新しい冬の女王と新しい春の女王と新しい王
スプリリアが向かったのは、季節の塔でした。
スプリリアはすべてを冬の女王に語りました。
「何というバカなことを、あなたはしたのですか、スプリリア」
冬の女王が涙を流しながら言いました。
「夫殺しの罪人に涙は入りませんよ、冬の女王」
冬の女王は大粒の涙を流しました。その涙が床に落ちて、人の氷柱の一本に触れた時、すべての氷柱は溶け、凍りついて人々は元に戻りました。なんともなかったように、。
ウィルゴンに弾き飛ばされ気を失っていた勇猛なサー・ライソングスもスプリリアが戻ってきたときには、気が付いていました。
サー・ライソングスは、スプリリアに付き従うことを申し出ましたが、スプリリアは、許しませんでした。
「罪人に家来はいません。あなたは、新しい、春の女王、スプリニアに仕えなければなりません」
この後のスプリリアの行方を知っているものは誰一人フォーシーズンズにはいません。 なぜなら、一生逃げなければならない科人だから、知られると大変です。
そして春の女王のドラゴン、スプリゴンはスプリニアの肩にとまり、スプリニアが新しい春の女王として即位しました。
冬の女王のウィルゴンも小さな大きさのまま、ウィンテリアの肩にはとまらず、ウィンノリアの肩にとまり、ウィンノリアが新しい冬の女王として即位しました。
王位も 母親の身分の低さにかかわらず王子ロンデュアルを幼王ロンダー四世として即位しました。摂政には暫く"王の右手"ハーダウェイ卿が兼務することになりました。
それから、多少季節が早まったり、遅れたりすることがフォーシーズンズではありましたが、概ね四つの季節が規則的に廻り、五穀の作物は豊かに巡り、フォーシーズンズでは誰もが幸せに暮らしました。
めでたし、めでたし。
冬の童話祭り2017用の作品です。正直言うと、めっチャ苦労しました。というのも、これ、オリジナルの摩子猫さんの作品が素晴らしすぎるでしょう、、。どうやっても、これを越えられない、、。
摩子猫さんのより良い解決策が最後まで思いつかなかったわけです。である程度は面白くしないといけないとも思ったし、、、。
めちゃめちゃダークな話になりました。多分童話じゃないです、、。