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9王女との時間(アッシュ)


 はっ、俺の妻はちょろいな。

 夜会会場から立ち去るミュリアンナを遠めに見た。

 我がレーヴェン公爵家が資金を融資しているからミュリアンナは俺には絶対に逆らえないと思っている。

 当然だろう。

 最初は俺だってあんな奴と結婚なんて思った。でも今は父に感謝してる。

 結婚しても変わらず女と遊べるんだ。

 おっとそうだ。今夜もリベラ王女のお相手を仰せつかった。

 まったく、あいつもロガワロ国に嫁いだんだ。王太子が側妃を召し上げたからって大げさなんだ。

 だったら俺なんかどうするんだ?

 俺は今までに何十人という女と関係を持ってるのに。

 だが、妻から文句ひとつ言われたこともない。

 まあ、俺も一応あいつには好きにさせてるし金だって十分すぎるほど与えてやっているんだ。

 文句を言われる筋合いもないが。

 まあ、またあいつ(リベラ)のご機嫌でも取っておくか。

 あれでも王女だからな。機嫌を取っておいて損な事はないはずだ。

 父さんも良く言ってる。高位貴族との付き合いはしっかりやれって。

 まあ、あいつとは学園の時からの廃れ縁みたいなもんだけど、プッ!あの様子じゃ相当飢えてるって感じがしたもんな。

 きっとオルセン王太子も別の女に目移りしたんだろうな。

 まっ、無理もない。あいつの魅力と言えば王女って言うところだけだしな。

 わがままで自分勝手。気に入らないとすぐにすねる。身体だって大したことはない。

 俺だってあいつを抱くより‥ミュリアンナをものにした方がやりがいがある気もするくらいだ。

 俺は気合を入れるためにシャンパンを煽ってから王女リベラの部屋に出向いた。


 リベラの護衛騎士として彼女の部屋の見張りと交代する。

 「ヘイズ。後は俺が変わるからご苦労!」

 「ああ、アッシュ。おい、お前王女と関係も持つ気じゃないよな?いくらなんでもロガワロ国の王太子妃なんだからな。わかってるよな?」

 珍しくヘイズがそう言った。彼はテッドネス伯爵家の次男で俺と同期の友人。女遊びも一緒にしてる男だ。

 なのに?

 「わかってるって、俺だってそんなばかな事はしないさ」

 「ああ、ならいいんだ。じゃ、俺帰るから、じゃあな」

 「ああ、お疲れ!」

 そう言ってしばらく部屋の外で見張りに立つ事にした。

 扉をノックするとリベラが扉のそばまで寄って来た。

 「リベラ、もう少し待ってくれ。まだ人が来るかもしれないからな」

 「はぁ~、そうなんだ。私もう我慢できそうにない」

 リベラはすでに薄いナイト着になっていて太ももまで露わにしている。

 チッ、欲情魔かよ。少し引き気味に口角を上げる。

 「いいから、待ってろ。我慢出来なきゃ一人でしてろ」

 俺が小声でそう言うとリベラは何を勘違いしたのかぎゅっと胸を寄せて胸の上部に舌を這わせた。

 「もぉっ、アッシュったらいやらしいんだからぁ~」

 そっちかよ。

 「ああ、すぐに勃れてやるよ」

 ちょうどいい手間が省ける。

 「うん」

 リベラは嬉しそうにうなずいて扉を閉めた。

 

 今日は夜会の後でまだ片付けなどでざわついていてひょっとしたらここにも人が来るかもしれないと俺は思っていた。

 予想通りそれから数人のメイドが通り過ぎた。そしてしばらくすると辺りは一気に静かになった。

 もう、すっかり人の気配はなくなった。

 俺は一度廊下の端まで歩いて通路の向こうを確認して誰もいないことを確かめた。

 よし、もういいだろう。


 リベラの部屋の扉をそっと開けて中に入る。

 「リベラ待たせたな」

 「もぉぉぉ~早く」

 リベラに手を取られ俺は脱いだばかりの上着を放りだすようにベッドに押し倒された。

 「私が待ってるってわかってるくせにぃ。オルセンったら酷いんだからぁ~あの女にずっとほだされてわたし‥」

 リベラは俺のズボンを脱がすのも待てないとばかりに取り出す。

 「なに?だめじゃない。もぉ」

 リベラはまだその気になってない俺の物を手で刺激する。

 それなりになるとすぐに俺の上に乗り上がった。

 「あっぁぁぁんっ、ん」

 すっかり準備の出来た場所にそれをあてがうとすぐに腰を振り始めた。

 

 やっとその気になったと思ったらいきなり扉を叩く音が。

 「リベラ王女。何かあったのですか?返事をして下さい。悲鳴が聞こえた気がしますが」

 ドンドン扉を叩く音が続いた。

 「おい、まずい。離れろ!」

 俺は服を脱いでなくて良かったと思いながらすぐに立ち上がりズボンを直すと返事を返す。

 「私はリベラ王女の護衛騎士のアッシュ・レーヴェンです。王女が具合が悪いと言われて様子を見るため部屋に入りました。すぐに開けます」

 そう言ってリベラに言う。

 「リベラ!服、もっ!ほら上掛を‥」

 「もぉ!」

 「ばか、俺達がしたことがばれたらどうする気だ?何を言われても絶対にとぼけろよ」

 「わかってるわよ!」

 リベラはすでに拗ねていた。

 俺は構わず扉を開けた。

 そこには先輩のルカ・マクファーレン副隊長がいた。彼は上官になる。


 「何があった?報告しろ!」

 彼は夜会の後着替えたのだろう。いつもの騎士隊の服装だった。

 「はい、王女が気分が悪いとおっしゃったので様子を見るために部屋に入りました」

 「それで?」

 マクファーレン副隊長はすぐに中に入って王女を確認した。

 「失礼します。王女無事ですか?」

 彼は王女の上掛をパッとめくった。

 彼が俺の方に振り返って鬼のような形相で尋ねた。

 まあ、そうなるよな。普通。たじろぎそうになる心をっぐっと押し隠して平生を装う。

 「どういう事だ?アッシュ。お前まさか王女と?」

 「ご、誤解です。なにもありません」

 「じゃあ、王女のこの姿はなんだ?王女、あなた自分のしたことが分かってるですか?あなたはまだロガワロ国王太子妃なんですよ」

 「あんなところには帰らないつもりよ。離縁するわ」

 「そんな個人的な我儘が許されるわけがないでしょう?まあ、いいでしょう。この事は国王に報告します。後は国王やオルセン王太子、ロガワロ国王がどうご判断されるかでしょう」

 「やっ、ちょっと。誤解よ。アッシュとは何もなかったわ、ちょっとふざけていただけで」

 「言い訳はお好きにどうぞ。アッシュ、お前も覚悟するんだな」

 「お、俺はそんなつもりは‥リベラが離縁したって言うからてっきり‥」

 俺はすぐに拘束された。





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