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うっかり八兵衛

7月末  快晴


何事もうまく運ばそうなそんな日和


「あいつは今日デートらしいし、暇だな〜。クサキに電話してみるか」



‥ガチャ


「何故だ‥九重の家に行っただって?」


電話をするといつものように父親が出る

九重からの電話で遊びにでたと


すぐに九重の家にコールする



‥ガチャ



友達が迎えに来て遊びに行ったと母が言う



僕は頭がこんがらがった

謎なのだ

だって今日は初デートのはず

そこに友達がついていくと言うのは考えにくい

謎が深まる


いろいろ考えていてもやっぱり訳が分からない


「喉乾いたな‥コガ店にミニコーラ飲みに行くか」



僕は財布を取り近くの駄菓子屋へ向かった


自転車にまたがると坂を下ってすぐの場所

僕の学校区の生徒の溜まり場的駄菓子屋


冷蔵庫からミニコーラを取り出しおっちゃんに100円を渡す

お釣りの70円のうち50円玉を握りしめストIIへ向かう


と‥超高層50円玉タワーを築き白熱する奴らがいる



言わずと知れた二人だ


後ろに現れた気配に振り返るクサキ


僕に気付くと


「九重、山崎も来たばい」


と、ゲーム中の彼に教える


思考の追いつかない僕は彼に


「何‥やってるの?」


率直に尋ねてみる


「ん?ストII、今いいところやっけんちょっと待ってばい」


なんだかちょっとイラッとしつつもラチが開かないのでクサキを引っ張り出し尋ねる


「なんなん?二人ともなんしよると?」

「朝から九重から電話かかってきて臨時収入が入ったけん遊びに行こうて電話かかってきたとばってん?」


空いた口が塞がらない


「あ〜‥あね、じゃあ俺帰っけん宜しく言うといて」


どっと疲れて呆れ果てた僕はミニコーラを飲み干し家に戻った



別に怒っている訳ではないのだがどこか腹立たしい



翌朝


けたたましく鳴り響く電話の音


「はいもしも‥」

「助けてくれ!」


突然の事に驚くもその声が九重である事に気付く


「なんなん?隼人やろ?どうしたん?」

「マジやらかした‥どうしたらいい?」


相変わらず彼の言葉には主語がない


わかったわかったと宥めながら三十分後のツーワンで待ち合わせをし電話を切った



クサキに電話をして集合をかけると路地裏の自動販売機でマイルドセブンを買い山を登る


待ち合わせ場所に着いたがまだ誰もいない



煙草に火をつけ奴らを待つ


二本目を吸い終えた頃に話し声が聞こえてきた


「社長ー!」


僕の顔を確認するとポケットからタバコを取り出し僕にくわえさせ火をつけにかかる


「いやいや今吸い終わったばっかりだから」


状況を察した彼は自分の口に加えた所で横からクサキが火をつける


「‥で、さっきの電話は何?」


そう切り出すと彼は目を見開き固まった表情で口から煙が漏れ出る



「実は‥うっかりデートをすっぽかしてしまって‥」

僕は思う‥『でしょうね』と


僕は気になっていた事を尋ねてみた


「そもそもなんでコガ店に行ったったと?あの金も」


青くなっている九重は語る


「親父に相談していた事を忘れてて、ボーナス後で臨時給付金を貰えたと思って有頂天に‥。

夢の50円玉タワーを作れるのは今しかないと思い‥くっ!」


アホだ‥

知っていたけどやっぱりアホだ


この後さらなる事件が勃発するのだが‥

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