タイトル未定2025/12/20 22:49
高校入学。
男子校に入学した俺は独りぼっちだった。友達もできずずっと一人で過ごしていた。毎日終礼が終わるとすぐに家に帰りベットに寝転がりスマホを見る。そんな日々を送っていた。サッカー部に入るか少し迷ったがめんどくさいしそんな情熱は俺にはもう残っていなかった。
高校に入って初めてのゴールデンウイーク。特にやることもなかったので俺は山奥にあるおばあちゃんの家に行くことにした。
「あら、よく来たねぇ。友達とは遊ばないのかい?」おばあちゃんがいつもの優しい口調で言う。
「いいよ。俺友達いねぇし。」
「あらまあ」
正直俺はここに何か目的があってきたわけじゃないがこの時間がゆっくり流れる感じが好きだ。東京は時間に置いてかれる気がするし、反対に山奥のこの場所は時間がスローモーションに感じる。僕の住む町はホントに普通くらいだ。
「おい、お前今希望を失っておるな?」いつも厳しいじいちゃんが強いまなざしでそう言ってきた。
「わしには分かる。何の希望も持たず世の中がどうでもいい、そんな目をしている。」
意味の分からんことだけ言って腰を曲げながら近寄ってきた。
「父母、祖父母、総祖父母、高祖父母、来孫、昆孫、みな生まれた瞬間に一番偉大になる子を見極め必ず名前に同じ漢字を入れた。そして予想はすべて的中し、みな何らかの成績を残した。甲子園で優勝するものもおれば、戦の英雄になる者もおれば、勉学が優れたものもおった。そう歴代のわしらの家に代々引き継がれる由緒書に書いてあった。」そう言うとじいちゃんたばこを手に取りふかしていた。
「お前も一本すーか?タバコすっとんのやろ?」そう続けていってタバコを差し出してきた。
「いらねーよ、つかなんだよその変な話。由緒書なんか信じて」なんで俺がタバコを吸っているのを知っているかも少し気になったが、そっちの話のほうが気になったので聞くことにした。
「馬鹿にしちゃいかん、わしもその名をもらいプロ野球選手になったんじゃ。」そうおじいちゃんは昔プロ野球選手だった。俺も野球を始めていたら才能あったのかなあなんて思ったりもした。
「で、その名前は何なの?」早く話が終わってほしかったのでさっさと聞くことにした。
「一。わしの一彦という名前の中にもある。」俺は驚いた。俺の名前は一だ。
「話はここまでじゃ。わしは己と向き合う。」そう言うとじいちゃんは瞑想を始めた。
「爺さんはね、あんたが生まれてきた瞬間にいちと名付けてくれとあんたの親に頼んだんだよ。歴代の血筋の最高傑作だってね。由緒書が本当ならいいわねぇ。」おばあちゃんがにっこり笑ってそういった。




