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初恋

な~んも出来んやったよね



正治の流血事件


後に関係ないのに大けがをしたと学年中で笑いものになっていた


「あいつのあの傷、どうなったっちゃかねw」


ついつい思い出し笑いが込み上げる


「式が始まる前に嫁さんにも挨拶しとかないかんな」



嫁さん...あいつに嫁さんねぇ




---------------------------------------------------------------------------------








「なーなー九重君」

「なんです社長」


三年生になったこの頃

弁当からパンに切り替えてもらいパン代で毎朝煙草を買っている僕に貰い煙草をする彼は僕の事を社長と全力で呼ぶようになっていた


「僕らももう3年ですばい、あんた高校受かるとね?」

彼は超ド級のアホだ


いうなれば100+100はわからなくても100円+100円は分かる

そんなアホだ


「舐めちゃいけませんぜ、俺塾に行くとばい」


は~九重が入れる塾があるとは、しかもよく聞くと結構いい所

お金を積めばどこでも入れるんだね


そんな事を思いながら


「で、どうですの?塾は」

「そうなんです先生!一つご相談が」

今度は先生か

「なんだね九重君」



3年になって仲良くなった友達、良。

まぁ元はクサキと仲良かったんだけどいつもの調子で入り込んで行って仲良くなったようだ

僕には出来ない芸当だな

その良が行っている塾にどうやら転がり込んだらしいのだがそこに隣町から電車で通っている女子学園の女の子、麻衣ちゃん。

ほっぺたがリンゴ病の小柄で可愛らしい女の子


「ワタクシ、ひとめぼれしました」


まったくお前は何をしに塾へ行き始めたんだ


「それでですねどうもあちらさんもちらちらとこっちばかり見るんですよ」


だめだ、完全に逆上せている


「とりあえず犯罪だけは起こさん様に気をつけて」


そういうと日も暮れ始めたので公園を後にした






次の週




「先生!聞いて下さい!」


相変わらず騒がしい

まったく...落ち着いて吸えんのか


「実は麻衣ちゃんと付き合う事になりました!」


ぶふぉっ!


僕とクサキは吸っていた煙を吐き出し同時に咽た


「いや、展開早すぎるんですけど」

「まぁまぁ聞いて下さいよ」


彼は土曜日に起こった事を語り出す



塾の休憩時間に起こった


「ねーねー九重君、帰りにちょっといいやか?」

「はっ?なんかあっとね?」


女子に声をかけられ内心ドキドキしながらも恰好をつけて返事をする


「なんもなかならちょっと残ってもらってよかやか」


心臓をバクバクさせながら


「少しだけならよかばい」


いや、本当はいっぱい時間はあります


塾も終り良と帰るふりをする

二階にある教室なので階段をおりる

その途中で麻衣ちゃんの友達の野田さんがまた声をかけてくる


「九重君ちょっと待ってよ」

「あぁ、なんか用事あるっていいよったね」


俺は絶対に告られる、そう確信していた


俺は良に

「ごめんけどすぐ行くけんちょっと下で待っとって」

そう告げると階段の中腹で足を止めた


野田さんの後ろから恥ずかしそうに俯いて現れる女性、麻衣ちゃんだ


「ごめんけど麻衣が話があるらしいけん聞いてくれる?」


未だ全く自分では何も言えていない麻衣ちゃん

そんな所が可愛らしい

ほほを真っ赤にして、いや元々赤いのか

真っ赤にしてか細い声で彼女は言う


「ごめんね九重君」


あ~!可愛い!

可愛らしい!


「あぁよかばってん良ば待たせとっけんはよしてばい」


ドキドキドキドキ


もう心臓ははち切れそうだ


この後なんて言われるかわかっているのに待たなければいけないこのドキドキ感!

そんな事を思いながら沈黙を楽しむ


「ねぇ彼女おると?」

「いや、おらんよ」


ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ



「よかったら付き合って」


ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ



「よかばい」



ツー...

彼の思考はここで停止した



余りの嬉しさにここからどうやって家に帰りついたか覚えていなかった










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