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大逆転 他

作者: 青埜 漠

『それは』


私たちは知らず知らず

ぶつけながら歩いている


ことばの石

まなざしの石

正しさの石

優しさの石


またそれは

パンにもなるらしい


ことばのパン

まなざしのパン

正しさのパン

優しさのパン


私たちの

意図にかかわりなく

それは

拾った誰かの

手の中で

意味をなす



『大逆転』


いつか 

きっと 大変身

そのとき みんな 悔しがる

もう手が届かなくなったって


いつか 

きっと 大進歩

そのとき みんな 目をみはる

やらなかっただけかって


いつか 

きっと 大活躍

そのとき みんな 頭を下げる

決めつけたりして悪かった


いつか 

きっと 大逆転

そしたら みんな 許してくれる

少し不器用なんだって

根はいい人だったって


いつか そのとき

そのとき きっと

もうこの世にはいなくても


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