研究録1
異世界から召喚された巫女様とその周囲。面白そう!えっ見てたいのに仕事!?うー、まぁ私ってば魔法の解析の才能がすごいからね!いないと困るんですよね!わかります!
あれ、師匠どうしてため息ついたんですかー?
更新まったりーの予定。
「巫女様っ明日一緒に街に降りてみませんか?俺案内します!」
「あっ何言ってるんだ!明日は俺様の剣の腕前をこいつは見るんだよ!」
「剣なんて野蛮なものよりも、私が素敵な魔法を見せてさしあげますよ」
上から、巫女様の護衛騎士、この国の王子、隣国の王子である。
なんていうか、
「カオスってるぅー」
最近、この世界を救うために異世界より召喚された巫女様。
そしてそれを取り巻く複雑な恋愛関係。
「これは、研究どころではないかも!ってあだっ!」
トンじゃなくてゴツって音がしたよ!
じゃなくって痛いー!
「なにするのー!!痛いよ!」
あたしの頭は丈夫じゃないのよー。頭脳は才能に溢れてるけど。
「なには、こっちのセリフです。いつまでふらふらしてるんですか。早く研究室に戻ってらっしゃい。」
「あっ師匠ー!やっほー」
「やっほー、でもありません。あなたは一応私の弟子なんですから、私の仕事を手伝ってください。」
いや、でもなぁ。
このとても楽しい展開を見逃すだなんで私にはできないっ
チラリと顔を見ると、ちょっと怒ってる。仕方がない。
「はーい。でも師匠、師匠はあそこに混ざらなくても良いんですか?」
「あそこ、とは?……ああ、なるほど巫女様達を見ていたんですね。悪趣味なことですね、あなたも。」
さらりと嫌味を吐かれた。
「私は特に、あの言い伝えを信じているわけではありませんし、第一仲良くする必要もないでしょう。」
「なるほどー。納得しました。……それに、今気づいたけど、師匠が巫女様に手出したらロリコンだよねー。師匠若く見えるけど、結構年いってるんって痛い!暴力反対なの!」
頭をぐりぐりと拳で押される。
「私はまだ若いです。ほら、馬鹿やってないで戻りますよ。」
手を引かれて、移動用の魔法陣に乗る。これは、城にいくつもある物で、頭に思い描いた同じ魔法陣が描かれた場所へと移動することができるのだ。
今回は、師匠と私が使ってる研究室へと移動した。
「師匠ー。何を手伝えば良い?」
「そうですね。ではこれを新魔法研究室にいるレノウさんに渡してください。」
「レノウさん!?行く!行ってくる!」
実は私こと、クリソベリル。あっリルって呼んでね!
私は、魔法の解析を研究している師匠のところにいるが、新魔法を研究したかったのだ。
じゃあ、新魔法を選んで研究すれば良いじゃないかって言われたらそれまでなんだけど、色々事情があるんですよ、これが。
まぁ、あと私が解析に関して素晴らしい才能を持ってるっていうのも理由の一つね。
「これが、持っていく書類?」
「はい。それをレノウさんに渡してあげてください。渡した後は、長居せずに早く戻ってくるんですよ?」
「えっ?……はーい。分かりました。すぐに戻ってきます。」
笑顔だった。師匠すごく良い笑顔を浮かべてきた。
いや、いつも笑顔ではあるんだけど、今回のはなんていうか黒かった。怖かった。
……早くメノウさんに書類渡してこよっと。