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魔法なのです!

いつも読んでいただき、ありがとうごいます。

ブックマークしてくれた方、ありがとうございます。


感想、レビューもお待ちしてます。

今日も、朝から訓練に励みますか。

途中で買ってきた朝飯をオルトガ師匠に渡し、いつもの人形を準備する。

修行をはじめてから、特訓用の人形も10体に増えた。

とにかく厳しいが、その成果は如実に表れている。


「わたくしも、何か使ってみたいのです」


ディベルが、突然そんなことを言ってきた。

使いたいって、武器をか?


「サクジロウと、一緒に特訓したいのです」

「ふむ、お嬢ちゃんは魔法使いだよな?杖は持ってないのかい?」

「杖なんて持ってないのです」

「変わってんな。普通、魔法使いは魔法使うとき、杖を照準器として命中精度を上げたり、接近戦になったとき杖術を使うために必ず持ってるもんなんだが」


まさかの接近戦、杖ってそんな使い方をするのか。

この世界の魔法使いは、ずいぶんと肉体派なんだな。

正直、魔法使いの杖って魔力増幅とか魔法媒体に使うだけだと思ってた。


「たしか、この辺に昔使ってた杖があったはずなんだが」


そういって、オルトガ師匠が物置をガサゴソとあさり始めた。


「あったあった、これだ。ほれ、嬢ちゃんにあげよう」

「ありがとうなのです、ししょー!」

「とりあえず、嬢ちゃんの魔法の精度を見てみるか」


オルトガ師匠は、見つけてきた杖をディベルに渡し、打ち込み用に準備していた人形を一体持ってきた。

杖を見せてもらうと、細かな装飾が綺麗に施してある。杖自体は軽くて硬い素材で出来てるようだ。


「まずは、杖を使わず魔法を撃ってみな」

「わかったのです!」


そういって、ディベルは人形に向かって手を掲げる、しだいに青白い光が集まる。

放たれた魔法は、光の筋を伸ばし人形に当たった!?

しかし、的にした人形ではなく、後ろに置いてある別の人形に命中していた。


「はずれたのです」


ディベルが、残念そうに的の人形を見て、しょんぼりしている。

あれ?俺の特訓のときは、嫌ってほど当ててきたのにどうしてだ?


「あれは、お前に魔法が当たるよう、俺が射線上に誘導していたからな」


オルトガ師匠がニヤニヤと笑いながら、特訓のカラクリを教えてくれた。

なるほどね、ますます何者だこの人は。

だとすると、以前野生豚に当てられたのは偶然てことか。


「嬢ちゃん、次は杖を使って魔法を使ってみな。そのときに杖の先端を目標に向けて、人形の的の部分を意識して撃つんだ」

「わかったのです!やってみるのです!」


再び、ディベルは人形に対峙する。

今度は、杖を掲げ集中する。杖の先に、青白い光が集まり輝いている。

ディベルが人形に向かって杖を勢いよく突き出す。

放たれた魔法は、光の筋となり的のど真ん中に命中した。


「あたったのです!」

「上等上等、飲み込みが早くて優秀だわ」


褒められたのが嬉しかったのか、それからずっと人形相手に魔法を繰り出していた。もちろん、俺の特訓は午後に持ち越しになった。


「で、嬢ちゃんが使ってるのは何の魔法だ?」


ディベルのお腹が鳴ったのを機に昼飯にしたのだが、唐揚げを頬張りながらオルトガ師匠が聞いてきた。


「ふへぇ?魔法は魔法なのです。ししょーの言ってる意味が分からないのです?」

「いや、魔法って属性とかあるだろ。火が出たり、風を起こしたりとか?」


ディベルが、間の抜けた返事し答える。

オルトガ師匠の話を聞くと、やはりこの世界も火水風土の四属性があるみたいだ。上位属性に、光と闇があるのも思っていた通りだ。


「だが、お嬢ちゃんの使う魔法は見たことない、四属性でも上位属性でもないな。」


見た感じ光ってるから、光属性の魔法だと思っていた。


「光ってのは、その特性上範囲攻撃になっちまう。収束した光の筋が何本も放たれるような魔法は、いままで見たことない」


なるほど、ディベルの使う魔法は光っているが、俺の知っているレーザーとも違うな。


「わたくしも、意識はしたことないのです。ただ魔法を使っていただけなのです。」

「不思議なもんだな。まぁ、お嬢ちゃん本人が分からんのなら俺たちが分かるはずないか」


いまでこそ10cm程度の光の球しか作り出せていないが、はじめてディベルの魔法を見たときは10m程の大きさだった。

それでも、女神のチカラが抑制されているというなら、完全な状態の女神の魔法はどんな威力なのか?


「まだまだ、世の中には知らないことがあるようだ」


そういって、オルトガ師匠が道場に足を運ぶ。

こちらを見て、いつものように顎をさすっていた。

だが、その顔には何か嬉しそうな雰囲気を感じる。

木刀を片手に俺に手招きをしてきた。

どうやら今日の特訓は、オルトガ師匠が相手をしてくれるらしい。


「そろそろ、人形を相手にするのも飽きてきただろ?俺が相手してやるから、本気でかかってきな!」


今日まで修行を続けてきて、はじめてオルトガ師匠が直接相手をしてくれるのだ。

それは、打ち込み稽古が出来る力がついたという意味。

嬉しくて気持ちが昂る。


「よろしくお願いします!」


俺は、そういって短木刀を構えた。

今まで教わってきたことは頭に入っている。

厳しい特訓は体に染みついている。


「まぐれでもいい、俺に一撃でも当てたら。奥義を授けてやる!」


突然のご褒美宣言!


「死ぬ気でかかってこい!」


オルトガ師匠が叫んだ。

瞬間、俺は全力で踏み込んだ。


ディベルの使う魔法は何でしょう?

修行も一区切り、次は余すことなくサクジロウが特訓の成果をみせます。

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