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お買い物なのです!

毎回読んでいただき、ありがとうございます。

ブックマークしてくれた方、ありがとうございます。

んー、大きく背を伸ばしつつ、軽く首を回す。ストレッチをしながらゆっくりと体を起こす。

昨日の疲れは、残ってないようだ。

木枠の窓を開けると、朝日が部屋中に差し込む。

どうやら、今日もいい天気のようだ。

隣のベッドでは、ディベルが眠っているが、まだ起こさなくてもいいだろう。


「とりあえず、朝飯でも食べるか」


そんな独り言を言いながら、音を立てないように部屋を出る。

一階に降りると、キーリカさんは、すでに仕事をしているようだ、いい匂いが漂ってくる。


「おはよう、昨日は良く眠れたかい」


キーリカさんが、気持ちいい挨拶をしてくる。

美味い飯食べて眠ったら、バッチリ体力回復したことを伝える。


「朝飯をお願いしていいかな、後から来るディベルの分も一緒に頼むよ」

「あいよっ!朝はサンドイッチとサラダにスープだよ」


朝飯は銅貨一枚らしい、本当リーズナブルだ。

この世界の貨幣の価値は分からんが。


「ふわぁ〜、サクジロウだけ朝ご飯食べてずるいのです」


間の抜けた声を出しながら、眠そうな顔でディベルが降りてきた。挨拶ぐらいしろと、頭に軽く手刀をくらわす。

ちなみにまだ食べてない、こいつ匂いだけで判断したな。


「ふきゅっ、サクジロウおはようなのです」

「おっ、おはよう!お嬢ちゃんも起きてきたんだね」


ディベルが挨拶するタイミングで、奥から両手に朝飯のプレートを持ったキーリカさんが出てくる。


「キーリカさん、おはようなのです」


運ばれた朝飯を食べながら、今日の予定を話す。


「なるほど、なら私の知り合いが道具屋と武器屋やってるから紹介してやるよ」


なんでも、よくこの店に来る常連らしい。

武器屋に行ったらこれを見せなと手紙も預かった。

キーリカさんから、道具屋と武器屋の場所を教えてもらい、一度部屋に戻ってから酒場から出る。


「むふー、とってもいい天気なのです」

「このあたりは気候がいいのかな?思った以上に朝が気持ちいい」

「あの真っ暗な世界より、気持ちいいのです。あんな所とは月とスッポンなのです」


なんでお前は、そんな日本の言葉知ってるの?とツッコミながら村の大通りを目指す。

道具屋も武器屋も、大通りの同じ区画にあると言うので、のんびり歩いていく。

雑貨屋や、八百屋など覗きつつブラブラしてると、あっという間に目的地に着いた。


「ここが道具屋で、向かい側にあるのが武器屋なのです」


扉を開けて店に入る、こじんまりとしてるが品揃えはしっかりしてそうだ。


「いらっしゃい、ん?見ない顔だね旅人かい?」

「こんにちはなのです、旅に必要な道具を買いにきたのです」

「キーリカさんから紹介されてきました」


道具の主人が挨拶してきたので、俺も挨拶を返す。


「おぉ、キーリカの紹介か。どれ何が必要だ?」

「旅に必要なものを一通り欲しいのですが」


そう言うと、主人は次々と店にある商品を集めだした。

とりあえず良さそうなキャンプ用品、携帯食料、救急道具と丈夫なテント買った。こう見るとかなりの量である。

ディベルが、代金の支払いをしている間に少し考える。


「これだけのものを担いで旅するのか、結構大変そうだな」


思わずそんな愚痴をこぼすと、ディベルが胸を張って踏ん反り返ってる。

何かあるなと思うが、無視してどうにかコンパクトに纏められないか色々と試行錯誤する。


「わたくしを、無視しないでほしいのです!」


ディベルが、今にも泣きそうな声で叫びながら、ポカポカと俺を叩いてくる。何これ、ちょっと可愛い。

分かったと、なだめながら話を聞くことにする。

するとまた、無い胸を張って踏ん反り返りポーズをとる。


「ふっふっふっふっふ、こんな時はこの女神であるエインディベルさまの出番なのです!」


そういうと、踏ん反り返りポーズをとりながら、袖をパタパタしている。何かの儀式だろうか?

道具の主人も、笑いを堪えてるようだ。

やっぱりぽんこつ女神は面白いんだな。そう感心してると、ぽんこつ女神は疲れたようで、肩で息をしている。

お疲れさま。


「なんで、止めてくれないのです。腕が疲れてしんどいのです」

「で、どうしてぽんこつ女神の出番なのか教えてくれ」

「ぽんこつ女神ではないのです。サクジロウは、女神に対して敬意が感じられないのです。もっと、わたくしを敬うのです」


しかたないので、適当に褒めておく。あっという間にご機嫌になるぽんこつ女神。

いい加減話を進めないとな、この後は武器屋にも行く予定だし。


「この袖は、どんな物でも入れることができるのです」

「マジで?それって凄くね!」

「ふふん、もっとわたくしを敬うのです。崇め奉るのです。」


また、踏ん反り返るぽんこつ女神。悪いが、崇め奉る予定はない。

しかし、どんな物でも入る袖とか便利すぎるだろ。

ディベルは、買った道具を手にすると袖の中にポイッと入れた、どんどんキャンプ用品や携帯食料が袖の中に消えていく。さすがに、テントは折り畳まれていても大きいのか俺が手伝った。


「どんなものです!これが女神の力なのです!」


恍惚とした表情で踏ん反り返りポーズをとるので、これでもかと言うほど褒め称えてあげた。踏ん反り返り過ぎて後ろに倒れたは、ぽんこつ女神だからこそである。


「そんな便利な力があるなら、俺にも何か授けてくれてもいいだろ」

「だから、わたくしは力を授ける方法を知らないのです。こっちが、教えてほしいくらいなのです」


いつものやり取りを一通りこなしたら、道具屋を後にして武器屋に足を運ぶ。

ここも、小さいながら品揃えが良いな。この村には、そんなに需要があるのだろうか?


