一方その頃、仮面の男は
今回少し短いです
「ハッ・・・ハッ・・・!」
息を切らし、 森の中で草木をかき分け走る男が一人。
「聞いてない・・・聞いてないぞ!」
先程出会った黒装束に長い銀髪の女、そこそこ強いだけの魔法使いだと思っていたのに。
「あれだけの規模の魔法を連発で放つだと・・・ここは雑魚しかいないダンジョンなんだろ!?なんでそんな奴がいるんだよ!」
男は手元にある通信端末に叫ぶ。
目的は達し、もう撤収するだけであったが。そこで遭遇した魔法使いは化け物だった。
魔法使いの常識としては上級魔法は最終手段だ。凄まじい魔力を使う為に一回しか使えないとされる魔法・・・それを使えた事からして、あの女の実力は上位に入るのは分かる。それを連発し、まさか自分が持つ奥の手の一つを潰されるとは思っていなかった。
恐怖に染まる姿が見たかっただけだ!けしてこんな怯えて逃走するような事がしたかったわけではない!
すると手元の通信端末からノイズで掠れた声が響く。
「落ち着け『翡翠』その女が何者なのかは分からんが我々には問題はないだろう?」
「・・・ああ、そうだな。魔法使いだと言うなら対策をすれば何も問題はない」
その言葉で思い出す。一般的に魔法使いは弱い。後方支援の職であり、一度それを封じられると何もできなくなる脆弱性を持つ。対策として魔法を封じる道具が世の中に出回るようになり魔法使いの数は一気に減った。あの四賢者が残した『遺産』から開発されたものだ。
それさえあればあの女など一捻りだ。奥の手の一つを潰された屈辱は、次出会う事があれば晴らしてやる。
先程までの動揺ぶりを忘れ、頭の中であの女の悶え苦しむ姿を想像してほくそ笑んだ。
「それより・・・見つけたのか?」
「ああ、文献通りだった」
長らく謎であった初心者ダンジョンにいる他の魔物とは比べ物にならないボス。その違和感を気づけば後は簡単だった。
「なら早く帰還しろ、異変に気づかれた以上対応は早いぞ」
「分かっている。さっさと戻るさ」
そうして男は薄暗い森の中へ消えていった。
清少納言さんが欲しいんですが見事に爆死しました。おのれゆるざん!




