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腹黒女帝と忠義の騎士  作者: 斉藤鉄線
3/4

女君主1

月は日ノ本総てを照らす。もちろん、伊国いのくにの本城、龍山城たつやまじょうも。


月は半月、半ば物足りぬ光も、昨日の戦果は胸を昂ぶらせるには十分であった。


伊国の君主は美しい女性であり、その風貌は舞い散る桜の如く華やかで


戦の香りがしない。


との専らの評判であった。急逝した先代から引き継いでまだ半年もたたず、女と侮った隣国に国境での小競り合いを口実に進軍を許してしまった。


防戦の経験豊富な将官、西園寺義望さいおんじよしもちを配置したものの、斥候から敵軍が電磁砲を引っ張ってきている。との報を受けた時にはいささか蝋梅した。損害を被ることは避けられない、と。


しかし、しかしだ


伊の国の君主、村上綾姫むらかみあやひの慮外の戦果を彼ら、二人の勇士はもたらしてくれた。


渡邊総わたなべさとる


来島利兵衛くるしまりへえ


2名の奮戦により、敵軍の指揮官である十河は撃たれ、散り散りになった敵軍は3基の電磁砲を捨てて逃げた。総勢800の機甲兵も400が死亡、200が投降、200が逃亡と惨憺たる様だ。


渡邊は惜しむらくも討ち死にしてしまったが、来島は生還したらしい。しかも、かの者は初陣だったと聞く。戦果を見ても、40名を討ち取り、その他100名余を戦闘不能にしたとのことだ。


見たい。その顔を。私と同じ17で、修羅の如き戦果を上げたその顔を。


論功行賞は明日。どんな褒美をくれてやろうか。


彩姫の切れ長の双眸は月を見つめ、その唇は薄く笑みを浮かべていた。

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