「いらっしゃい、おっ昨日村に来たっていう旅人さんだね。昨夜キーリカから聞いてるよ、好きなだけ見ていってくんな」


なんとも言えない、これぞ武器屋のオヤジって感じだ。

ディベルは、既にあちこちに展示してあるドレスアーマーぽい装備を物色してる。とりあえず、剣でも見せてもらおうか。


「剣が欲しいのだが、安くて丈夫なのがいいな」

「お兄ちゃん、今までどんなもの使ってた?」


武器屋のオヤジから質問されたが、正直武器なんて持ったことない。

いいところ金属バットだが、あれは武器ではなくスポーツ用品だ。


「正直、武器なんて持ったことない、出来れば素人でも使えるのがいいな」

「だと思ったよ、その細腕じゃショートソードも振れないだろうからな」


さすがに見抜かれてたか。木の杖とか出されたらどうするかな。

そういえば、キーリカさんから手紙を預かっていたな。


「これ、キーリカさんから預かってきた手紙です。」


そう言って武器屋のオヤジに手紙を渡す。

オヤジは、ふむふむと手紙を読みながら頷き、奥から武器を出してきた。


「それなら、このダガーがいいな。ナイフより大きくて丈夫な上、料理や解体なんかの生活用品としても使える」


なるほど、そいつは便利だな。

まぁ、無駄に使えない武器持って、怪我しても面白くない。

予備と一緒に二本頼んだ、後は防具か。


「防具なら、このレザーアーマー一式でいいだろう。どうせ金属系は、装備しても動けなくなるだけだ。服よりも丈夫だし、内側に薄い銅板が仕込んであるから、そこそこ防御力もある」


先に見繕われてしまった。

でも、的確に丁寧に教えてくれるのはありがたい。

左手にはバックラーが付いてるので、盾も買う必要がなくリーズナブルだ。

サイズを調整してもらい着てみる。動きの邪魔をしないし、重さもほとんど感じない良い防具だ。

ダガーを一本は腰に、もう一本はバックラーに仕込む。

うむ、見た目がゲームや漫画の冒険者になった。


「ふわぁ〜、サクジロウ結構さまになってるのです」

「そうだろ、なんか年甲斐もなくはしゃいでしまいそうだ」


次は、ぽんこつ女神の装備だな。

こいつは何が装備できるんだ?


「ところで、ディベルは何も買わないのか?さっき、向こうのドレスアーマーとか見てたじゃないか。」


なかなか、可愛いデザインの装備も売っている。


「わたくしが着ているのは『女神の衣』なのですよ。そこいらの防具では、足元にも及ばないのです」


なるほど、ぽんこつでも女神は女神ってことか。

まぁ、声に出すとまた煩いので心の中にしまっておく。


「さて、買い物も終わったし宿に戻るのです」

「ちょっと待て、まだ支払い終わってねぇよ。というか、お前が金出してくれないと払えねぇ。」

「まったく仕方ないのです。サクジロウは、私がいないと何も出来ないのです。だから、もっと褒め称えるのです!」


くそっ、お金に関してはグゥの音も出ない。

悔しいが、ディベルの言う通りなどで、さっきと同じように大袈裟に褒め称えておいた。ここでも、ぽんこつ女神は踏ん反り返り過ぎて倒れたのは言うまでもない。少し涙目だった。


「これで、旅に出れるのです?」

「あぁそうだ、今日一晩泊まって明日の朝出発だ」


酒場に戻り、キーリカさんに予定を伝える。すると旅立ちのお祝いだと、昨日より豪勢な食事を用意してくれた。

ディベルも、嬉しそうに料理にかぶり付いている。


そして、たっぷり睡眠をとって次の日の朝を迎えた。

キーリカさんが、サンドイッチを包んでくれて応援してくれた。


「いいかい、くれぐれも無理するんじゃないよ。街道沿いなら地脈結界が張ってるから安全だが、たまにはぐれモンスターが出るからね。敵わないと思ったら道沿いに逃げるんだよ。結界で弱体化してるモンスターは、追いかけてこないから」


旅のアドバイスを受けて村を出る。

キーリカさんが、いつまでも手を振っていてくれる。

なんだか嬉しくなり、でも寂しさも感じた。


「これから、本当に旅がはじまるのです!」


ディベルは興奮しているのか、鼻息が荒いのがなんとなく笑えてしまう。

こうして俺たちは、西にある街道中継街でもある商業都市を目指して歩きはじめた。


旅立ちました。

でも、安全な街道を進んでいきます。

そのうち戦闘とかもあると思うのです。


あと、基本的に暇な時間に書きだめてキリのいいところで投稿しますので投稿時間は不定期になりそうです。

一日最低一話、時間があれば三話はあげていきたいです。

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