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運命  作者: ガオー
2/14

魔王

魔王様のお話~

ズガァァン


「魔王様!

どこにいらっしゃいますか!!!」


 恐怖、、怒り、、悲しみ、、焦り、、


 これらの感情が混じった


 とても大きな声が城中を駆け巡る、、


 が、それと同じく、轟音も響き渡っていた


 とても古く、ホコリも多い、、

 掃除をしていないような、

 そんな場所のせいか、、

 声と、轟音は、よく響いていたのだ


「う、ううん、、、」


 魔王は寝ていた、とても暇なのだ


 やることが特になく、

 四天王がすべてやってくれていた


 やることがないゆえに、一日10時間

 睡眠時間をもうけるほどであった


 それでも、魔王とて耳がないわけではない

声は聞こえた、、しかし、、いつもの喧嘩だろう


四天王がなんとかしてくれるだろう、、

そんな気持ちが自然と芽生えていた、、


 「指揮官!!四天王様が全滅しました!!」


 「ん?」


魔王は誰かの言葉の意味が理解できなかった


指揮官、というのも分からない

だが、それ以上に四天王が、やられたと、、


上位の五本指に入るほどの腕前の者の称号

そう、、五本指、、、魔王と同等の強さなのだ


それが全滅と言うのだから、、そもそも、

   理解が出来るはずがない


「魔王様!!」


 ものすごい勢いで扉が開かれる、、

 焦り、悲しみの混じった顔だ

 

「こ!こちらにいらっしゃいましたか!!」

 


いつもどんな時も冷静で淡々と、、、

常に落ち着いていたあの執事が


焦っていたのだ


魔王は静かに起き上がり、毛布をどかす、、

ベットから立ち上がり、背伸びをした後、


「状況を説明してくれぬか?」


 魔王は冷静だった、、


 いまの自分がおかれている状況を分析し、

 最善の行動をとるための情報を、

 集めることから始めたのだ

 

 「な、なんの、ことでしょう」


 「何者かが攻めてきたのだろう?

さすがの我でもそれぐらいはわかる」


 「え、えと、」



 「………」


 戸惑う執事に対して、無言で返す魔王、、

 静かな沈黙の中、轟音だけが、


響きわたる、、


 沈黙を最初に破ったのは、、執事だった、、

 


「、、、、わかりました、、」

 

たった一言、、わかりました、と、答える、 

執事は、、魔王を逃がしたかったのだろう、、


長年連れ添い、時には叱り叱られ、、

忠義を誓ったのだ、、


だからこそ逃がしたい


だが、、魔王に押され、、否、、、、

魔王の性格を知っていたからこそ、、

状況報告を始めたのだ、


「現在、 部下が応戦中も、、

状況は劣勢、、 城に待機している兵に

召集令をだし、援軍を送るも、駆け付けた

部隊のほとんどが壊滅状態です、

現在は押さえれていますが、、

突破されるのも時間の問題かと、、」


 「そうか、、」


 魔王はそう言って、下を向く


今まで、四天王に任せ、自分は何もしなかった

 

