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王都は魔族の手によって陥落した。多くの兵が命を落とした戦いはマレカ・ヘルシャーの死とレイナ・ヘルシャーの復活を以て幕を閉じた。
勇者たちはライード・インシオンを筆頭に全員が重傷を負った。完治には時間が掛かる状態だ。
王都に攻め込んできた魔族たちはレイナ・ヘルシャーの撤退と同時に全軍が撤退していった。しかし、壊滅した王都の復興には多大な時間が必要となった。
結果としては、今回の魔族の報復戦は人類の敗北となった。
二年前の連合軍の中心であり、世界で最も影響力を持つ王都軍は二年前の戦争、そして、今回の戦いにより大きく戦力を削られてしまった。それは、他国への牽制すらも揺らぐほどだった。
王レークスは残りの王都軍と共に同盟国パラストを後にし、王都へと向かうことになった。王自ら復興の指揮を下し、士気を高める算段だ。避難民たちはパラストに残り、王都が復興するのを待つことになる。
「それでは、私はこれより国へと向かいます。どうか残された民にご慈悲を」
レークスはパラストの王宮内にある謁見の間で頭を垂れた。相手はパラストの王であるシエオ・モナルカだ。
「はい。民は私が責任を以て面倒を見ますわ。レークス様は王都の復興に尽力されてください」
玉座に座る若い女が笑みを浮かべる。全ての男を虜にする程に妖艶な笑み。自身の美貌を正しく理解し、余すことなく利用する。そんな印象を受けてしまう程に完璧な表情だった。
レークスは最後にもう一度頭を垂れて謁見の間を後にした。それに続いて護衛の兵士、パラアストの大臣たちも部屋を後にした。今後の行動をレークスと最終確認するのだろう。
「…………ふぅ」
一人残されたシエオが呆れた様な表情と共にため息を漏らした。そして、これからの事に想いを巡らせ、再び笑顔を浮かべた。
「そんなに急いで国に帰って良いのかしら。もうあなたは、あなたの民と会うことが出来ないのよ?」
完璧な笑み。シエオは完璧で邪悪な笑みを浮かべた。愚かな王を送り出し、笑いが止まらなかった。




