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第14話


 ◇◇◇◇◇

 ダンジョンの大穴に入り、大穴の中層。武器屋が立ち並ぶ中でひとつの立派な店に入る。

【ミルク】と看板に文字が書かれている武器屋。中はこじんまりとした武器屋だ。壁には様々な武器がショーウィンドウで飾られ、中央には小物が飾られている。

 どれも値段表がついてはいないが、僕でも名匠な鍛冶屋が作ったことが分かる。お店の中には武器をじっくり見ている、男性? 顔を包帯まみれにして、片目の青色の目が僕を一瞬ちらっと見る。華奢な体つきで、163センチほどの身長と白の動きやすそうな長袖、長ズボンの服装。暗殺者をイメージする、服装だ。ミラーちゃんは店の奥のカウンターにいき、大きな声で「ミルクー!」と叫ぶ。

「お? ミラー。武器の手入れに来たのか? 珍しいな」

「違うわよ。お客さんを連れてきたの」

「客?」

 店の奥から出てきたのは気前のいいお兄さんみたいな人。

 青色の布を額に巻き、茶髪の短髪が隠れ、優しい目付きが垣間見える。180センチほど身長で、朗らかな印象を受け取れる。

 ミラーちゃんがミルクというんだから、看板通りこの人がここの店主なんだ。若いのにとても贅沢な店を構えている。相当な腕の持ち主なんだろうな。

「……ほー。お前が例の」

 ミルクさんは僕を見定めるようにジロジロとみる。

「お前、名前は?」

「エル・アンコスです」

 何度目か分からない名乗り。ミルクさんは顔を歪めて、僕が左手で持っている武器を睨む。

「エル。その剣やめろ。お前が使いこなせる武器じゃねぇ」

「そ、そんな!? 昨日買ったばかりなんですよ!?」

 ミルクさんの衝撃の言葉に僕は、えぇ!? っとなりながら思わず叫ぶ。有り得ない。僕の貯金を全て費やした剣なのに、もう手放すなんて。

「いや、武器が悪いんじゃない。なんなら程々にいい武器だ。だが、エルが使う分には耐久力があってない。見てみろ、経った1日なのにその刃こぼれ。切れるもんも切れねぇよ。どんな戦い方したらそうなんだ。力任せの戦いは、強さじゃねぇぞ」

「ぐっ……」

 とんだ図星だ。右腕に頼りきった戦闘。ステージ1の僕が出せるはずのない力を右腕が出している。

 体がついていかず、右腕の力だけが突出している。

「こんな使い方、得する奴は誰もいねぇよ」

 ミルクさんは下唇を噛んでいる僕を瞳に写し、カウンターから乗り出す。

「エル。お前はどんな武器が欲しい? 言ってみろ。ここはオーダーメイド専門店。エルの要望全てにお応えしてやる」

「オーダーメイドせ、専門店!? まってまって、ミラーちゃん。僕そんなにお金ないよ!? なんならその日の食事もままならないのに!?」

「ミラー、ここの仕組みを教えてないのか」

「あら、わちゃしが捏造してもよかったのかしら」

「……ただめんどくさかっただけだろ。よし、じゃあこの店の説明だ」

 ミルクさんはジト目でミラーちゃんを凝視して、ミラーちゃんは視線を逸らす。

「ここは俺が客の価値を決める。とても主観的な見方だ。俺は今、もう決めているがお前の価値が分かる。その価値をドラクマに換算して、武器を作る。お前の価値が云わば前金だ。武器や防具の値段は俺の冒険者依頼クエストを通して払ってもらう。そうだな、エルなら初回サービスとして3回の冒険者依頼で勘弁してやるよ」

「さ、3回だけで……オーダーメイドを!? なんていいお店なんですか!?」

「お兄さんは人を疑うことを覚えたらどうかしら」

「え。うん? どういうことですか?」

「ははは! ミラー、黙ってようか、ここは俺の店だぞ」

「あら、ごめんなさい。わちゃしはミルクのように悪い心を持ってないから」

 さっきから2人が何を言っているかが全く把握できない。でも、3回のクエストだけでオーダーメイドの武器が貰えるなんて。でも、気をつけないといけないことがある。それは僕の価値。僕の価値次第でどんな質の武器が作られるかがきまる。

 僕の神妙な面付きをみて、ミルクさんは困った笑い方をす。

「エルは自分のことを過小評価してるんだな。エルの価値は高いぞ、俺が言うんだから間違いねぇよ」

 僕には価値がある。そんなこと、到底思えないけど。

「っで、どんな武器が欲しい?」

「どんな武器……」

「どうすればいいか分からない顔をするな。だが、俺はアドバイスは一切しないぞ。ここはそういう店だ。客のオーダーを俺が、100パーセント遂行する。どんな武器がいいか分からなかったらあの客に聞いてみろ。いいアドバイスを貰えるはずだ」

「そうね〜。わちゃしは戦闘職じゃないし、ヤミに教わったら? ねー、ヤミー。どうせ話は聞いてたんでしょ、お兄さんに教えてあげてよ」

 僕は店内にいた男性を双眸に写すと、ぶふぉん、と威圧する風が吹く。目をすぼめるが、直ぐに威圧感はなくなる。

「ごめん。僕、人見知りで……」

「ひ、人見知り……すぎる」

 さっきから気になっていた、男性。包帯だらけの格好は、僕の背筋を立たせる。凛とした声色は僕を緊張させる。ミラーちゃんとミルクさんと知り合いそうだけど、ミラーちゃんは本当に何者なんだ。こんな幼いのに、僕よりしっかりしているぞ。

「君の個性を教えてくれる?」

 男の人は店の端から僕にぼそぼそと問いかけてくる。僕は傾聴して、僕の個性を答えた。

「なら武器だけじゃなくて、防具も揃えた方がいい。君の戦い方は速さが重要だ。防具は軽装備(ライトアーマー)で、剣は……。その剣よりもうちょっと短く、そして体が持っていかれないように軽く。そして丈夫に」

「あわわわ、とっても参考になります! でも本当にその通りだと思います。ミルクさん……それでも可能ですか?」

「あん? 俺を誰だと思ってる、余裕のよっちゃんよ。そうだな、今日中に作ってやる。明日取りに来い」

「きょ、今日中!? そんなに早くできるんですか!? す、すごい!?」

「ははは。そりゃあ一流の鍛冶師だならな!」

「謙遜しない人はきらいなの」

 なんだとー! っとカウンターから乗り出して、ミラーちゃんといがみ合うミルクさん。僕は、はははと苦笑いをして、この後採寸などをして店を出た。

「じゃあ、ダンジョン行くの。エルの戦い方見てあげる」

「あのぉ。ミラーちゃんって何者なんですか?」

「うーん……私は何者でもないの。ただのミラー」

「答えになってないけど……。あ、そういえばミラーちゃんも、もしかしてオリーブのギルドメンバーなの?」

「質問が多い男は嫌われるかしら。さっさっといくの」

 ミラーちゃんはぷいっと顔を背ける。上手くはぐらかされて、ミラーちゃんは坂を下がって、水へ向かっていく。僕はどこかで聞いたフレーズだなと、首を傾げながら、ダンジョンに向かった。

先日投稿した最新話。誰がどの話数を見ているか調べたところPV41中、全て最新話に偏っていました。

見てくれてありがとうございます。

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