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ワンちゃんツーリング

「主様!指示通り見張ってたら来てたよ!」


 街を出て森を歩いていると空から降ってきたのはワルキューレとバルキリーだ。私とナツミさんが目立ってる中でアレン少年や親方を人質にする可能性があったから見張ってもらっていた。案の定来てたか。


「しかし、何故始末しなかったのですか主人?経験上、ああいった輩はしつこいですよ?」


 まあ言ってることは分かるが、進んで人を殺したいとは思わないんだ。できることなら殺さず行きたいわけだ。


「できるだけそういうのはしない方針で行く。で、ナツミさんはどうするんだ?多分私についていくとろくなことないよ?」


 ナツミさんはその言葉にフッと笑う。あらやだ宝塚系女子がやるとカッコいい。


「既に私も仲間として指名手配されているだろう?今更だ。生憎私には身内もいない。心配することはないぞ?」


 それならいいんだけど。しかし次は何処にいこうか?行く当てがない。ナツミさんに聞いてみる。


「そうだな・・・こういった時は大きな街に行くのが良いんじゃないか?隠れるのにも最適だろう?木を隠すなら森だ」


「なるほど?ここからだと・・・一番近いのは『アルミア』だな」


 アルミアはゲーム時代だとただ大きい街ってだけだったかな。ただ仲間と騒ぐ時に集まる場所って印象が強い。まあ目的が特にないわけだし行ってみようかー。


「よし、普通に行ったら1ヶ月とか掛かる。ここは時短だ」


 メニュー画面を開きペット召喚欄を出す。


「時短・・・?何をする気なんだ?」


 怪訝な顔をするナツミさんに答えようとしたところで後ろからガバッと抱きつかれる。犯人はワルキューレだ。


「えーっ!主様戻しちゃうの!?まだいたーい!」


 おおう、わかったから抱きついたまま揺らすな。目が回る。


「こら、主人を困らせるんじゃありませんよワルキューレ。私達は務めを果たしたのですから大人しく帰還しますよ」


 そう言いつつバルキリー君?君も人の服をそっと掴むのやめてもらえます?帰還させるの罪悪感出てくるでしょう?


「まあまあ、とりあえず用が済んだらまた呼ぶからさ。大人しく帰還してくれ」


 そう言うと不満げではあったが素直に帰還してくれた。すまんね。


「消えた・・・本当に使い魔なんだな」


「まあ、見た目は人と変わらないからその感覚はないよな」


 で、召喚するのはこいつだ。目立たないようにしつつ移動は早い。


「ワフ!ワン!」


 例の如く魔法陣から現れたのはフェンリル。出てからすぐに飛びかかってきて顔を舐め回す。


「わかった、嬉しいのはわかったからやめい」


「これは・・・神獣か。もはや驚かんぞ。竜を相手にあれだけしたのだ。これくらいあってもおかしくない」


 何故か遠くを見つめるナツミさん。


「それじゃ頼むよ。方向は指示していくから走ってくれ」


 ワン!と景気良く吠えるとお尻を地面につけて待機する。乗れって事だろう。


「それじゃ行くぞ!ナツミさんもほら!」


 ボーッとしているナツミさんを引っ張り一緒に乗せる。


「え、うわっ!?」


 乗せると同時に一気に駆け出す。すると視界がブレて顔に突風が掛かる。またテンション上がって速度上げてるなこいつ!?うわ、やめろー!また吐くから!

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