 「魔王様だけでも!!おにげください!!」


負の思考を遮るかのように叫ぶ執事


しかし、



 「最前線を教えてくれぬか?」



 執事は涙を浮かべる、、

 色々な、感情が、、頭の中を

 めぐりめぐっているのだろう


「行かれるの、ですか?」


 寂しそうな、悲しそうな、かすれた声を、

 精一杯、吐き出す、、


 「……」


 四天王は正直、魔王と同じぐらいの強さだ

 その、四天王が、、、負けたのであれば、


 魔王様が、、勝てる確率など、

 ゼロに、、ひとしい


 「わかりました、、」


 執事は、、かすれた声で、了承する

 魔王様の、近くで、、長年、、

 今まで、過ごしてきた、だからこそ、、

 魔王様の、性格を一番わかっていたのだ、


「すまぬな、、」


 魔王はにっこりと笑う、、

 この笑顔は、なんの意味があるのか、


 どういう気持ちなのか、、


 魔王様の、性格を、一番わかっていた

 いや、知っていた、、執事でさえ


 見抜くことが出来なかった、、


 古く、ぼろぼろの廊下を二人で走る

 この廊下とも、、いや、、この城とも、もう

 お別れなのだ、魔王は少しずつだが、


  涙が、目にたまる、、今は、、


   そんな場合ではないのに



 「魔王様……」


 執事が、声をかける


 「む?なんだ?」


 少し、かすれた声で返事をする魔王


 「隠せてないですよ」


 「ハ、ハハハ、そうか、、」


 少しだが、魔王の顔が笑顔になる

 それをみれた執事は、走るスピードを

 上げていく、、仲間のもとに、


 少しでも早く行くために


 魔王は執事がスピードを上げたと感じ、

 自身の速度をさらに上げ、

 執事の横に出る、、

 執事がこちらを見る、、


 笑っている、、


 その時、魔王の頭のなかに映像が流れた


 壁を貫き、執事をも貫く、謎の銀の塊

 

 魔王は即座に執事をかばう形で前に、

 塊を止めようと試みようと、思考する

  が、、映像の中には続きがあり、 


  止めようと前に出る自分もろとも、

    貫く映像が見えたのだ、、


 魔王は執事の首根っこをつかみ、

 真横に投げ飛ばす、


 執事は何が起きたのかわからなかった

 投げられたのはわかるが、

 なぜ投げられたのか、と、

   次の瞬間


  轟音と共に、壁に穴が開き、、

   銀の塊が飛んできた、

  魔王はこれを察知したのかと、、

      理解する、、



「こ、こんなもの、みたことが、、」


執事が驚き、呟く、、


執事は戦況を聞き、それを伝えに来た

つまり、戦場を見ていなかった


「爆薬か何かでこれを飛ばしたのだろうな、」


魔王はそう言いながら、銀の弾を見つめる


魔王は未来を見て回避したのだが

常に未来が見えている訳では無い


自身、また、近くの仲間と認識している者に

危険が迫った時のみ

脳内に数秒先の未来が映し出される


認識出来る範囲しか未来が見えないのだ


つまり、認識さえ出来れば

先手を打たれてもすぐに対応できると言う事


魔王は続ける


「この壁、もろかったか?」

 

 魔王は疑問だった、この城は、

 昔、、四天王とじゃれあっていた時、

 壁などを毎日のように破壊していたのだ

 そのため、、部下達が壊れない壁を

  必死に研究し、作り上げた、

 そんな、友情の結晶とも言える壁を、、

 ただの銀の弾が何枚と破壊できることに、

    疑問を感じていた


「まあ、3百年以上も前ですから、、」



「そうか、、3百年以上も、前か、」



そう言うと、魔王は銀の玉に触れる、、



「はい」


  魔王は静かに顔を上げる、、

魔王は悲しそうな、苦しそうな、怒りに満ちているかのような、なんとも言えぬ表情をしていた


「やはり、こうなってしまったか」


   執事には理解が出来なかった

やはりと言うことは、知っていたのだろうか

ならばなぜ対策を取らなかったのか

不安は不安を呼び、大きな混乱を招く


「穴を通れば、行けるな、、

お前はここに残れ、来ても良いが、

我のじゃまはするな、それと、

城にまだ生きてるやつがいるだろう?

そいつらを外に逃がせ」


 「仰せのままに、、」


魔王様を疑うべきでは無い


執事は知っている、魔王の素顔を


いや、だからこそ


不安になってしまうのかもしれない


執事は考えるのをやめ

魔王に言われた通り、城の兵と城下町の

仲間たちを遠く離れた場所に避難させるために

走り出したのだった



………

……




や、やばえ!なんか!すごく!

暗いお話に!!

ま!まあ!これから明るくなるから!な!

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