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8 追い詰められる真実

砂漠の朝日がスフィンクスを黄金色に染める中、零は調査団を再び集めていた。

これまでの調査で得られた手掛かりを基に、事件の全貌を解き明かす準備を進めるためだった。


「犯人が仕掛けたトリックの全容が見え始めてきた。砂の異常、保管室の傷跡、そしてリーダーが鍵を持ち出した時間。この三つを結びつけることが事件解決の鍵だ。」

零は調査団全員を見渡しながら話を続けた。


助手の一人が質問する。

「零さん、犯人が現場で何をしたのか、もう分かっているんですか?」


零は頷きながら答えた。

「犯人は、遺物の特性を利用して現場で凶器を作り出した。その凶器は砂漠の環境で消えるように仕組まれていた。」


調査団全員が息を呑み、緊張感が一気に高まった。

その中で、アミールは静かに零の話を聞いていたが、どこかその表情には微妙な変化が見られた。


午後、零は助手たちと共に保管室を再調査していた。

彼は保管室の棚に残された傷跡を細かく観察し、そこで見つけたわずかな痕跡を指摘した。


「この傷跡の形状、何かを引きずり出した痕だ。この棚に保管されていた遺物の特性を確認する必要がある。」


助手たちは遺物の目録を持ち出し、保管状況を確認し始めた。

その中で、アミールが慎重に言葉を選びながら話しかけてきた。

「零さん、この棚に保管されていた遺物の中で、特に注意が必要だと言われていたものがあります。ただ、それが事件にどう関係しているのかは分かりません。」


零はその言葉を聞きながら棚を指差した。

「その遺物が事件の核心にある。犯人がその特性を知り、それを利用したのだろう。」


夕方、零は調査団全員を再び集め、これまでの調査結果を共有した。


「事件当夜、リーダーが保管室の鍵を持ち出し、特定の遺物を調べていた。その遺物が今回の事件に直接関わっている。」

零は全員を見渡しながら続けた。

「その遺物は、熱や圧力を操る特性を持つもので、現場の砂の異常と一致する。」


調査団の中に緊張が走る中、アミールが静かに口を開いた。

「零さん、その特性が事件にどのように使われたのかを突き止める必要がありますね。」


零はその言葉に頷きながら答えた。

「その通りだ。そして、その特性を知っていた人物こそが犯人だ。」


夜、零は一人テントに戻り、調査結果を整理しながら事件の全貌を思案していた。

ハルが念話で話しかけてくる。

「零、犯人は相当慎重に動いてるね。でも、何か見落としてる気がするよ。」


零は静かに資料を閉じながら答えた。

「犯人の計画には確かにほころびがある。それを見つければ、この事件は解決する。」


スフィンクスが砂漠の星空の下で静かに見守る中、零の推理は核心に迫りつつあった。

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