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雑魚の群れを一掃

 来た道を引き返すと大通りは既に騒がしくなっていた。様子を伺い顔を覗かせれば鎧姿の者たちが走っているのが見えた。


「探せ!出たという話は出ていない!まだこの街にいるはずだ!」


 どうやら気付かれたようだ。


「やはり気付かれたか、どうする?」


「んー、とりあえず外に通じる門に行こう」


「待ち伏せされてると思うんだが・・・まあ、君なら平気か」


 正直私と正面からやり合うなら四賢者連れて来なきゃ無理だと思うよ?一応弱点はあるしね、私のやり方は。


「ならこっちだ、ついてくるんだ」


 ナツミさんの指示に従いながら門へと急ぐ。道中イチャイチャしたカップルの逢瀬を目撃したりなど色々あったが割愛します。お幸せにね?


「で、来た訳だが案の定だな」


「予想通りって感じだ、行こうか」


 光があまり入らない薄暗い裏路地から様子を伺う。大勢の鎧姿の男たちが見張っており、その中に私に手錠をかけた黒尽くめの鎧の男も見える。

 なので私はそのまま裏路地を出て門へと歩き出す。その後ろをナツミさんが付いてくる。


「隊長!アイツがいます!」


 その姿を見つけた隊の誰かが騒ぐと一気にざわつき始めた。こちらの姿を確認すると黒尽くめ・・・いや、もうめんどいし黒鎧の男にしておこう。黒鎧の男は笑い出す。


「はっはっはっ、どうやら観念したようだな。この数を相手に利口なことだ」


 どうやら相手は私が降参しようとしているように見えるらしい。


「数が自慢とは中々賢いな。自分一人じゃ勝てないと理解してるようだ」


 そんな風に声を掛けてやれば途端に顔を怒らせる


「貴様…やれ!お前ら!多少傷がつくのは仕方がないが許可されている!」


 その号令で黒鎧の男の後ろに控える槍や剣を構える部隊が隊列を組みながらこちらに襲いかかって来る。


「数は…ざっと50くらい?ナツミさんはいける?」


「急な事で相手も部隊が整ってなかったのだろうな、この程度であれば躱すことも可能だ」


「オッケー、なら半分くらい任せるよ」


「了解だ」


 ナツミさんは腰に下げた剣を抜き、腰を落として向かって来る部隊に突撃する。相手もそれに対応しようと槍を突き出すがそれを剣先でいなし、下からすくい上げるに振り上げればそれだけで数人が空に舞った。


「おー、すごいな」


 よく見ればナツミさんが振るう剣は淡く光っており、その光で剣のリーチは伸びている。あれは確か聖騎士の職業スキルだったかな。身のこなしといい、ナツミさんは強い部類に入るのではないか。


「さて、こちらもやろうか」


 よそ見をしているうちに目前にまで迫る武器を持った男たち。


「相手は魔法使いだ!詠唱させなければ大した脅威ではない!」


 その手に持つ各々の武器をこちらに振ってくる。既にこちらはカードを持っている。普通の魔法使いなら確かに詠唱阻止はいい策だ。だけど私にはあまり効かないんだよね。


「よっと!」


 突き出される槍を足で蹴り上げすぐさま突かれる剣の動きを阻み、そのまま懐に潜り込み隙だらけな顎に深く腰を落としてから、上に体ごと跳ねるようにアッパーを撃ち込む。


「別に魔法だけが魔法使いじゃないよ?」


 拳にベキベキッ・・・っと骨を砕くリアルな感覚が伝わり思わず顔が歪む。現実と理解しているがこうして伝わる感触はすごく嫌だ。しかし、やらなきゃいけない世界だ。慣れるしかないのだろう。

 周りの敵がすぐさま私を狙い武器を振るうが、私は顎を砕かれ倒れ込んでくる男を掴み盾にする。男の体をグサグサと槍や剣が突き刺さる。

 その隙に私はカードを差し込みボタンを押す


『風術式・撫風』

『フルチャージ』


 体に纏わり付く風が一気に解放され、無差別に暴風を撒き散らす。それは私の周りにいた兵士達を全て吹き飛ばした。


「手加減はしたよ、まあ全身打撲程度で済むと思う」


 最初に襲いかかってきた人はご愁傷様。この世界なら回復魔法もあるし、完治はできると思うよ?

 後はナツミさんの方だけど・・・まだ掛かりそうだな。なら私はそこで悔しそうな顔をしている黒鎧の男をどうにかするか。

 普通なら一般人もいるこの街での戦闘は混乱になるだろう。しかしそれはない。この場を支配する数多の殺気に当てられ既に逃げ出していた。

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