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陽神装甲ソルテラス 〜特撮ヒーロー異世界で神話となる〜  作者: ソメヂメス
若手アクション俳優の初主演作が人生の転機過ぎた
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突然の別世界!王女の危機と聖女の祈り!陽着!ソルテクター!(後編)

読んで下さる方ありがとうございます。

 杖を真っ二つにしたら光の粒子が解放され玉が眩しい光を放つ、幻想的な光景だが全身の痛みと倦怠感で身体が動かない。


「使者様!すぐに回復を!」


 シルフィーが俺に手をかざし掌から青い光を放ち俺に浴びせると、痛みと倦怠感がみるみる引いていく。これが法力って奴か。


「ありがとうシルフィー楽になったよ、法力が使えるようになったのか?後、俺の名はダイチだ」


「ダイチ様が背徳の杖を破壊して下さったおかげで囚われていた魂たちが解放され、宝玉の封印が解かれました、でも流石は神の使者ですねあれだけの瘴気を浴びて消滅も発狂もしないなんて」


 げっ!直感に従って無我夢中でやった事だけど、あの黒いモヤモヤってそんなにヤバイヤツだったのか!神殿長が言っていた聖なる気配ってヤツのおかげかな。


「ん・・・・お父さん?」


「ロッテ!戻ったのか?」


 バランが娘を抱きしめる、無事に魂が戻ったようだ。俺が杖を叩き斬った事によってバランの村の人達も助かったのかな?後、杖から離れて宙に浮いてるのが宝玉だよな。


「おのれ!貴様よくも!?ぐえぇぇぇ!」


 ズーランの弟子の1人が背後から素手でズーランの胸を貫く、その手には心臓が握られていた。苦悶の表情を浮かべて床に倒れると煙を出しながら消えていき、後には嫌な臭いと黒いシミだけが残る。そういえば怪人に殺された人の演出にこんなのあったな。


 ズーランの弟子は上を向いて有り得ないくらいの大口を開けると手に持った心臓を一飲みにして、にちゃりと気持ち悪く笑った。


「使えん男だったが我等を召喚た事に関してだけは礼でも言っておくかな、せっかく集めた魂と封じた宝玉は解放されたが特に問題ない、貴様らがこの結界から出ることは出来ぬのだからな」


 窓の外を見ると神殿の周囲、塀の少し外側の色が変だ光の粒子(魂なのかな)が外に出て行けず、援軍が中に入れない。こちらの戦力は俺とバランか、シルフィーは法力が使えると言っても女の子だし戦闘訓練はしてなさそうだロッテはなんとかして守らないと。


 すると他の5人の身体が異様に膨らみ服が破ける!そして蝙蝠っぽい顔と翼を持つ筋骨隆々の怪人に変身した!


「そんな!レッサーデーモン(下位魔族)が5体も!?そんな!まさかあなたはアークデーモン(上位魔族)!?ズーランは魔族と契約していたというの!?」


「大正解だよ聖女殿、契約の証しである背徳の杖が破壊されて好きに動けるようになって我は運がいい、お前達の血肉を喰らったあとは結界内の魂と宝玉の力をいただくとするかな」


 5体のレッサーデーモンが一斉に襲い掛かってきた、ヤバイ!バランが何とか1体と互角にやり合えるが俺も2体がやっとだシルフィーがバリアーを張っているが長くは保ちそうに無い!くそ!何か打つ手は無いのか!?




「結界が完成する前にギリギリ召喚に間に合いました!受け取って下さい!」


 また頭の中に声が響くと宝玉が輝いて空中に光が現れる、光が収まっていくとハッキリと形が現れた。


「あれは!ソルコマンダー!」


 ソルコマンダーは肘から手首を覆うプロテクターでモニターを開くと通信、情報収集、タブレット機能が使え、防具としても拳銃の弾や日本刀の斬撃を防ぐ事が出来る優れものだ。そして・・・・ソルテラスの変身アイテムだ!


 俺がジャンプしてソルコマンダーに左手を伸ばすとカチッと音がして左腕に装着された。質感と重量が衣装のハリボテと違い本物みたいだ。着地してスイッチを押すとモニターが開く、放送と同じ画面が出た!画面に向かってキーワードを言う。


「ソルテクター!コネクティングデバイス作動!」


「ソルテクター、ヨウチャクジュンビOK」


「ソーラーエナジー出力最大!」


 よし!全く同じだ、ここまで来て変身出来ないなんて無ないよな。俺は変身ポーズを取って声高らかに叫ぶ!


「陽着!!」


 ソルコマンダーが光輝き、俺の全身を光が包み込むといい感じで力がみなぎる。そのままポーズの振り付けを続ける。


「陽神装甲!」


 そして決めポーズ!!


