれを無視して攻撃が当たればいい。といった動きだ。確かに数は驚異になるな。


「ならこいつでいこう。痛いのは許してよ?」


『雷術式・迅雷』


 カードを差し込むと体を包む雷の魔力。それはバチバチと音を立てて周りを威嚇する。

 

「な、なんだこい」


 そんな敵の声は途中で途切れる。目に見えないほどの速度による攻撃は瞬きすら許さず、囲んでいたはずの男達の意識を刈り取ったからだ。


「2秒ってところかな。いてて」


 カードを引き抜き体を揉むレイカをナツミは不満げに見る。


「一気に制圧したら訓練にならんではないか」


「あ、ごめん。つい」


 やはり雷はリスクが高いな。単体、複数の敵問わず相性がいいが体への負担が激しい。実戦で使うなら10秒が限度って感じか。


「で、こいつらは?」


 伸びている男たちをナツミさんはじっくりと見る。それが終わると首を振る。


「服装や武器からして山賊ってところだな。顔は見た事がないから指名手配されているような連中ではなさそうだ」


「まあ、見た目は女二人だし囲めば勝てると思ったんだろうな」


 人は見た目で判断しちゃダメって事だねー。

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