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「平穏な生活こそ至高」
真面目な推理小説始めました。
僕には夢があった。有名人になるとか、何かの選手になるとかじゃない。
ただ、田舎で悠々自適と暮らすことだ。
そのために、農業大学に入り、ひと通りの農業のやり方を学んだ。
ふとテレビを電気屋のテレビを見ていると、村を紹介する番組が放送されていた。
擬人村。
過疎化が進んでいるが少子化は進んでいない。
人と人のつながりも強い。
まさにこれこそが僕の求めていた環境ではないか。
今までに貯めた貯金で名も知らぬ田舎に向かった。
擬人村。
名前の由来はネットで検索しても詳しいものは出てこなかった。
現在のネットに支配されているような状況が嫌いだった僕にはそれも魅力だった。
田舎ということもあって、物価は低い。
今まで入ったこともないような大きな家に住むことになった。
畑も一人暮らしには大きすぎるくらいだ。
近所の人ともうまくやっていけそうだ。
おばちゃん、といえる年頃の人たちはすぐに親しくなれる。
都会で感じていた人が仮面をかぶっているかのような雰囲気もない。
ただただ、正直に話す人々と一緒になって、この先の生活に希望を見出していた。