「ソルテラス!!」


 決めポーズの完成と共に俺を包む込む光が弾け飛び全身がメタリックな装甲で武装される、装着感が番組用スーツと違いほとんど無い、むしろ軽く感じる。設定上のスペックがありそうだ。


 まずは俺が戦っている2体を片付けるか。

 

「トルネードキック!」


 飛び上がり空中で高速回し蹴りを3周繰り出すと、2体のレッサーデーモンは吹っ飛んで壁にめり込み砂のように崩れていく。


「フレアバスター!」


 右側の腰のパーツを取り外して展開すると、光線銃になる。シルフィーとロッテに襲い掛かる2体に向けて連続で引き金を引くと赤い光線が発射される。命中するとやっぱり砂のように崩れる。そしてバランと鍔迫り合いをしている1体を狙い撃ち消滅させる。


 バランが棒立ちになり呆然とした顔でこっちを見ている。シルフィーが涙目で跪いて祈りのポーズをとっている。ロッテが「騎士さまありがとー」って手をふっている。


 そしてボスがキレた。


「突然現れたと思ったら王女を助け出し、聖女を救いに来たと思ったら背徳の杖をぶった斬って我の邪魔ばっかりしおって!オマケに致死流の瘴気を浴びても平気だと?さらに下級魔族とはいえ我の部下をアッサリ全滅させてくれおって!いったい貴様は何者だっ!」


「俺はソルテラス、聖女の助けを求める声を聞きつけて、女神の召喚によってこの世界に呼び出された光の戦士!お前を倒してみんなを救うためにやって来た!」


 アークデーモンは変身した、さっきのレッサーデーモンよりも人間に近い姿をしている

 、黒の全身タイツみたいな体にいかにも悪そうな顔、角を生やして巨大な蝙蝠羽、いかにも悪魔っていう見た目だ。


「異界の戦士だと!?ふざけるな!」


 デーモンは目からビームを放つが俺は連続側転とバク転でそれを躱す、普通に避けたほうが楽だし確実だとは思うが職業病なんで仕方がない。


「その余裕たっぷりの避け方はなんだ!?我をコケにしておるのか!!」


 敵に対しての挑発にもなっているのでOKとしよう。デーモンにフレアバスターを連続で放つがバリアーが張られているようで金属音を出して弾かれる。


「我の結界の前には貴様の光線魔法など効かぬわ!」


 ならば!右腰にフレアバスターを戻し、左腰のパーツを右手で抜刀する様に引き抜く。剣の柄になっているそれを左掌で柄の先を押し当ててゆっくりと離していくと光の刃が現れて光の剣を形成する。


「ソーラーブレイド!」


 デーモンに斬りかかると死神の鎌みたいな武器を出して応戦してきた。なかなかの腕前だが俺の剣術の方が上だバリアーもソーラーブレイドは弾けないようでデーモンに傷をつけている。


「バカな!!我が押されているだと!たかが人間如きに!ありえん!」


 そろそろ決めてやるか!俺はソーラーブレイドで大きく円を描く。


「プロミネンス!」


 ソーラーブレイドにエネルギーがチャージされ、ソルテクターの目が光り一気に振り下ろす!


「斬!!」


 デーモンが真っ二つになり光の粒子を放ちながら崩れていった。俺はソーラーブレイドを納め、腰パーツに戻し決めポーズをとる。



 神殿を覆っていた結界とやらが無くなって魂達は返っていった、スケルトン兵(やっと覚えた)は法力を取り戻した神官達によって駆逐され事件はひと段落した。


 戦死した16人の騎士、兵士達は埋葬され家族には恩赦が支払われるそうだ。事件は首謀者の死亡で解決、魔族云々は神殿と王国の調査機関で調べるらしい。


 バランが罪を償う為、神殿に娘を引き取って欲しいと言ったらしいが状況を見ていた騎士や兵士、神殿関係者が彼は足止めをしていただけで直接殺めていなかった事を証言した事と娘と村人を人質にされていた事、聖女の救出に協力したことにより無罪となった。


 それらの事務処理と後片付けに3日かかって、ようやく落ち着いて来たので改めてアリエイル王女の洗礼が行われた。今回は邪魔も入らず、滞りなく儀式は終了した。


 さてと、俺は無事に聖女と宝玉を魔族の手から守る事が出来た。洗礼の儀式も後片付けも終わったみたいだし、そろそろ帰らしてもらおうかな。正直、ソルテラスの裏最終回みたいで結構楽しかったし。


 実はソルテラスの収録が終わったら2年ほど世界各国を放浪する予定なんだ。NAPの許可はちゃんと取ってあるし代表で大御所アクション俳優の万場 剣一さんも武者修行に行って来いと背中を押してくれている。研修扱いで帰ったら、ちゃんと復帰できるよう書面で契約してくれた。


 打ち上げの最中に消えてしまって番組スタッフのみんなも心配してるだろうな。ここでの俺の活躍を話しても信じてくれるかな?


 城に帰るアリエイル王女を見送ってから俺は神殿のシルフィーのもとに向かう。途中でバラン親子に出会い礼を言われた、俺の名はソルテラスでは無くてダイチだと言い聞かせた。


 シルフィーにそろそろ帰りたい事を伝えると、紋章の部屋で太陽神ソルテに祈りを捧げると現れるので、呼び出して帰りたいと頼めば良いと教えてくれた。


 時間は太陽の力が強くなる正午が一番良いらしいので明日にしよう、もう夕方だしな。


 翌日の正午、俺は元の世界に帰るため紋章の部屋にやって来た。魔族を倒したせいか女神像も紋章も以前とは比べ物にならないくらい光輝いている。とりあえず祈りだな、紋章の真ん中で女神像に跪いて両手を組んだらいいのかな?


 やってみると女神像に光が集まって行く。そして石像だった女神像にみるみる生気が溢れて来て、太陽の光のような美しい金髪と光輝くような肌、黄金の何でも見通しそうな瞳をした絶世の美女が現れた、彼女が太陽神ソルテで間違いないだろう。


 ソルテ様は俺に向かって一歩踏み出すと、深々と土下座をした!


 え!?これってどういうこと!?


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