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百不思議  作者: 上鍵心之輔
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無言話

日本の中に貝日小学校という小学校がありました。その学校にはたくさんの不思議なことが起きるという言い伝えがあります。100個以上もあると予想されているため、百不思議の小学校とも言われています。

一人子が道を歩いていた。

周りには誰一人いない。静かな道を。

今は朝の7時だ。日が昇って1時間ほどたった。

いつものことだ。誰もいないというのは。

彼は川の目の前に行き、草むらに座った。

風が鳴り響き、居心地がいい。川には小魚が数匹泳いでいる。

その子はため息をついた。もうここにはこれなくなると分かっているからだ。

これから数日後には工事が始まる。そしてそれを止めることはできない。

何十年も前からあるこの川がこれから数日後には消えるのだ。

だが、何一つできなかった。どうせ言ったってなんの役にも立たない。

そのまま川にそって歩き始めた。

いつものように静かな川はまるで手を振っているかのように魚が飛び跳ねた。

川の先には山がある。山のてっぺんから雨水が流れてきているのだ。

山の奥に入ると道がなくなる。

なくなるというわけではないが、川に沿っていくのは途中までだ。

途中からは川と違うルートを進み始める。

なので靴と靴下を脱ぎ、裸足で水の中を歩くことしかできない。

川は豊かだ。蟹が岩の中に潜み、鮭はゆっくりと登っていく。小鳥から大鳥まで魚目当てに飛んでくる。

時には鮭目当てに熊が来ることだってある。だが、そういうことに総軍するのはめったにない。

この川は巨大な岩の下から流れ出ている。まるでこの岩が雨水を吸収し、下から出しているかのようだ。

水は透き通っていて、青い海とは違う。不思議だ。

その雨水は頂上だけの話だが、飲むことができる。石がきれいにしているのかもしれない。

だが、ここにも危険はある。

苔のついた石で滑り、死ぬこともある。熊に襲われたことは今までで数回あった。その中の2回は死亡したらしい。

蟹には足を挟まれるし空から飛んでくる大鳥に襲われることだってあり得る。小鳥は逃げていくから大丈夫だ。

たいていの時は。

何度も来たことがあるが、今まではクマに襲われた時も蟹に挟まれたことも大鳥に襲われたこともない。

だが、1度だけ死にかけたことはある。この川に来たから。

考えたくもない。この川を嫌いになりたくないからだ。

この川にはほとんど誰も来ない。特にやることがないからだ。

魚は海に行けば大量にッス構えることができる。

こんな危険にしかない何もない場所には来る人なんていない。主人公以外。

主人公は小さなころ、父にここへ連れ来てもらい、その時からこの場所が好きなったのだ。

だからほぼ毎週ここにきている。一番てっぺんからの景色は絶景だ。

何もない場所にもずっと好きだった。この何年かに何回ここへ来ただろうか。数えきれないほど来ていた。

何回てっぺんから見ても景色はきれいだった。

だから壊されるのは拒否したい。絶対に、

暴れる心臓を支えながら町を見下ろした。

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