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サクジロウ、がんばるのです!

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

ブックマークしてくれた方、ありがとうございます。


感想、レビューお待ちしております。

執筆の励みになると思うので、なんでも書いてください。

俺は、半身に構えた状態から、全身をバネにして踏み込んだ。

短木刀がオルトガ師匠の喉元を穿つ!

しかし、軽いステップで躱され、攻撃が伸びきったところで、オルトガ師匠が木刀を振り下ろす。

俺は強引に体を捻り、横っ飛びで躱した。


これで、オルトガ師匠の左側に隙ができたはずだ。

見て確認ではない、予測して動く。

さらに、速く踏み込む!

だが、突然目の前に現れる木刀、躱せないと判断して短木刀で受ける。


振り下ろした木刀が躱されることを予測していたオルトガ師匠は、そのまま体を捻り勢いをつけ半回転していた。

オルトガ師匠は背面を向けたまま、サクジロウより速く木刀を振り抜く、そこに吸い込まれるように俺が踏み込んでしまった。

わざと隙を作り、誘い込んだのだ。


ガッ、と音が響きオルトガの木刀が止まる。

強い衝撃で潰されそうだが踏ん張る。

こんなところで、終わってたまるか!

一瞬、短木刀で支えていた力が軽くなる。

耐え切った!

力の均衡が崩れた。

一気に短木刀を滑らせ、鍔の部分を絡ませてオルトガの腕を押し上げる。

弾き返してしまうと、距離を離されるので張り付く。

空いている手で素早く襟を掴み、懐に潜り込み体を密着させた。

勢いをつけて背負い落とす!

だが、オルトガの体が床から浮かない!?

違和感を感じ、掴んでいた手を離し飛び退く。


一瞬の攻防だった。


「なかなか良い感じじゃねぇか」

「サクジロウ、凄いのです!」

「プヒーッ!」

「最後のは、よく反応できたな。あのまま堪えきれなければ潰して木刀を打ち込み、意地で背負い落とそうとすれば体入れ替えて木刀を打ち込んでいたわ」


オルトガ師匠が、ニヤニヤしている。

ディベルとアレキサンダーが興奮してはしゃいでいる。


「ありがとうございます」


褒められたが、なにか釈然としない。

攻撃が、全く当たる気配がなかったからだ。

しかも、オルトガ師匠は俺の行動の二手三手先を予測して、より速く対処してきたのだ。


「さて、次はちょっと本気出すぞ」


今の攻防でもギリギリだったのに、これ以上は対処できるはずがない。


「だから言ったろ?死ぬ気でかかってこいって」


そういって、オルトガ師匠は構えをとった。

構えたら、ますます隙が見えねぇ。

ちょっと本気っていうのは、嘘じゃなさそうだ。


「サクジロウ、頑張るのです!」

「プヒーッ、プヒーッ」


ディベルとアレキサンダーが、応援してくれている。

頑張るしかないじゃないか!


俺も短木刀を構え、踏み込むチャンスを探る。

いきなりオルトガ師匠が踏み込んできた。

先ほどより速く木刀が振り下ろされる!

なっ、まずい!?

予想外のことに、反射的に体が反応してしまった。

躱せない攻撃を受けるために、おもわず短木刀を両手で構えてしまったのだ。

まさか、オルトガ師匠から仕掛けてくるとは。


「ぐはっ」


防いだと思った瞬間、腹に強い衝撃が襲いかかる。

体が、くの字に曲がり吹っ飛ばされる。

さらに、肺に残っていた空気が全て抜けてしまった。

このタイミングで受け身をとって呼吸したら、追撃を受けてしまう。

そう判断した俺は、そのまま吹っ飛ばされて、距離をとるために転がって息を整えた。


「なるほど、勘は働くらしいな。だが、今のはダメだな、よく考えろお前の武器は短剣なんだぞ。木刀と短木刀は重さの差はないから堪えられるが、金属製の剣や斧の攻撃を真正面から受けたら、運が良ければ腕がぶっ壊れるだけ済むが、最悪そのまま潰されちまう」


オルトガ師匠に注意された。


「す、すみません気を付けます」

「あと、条件反射に頼るな。全ての流れを予測して、自分の意思で対処できるようになれ」


無理難題を言いつけられた。


「今日の特訓は終了だ。残念だが奥義はお預けだな」


オルトガ師匠はそう言って、縁側にいるディベルとアレキサンダーと一緒に座り込む。


「ししょー、サクジロウはダメなのです?」

「そんなことはないぞ、サクジロウは強くなってる」

「そうなのです?でも、さっきすっごい勢いで吹っ飛んだのです」

「あれは、サクジロウがやっちゃいけないミスをしたから、俺が蹴飛ばしたんだ。体で覚えれば忘れないだろ?これで怪我する原因が一つ減ったってわけだ」

「さすが、ししょーなのです!」


とんでもないこと言ってるが反論できない。

それで納得するディベルは、やっぱりぽんこつ女神なんだなぁと思った。


サクジロウ、がんばりました。

まだ、がんばります。

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