出会い
皆さんは日常と聞くとどんなことを思い浮かべるでしょうか。それはきっと、学校のことや仕事のこと友達のことや恋人のこと、人それぞれでしょう。しかし、私の日常は少し変わっています。今から私のちょっと変わった日常の話をしていきましょう。
あれは、少しずつ暖かくなってきたある春の日のことでした。私は学校に向かう途中でした。いつものように商店街の脇の方を他の人の邪魔にならないよいとぼとぼと歩いていると、裏道から抜けてきた女の人にぶつかってしまいました。私はすぐに、
「ごめんなさい。」
と謝りまり、またとぼとぼと歩いて商店街を出ました。その時の私は、中学デビューに対する不安と緊張で一杯で、ぶつかった女の人がどんな姿をしているのか何て気にしていませんでした。今思えばこれが、全ての始まりだったのかもしれませんね。
私は学校に着いたら自分の教室を確認して一人で廊下を歩いていました。この時の私は小学校を卒業し父の仕事の都合で引っ越したばかりでした。なので学校に友達がいるはずもなく独りぼっちでした。教室に入ると知らない人だらけで自分がまるで、あるひとつの商品に紛れ込んだ異物のように思えました。しかし、席に着きうつ向いて色々と考え事をしていると、隣の席の子に話し掛けられ余りにも突然話しかけてきたものだったので私は少し言葉を返すのに時間がかかってしまいました。とても優しく可愛らしい女の子でした。お互いに挨拶を済ませ、私の名前を教えました。すると彼女は、
「志崎沙弥ちゃん...とても素敵な名前だね。」
と笑ってくれました。私も彼女の名前を聞きました。
彼女の名前は「藤山亜美」というそうです。そのあともお互いに質問しあいました。二人の好きな曲、好きなテレビ、それと一番盛り上がったのは、二人とも中学校に入る前父の仕事の都合でこちらに引っ越してきたということでした。私と亜美は直ぐに打ち解け、一番の友達になりました。私は亜美といる時間が長くなれば長くなるほど亜美といることがとても幸せに思えるようになってきました。
亜美が学校に来なくなってしまったのは、そんなある日のことでした。
私は心配で亜美の携帯に何度も電話をかけましたが出てくれません。メールを送っても返信が来ないというのが、一週間も続き、私の心配は膨らんでいく一方でした。私は先生に亜美の家を教えてもらい訪ねることにしました。亜美の家は私の家の反対方向で遠いので休みの日に行くことにしました。
そして、二日後の休日。
亜美の家のインターホンの前にたった私は少しドキドキしながらも亜美の家のインターホンを押しました。でたのは亜美のお母さんでした。訳を話すと亜美のいる部屋に通してくれました。ただひとつ気になったのは部屋にはいる前亜美のお母さんが「あまり驚かないようにね。」と言ったことでした。私は言葉の意味が分からず亜美の部屋に入りました。
そこでみた光景はとても自分の目を疑いました。