王都なのです!
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商業都市を出てから、ある程度時間が経った。
どうやら、騎士が追ってくることはないようだ。
「そういえば、さっきの人達はなんだったのです?」
「今頃、興味を持ちはじめたのか。この国の騎士団だってさ。詳しいことは分からんが、何かを調査しに来たらしい」
適当に、説明をしておく。
「なるほどなのです、大道芸の人かと思ったのです」
ディベルには、あの武装集団が大道芸人に見えてたみたいだ。その程度の認識でありがたかった。
今は、騎士団のことは置いておいて、とにかく王都に向かおう。
その後、なんの問題もなく街道を進み、途中でディベルがわがままを言い出すも歩みは順調で、五日目の昼には王都に着いた。
巨大な門と重厚な壁を構える王都では、城下町に入る前に門番の守兵からいくつかの質問をされ、城下町での注意を受けた。いわゆる検問てやつだな。
修行の旅をしていると話したら驚かれた、今時は珍しいそうだ。
ディベルが余計なこと言わないか心配したが難なく通してもらえた。
「ふわぁ〜、ここが王都なのです?この前の街より大きいのです!」
「プヒーッ、プヒーッ!」
ディベルとアレキサンダーが、王都の規模に驚いている。正直俺も驚いた、ここまで大きいとは。
奥に見える王城がひときわ目立つ、まさに白亜の城というものを体現した感じだ。
「さて、まずは宿屋を探そう」
そう言いながら、ディベルと手を繋ぐ。もちろん迷子にならないようにだ、アレキサンダーも首輪に紐を付けてある。
「サクジロウは、わたくしと手を繋ぐのが好きなのです?」
「そうだ、俺はディベルと手を繋ぐのが好きなんだ。だから勝手に離しちゃダメだぞ」
もちろん、そんなことはない。迷子対策だ!
だが、そんなことは知らず顔を赤くしたディベルは、あわあわと狼狽えている。
しばらくは、王都を拠点に活動します。
ちなみに、ステータス等の表現はありません。
HPやMPの概念もありません。