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手
手は手と繋ぐ。
しかし同じ手で繋ぎ続けるのは簡単ではない。
手は創る。
人のため自分のために物を創る。
空間を創り、世界を創る。
組み立てたり崩したりする。
繋ぐ手を離さない方法に創る方法が加えられることがある。
繋ぐ空間を嘘と偽りで固めていたとしても、
そこには虚無が満ちていたとしても、
この手にその力があれば創らなくてはならない。
あらゆる手がその役割を果たすのと同様に
その手はその役割を果たさなくては本体と共に消えてしまう。
そこに心がないといえば嘘になる。
「実」がゆがんでいれば、本来ゆがんでいる「虚」はゆがみを失っていく。