天界の使徒
なんだか話がだんだん分からなくなってきました(笑)
あと、今回今まで以上に会話が多いと思います
世界が騒めいているように思える。大気の中に含まれている魔力が体の中に流れ込んでくる感覚。かつて大嫌いだったあの感覚だ。
「おや?おかしいですわね。お二人の過去の記憶は私が全力で抹消したはずですのに、なぜでしょうか?」
この口調昔からちっとも変っていない。
「亜美!大丈夫?....天界位階序列第四位マリーナが人間界に何のご用で?と、聞きたいところだけど貴女の役目は多分、私たちの記憶の抹消後の監視でしょう?そして、もし記憶が戻った時の為の...」
「情報通達と、戦闘要員ですわ。状況の理解が早く私としてもとても助かりますわ。流石、元天界位階序列第二位ミナージェ様ですわ。しかしそれに比べて、元天界位階序列第三位キラリス様は私の存在にすら気づかず攻撃に当たってしまいましたわね。」
天界の使徒。一体何処まで追ってくるの...。...あの時私がここに来なければ亜美を、キラリスを巻き込まずに済んだのに。
~百二十年前~
「はぁ、はぁ、はぁ...。」
逃げきれない。翼を撃たれてしまった。翼がないと翼人種からの逃亡が困難になる、魔力も底をついてしまった。戦う術も、逃げる術も今の私には無い。でも、ここで諦めてしまったらすべて奴らの思惑通りになってしまう...。一体どうすれば...!
「わっ...!」
翼がないと地を歩かなくてはいけない。でも、いつも飛んでいる故に歩くとすぐに転んでしまう。
「...ミナージェ?」
「......!」
「私よ、キラリスよ。....こんなところにまで逃げてきたのね、大変だったでしょう?あっ、翼に怪我がある。いま治癒鉱石を、いや治癒魔法の方が今すぐに出来るからそっちのほうがいいわね。」
....キラリスは今の私の置かれている状況を知らないの?それとも知ったうえで。いや、賢いキラリスに限ってそんなことあるわけがない。でもさっき、「こんなところにまで逃げてきたのね」と言ったことから考えると私が逃亡中ということは知っている。なら、どうして。
「ミナージェ、今大変な事に巻き込まれてるんだよね。だから私が力になりたいって言ったらきっと怒るよね。キラリスを巻き込みたくない!って。でも、少しは頼ってくれても良いんだよ。私たち親友なんだから。」
「キラリス....。うん、ありがとう。でもこれは私の問題。だけど...少しだけお願い聞いてもらってもいいかな?」
ただの私のわがままだって分かってる。これがきっかけで、キラリスを巻き込んでしまうのも、私のせいでキラリスも追われる可能性があるのも知ってる。でも、これが私の人生で最初のわがまま。聞いてほしいの。
「私たちが初めて出会ったここで...正しくは天界のこの場所の真下、人間界のあの場所に行かない?」
「ミナージュがそう望むなら。」
ごめんね、キラリス。やっぱり私馬鹿だよ。私の体無意識の内にこの場所まで来ちゃうんだもん。とても、迷惑だよね。
「準備出来たよ。それじゃあ、行こうか。」
「人間界はやっぱり綺麗にはなってないけど、とっても懐かしいね。昔を思い出すよ。」
確かに、人間界はあまり変わっていない。そう、昔と何も変わっていない。だから私は認めない、諦めない。『人間界破壊計画』なんて。だから私は、計画を止める。そのためなら
何だってする。私の記憶と引き換えでも。
「キラリス、ごめんね。やっぱり私駄目だったみたい。」
「見つけましたわよ、反逆者さん。あら?後ろにいらっしゃるのはキラリス様ではありませんか??何故ここにいらっしゃてるんですの?」
「マリーナ、お前に頼みがある。マリーナにしか頼めないことだ。」
今はこいつにかける。それしかない。
「なんですの?」
「私の記憶を翼神王に捧げる、そのあとは人間界で生きる。その代わりに、人間界破壊計画を止めて。」
「それは、できませんわ。確かにその程度の事私になら出来ますが、貴女の記憶では代償として少なすぎでございますわ。...あ、貴女の後ろのもう一人の反逆者の記憶ももらっていいのなら出来ますわよ?」
.....!そんなっ!こんなことにキラリスを巻き込む訳にはいかないのに。どうすれば....。
「分かりました。私、ミナージュの為になら記憶をあげるよ。だから、私からもお願い。」
「では、始めますわよ。」
あぁ、ごめんねキラリス。結局巻き込んじゃって。私がキラリスのところに行かなければ良かったのにね。本当ごめんね。
~そして現在~
「沙弥...。あ、私。そうだマリーナの攻撃に当たってそれで...。」
これ以上亜美を巻き込めない。また、道ずれにしたくない。だから、私の手でかたをつける!
「翼竜解放!上限突破!!全装備展開!!全力でいくよ、覚悟しなマリーナ!」
多分次回の話は基本バトルになると思います。