今の世の中に夢なんて
いち・・・物語の主人公で中学二年生でサッカー部を辞め今はかいと仲良く過ごしている
西宮かい・・・いちがサッカー部をやめたことをきっかけにいちと仲良くなった不良
けい・・・元いちのチームメイト。ふざけているが熱い男でいちとは阿吽の呼吸だった
まや・・・いちの幼馴染
皆さんの毎日が今よりもっと幸せになるような作品になればいいなと思います。✨
けいが放った言葉は俺には響かなかったが、俺はいろいろ思い出した。どうしても卒業式の日ばかりは三年間を振り返ってしまう。いつの日かかいが殴り倒したサッカー部の先輩はけがで試合に出られなかったキャプテンだ。俺はあの時正直どうでもよすぎて気づかなかったが、いや気づこうとしなかったがあの先輩は何もできないままベンチで最後の夏が終わった。まやもけいも俺の県予選が終わってからいつもの帰り道を一緒に帰ることはなかった。中学三年生の間はほとんどかいと遊んでいた。サッカー部がどうなっているかなんて全く興味を持たなかった。けれどかいと過ごした日々も楽しかった。もうかいとこの学校に来ることはないと思うと少し悲しかった。そして、かいと俺は別々の高校へ行く。まやは、県内でもかなり頭のいいといわれている高校へ行くという。そして聞いたところによるとけいはサッカー推薦で県内一のスポーツ強豪高へ進学するらしい。俺は家から一番近い男子校だ。かいと離れ離れになるのは本当に寂しい。
「なあ、かい写真撮ろうぜ?」少し恥ずかしかったが俺はかいにそう言った。
「そうだな!」かいも笑顔で答えてくれた。かいと二人で撮った写真は俺が卒業式で撮ったたった一枚の写真だった。その一枚が俺には充分だったけど。正直まやは写真を撮ろうと誘ってくると思ったがそんなの贅沢な妄想だった。まやは大勢の男子からツーショットを頼まれ忙しそうだった。
かいと二人でいつもの帰り道を帰る。
「なあ、俺達ずっとこんな感じで遊んで生きていくのかな」かいがなんだかだるそうに言う。
「そうだろ、つかべつにやることもないんだし」吐き捨てるように言った。それから無言で少し歩き続けた。なんだか少し気まずい空気が流れた気がした。
「俺達は最強だーーー!」かいが急にが叫ぶ。
「卒業バンザーイ!」俺も続けて叫ぶ。春の少しまだ肌寒い空気の中思いっきり叫んだ。
「なあ、高校の入学式までなにする?」俺がそのままのテンションのまま話を変える。
「やっぱ卒業旅行だろ!」かいが決め顔でそう言った。
「じゃあやっぱあそこ行くしかねえよな?」俺も決め顔でいう。
「とうきょーー!」2人が声をそろえて言う。地方に住む俺たちにとって東京は憧れだ。こうしてかいと俺は卒業旅行に東京へ行くことが急に決まった。
卒業旅行当日。僕らは新幹線で移動し一泊二日の東京観光が始まった。東京行きの新幹線、僕らの町は東京まで数時間かかる。寝たり、スマホを見たり、雑談したりして時間をつぶす。
「俺たちもいつかこの新幹線に乗って地元を離れる日が来るのかなあ」俺が外の景色を見ながら言う。
「さあ、まさかお前がそんなこと考えてたとはな。向上心のかけらもなさそうな奴が」かいが言うと直後にアナウンスが鳴った。
「次は東京、東京でございます。」
かいも俺も胸を躍らせた。頭の中で素晴らしいBGMが流れる気がした。ついに来た。頭の中がもう脳汁でいっぱいだった。かいと俺は新幹線を降りた。目に映る景色がすべて輝いて見えた。外に出るとそこは俺たちが見るテレビの中の景色だった。視界をおおうたくさんのビル。ここには何でも詰まっている。普段生で見ることのない景色に俺達は大興奮した。
「こ、これが東京…」かいが普段は絶対にしないような口調で言う。
「俺達ってちっぽけなんだな」俺はいろんな光景に目を奪われながらそんな言葉をこぼした。
「なあかい、とりあえず新幹線も降りたことだしタバコ吸わね?」
「ないすアイディア」俺達はタバコを吸って一旦落ち着いた。東京で吸うたばこは一味違った。田舎で吸うラーメン後のタバコよりもおいしかった。するとかいが今俺たちが思っているであろうことを言語化してくれた。
「いつも田舎の風景とか田舎の夜景とか見たりしてるとさ、人生ゆっくりマイペースでいいや、そしてさらに俺たちはこのままでいいんだって気持ちになるだろ?」
「うん」
「でも都会の景色を見るとさ、もっと頑張れる、高みを目指さなければいけない、今のままじゃだめだ、もっとチャレンジしようって思わねぇ?」そう言ってかいは煙を吹かす。俺は心の中でまだ都会にきて数分だろと思ったが景色を見て何を感じるかは人それぞれだなと思った。
「じゃあなに、かいはなんか行動すんの?」俺はあざけわらうように言った。
「は?あるかそんなの、なるようになるんだよ!逆にお前は何になるんだよ、それこそ夢とかあんのか?」かいがタバコを地面に落としてそう言う。
「今の世の中に夢なんてあるか。そんなもん持ってるやついねーよ。テキトーに生きてりゃいいんだよ」
「そーだな。俺たちは今を生きてるんだ。過去でも未来でもなく、今この時を楽しんでいるだけだ。今を生きる!これが俺の座右の銘だ。」
「いいこと言うじゃねぇか」
それから俺たちは二日間かけて東京を遊びつくし、たくさん刺激をもらった。そうして俺たちの卒業旅行はあっという間に終了しいつもの都会でも田舎でもない町に戻った。
「俺達別々の高校だけどこれからもたくさん遊ぼうな」帰り際にかいとそんな約束をした。
かいと二人での卒業旅行が終わってから俺は特に何もせず寝ておきてを繰り返した。そうして俺は高校生になることになった。
読んでくださりありがとうございます!これからもっと面白くなればいいなと思います。そして皆さんの心に響けばいいなと思います。また、来週土曜日に更新しようと思います。




