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「ヒーハー!」
ガーコに乗る猫が叫ぶと、名馬ガーコが颯爽と走り抜ける。
「パッカパッカパッカパッカ、ヒヒーン。」
悪党の前で、ザザッと止まったガーコから、さっと、飛び降りる猫。
「これ以上の悪行は、このあたいが許さなくてよ!」
猫が杖を振ると、悪者達はその場でバタバタと倒れた。
「猫ちゃん、ガーコ、お疲れ様。」
手をパチパチと叩きながら、近寄ってくる影から、親しげに声を掛けられた猫は戸惑った。ガーコもポカンとしている。
「あんた、誰?」
「えっ? 忘れちゃったの?、、、やっぱり思った通りだわ。」
リリカと名乗った美少女は、昨日有った出来事を猫とガーコに話して聞かせる。
「えぇっ!? つまり私は、お嬢様なのね!」
猫は動揺した。けれど、そう言われると、そうだったような気がしてくるから不思議だ。
ガーコもショックを受けていた。
確かに足が足りない様な気はしていたが、ついさっきまで、自分は馬だと信じていた。
その後、2人はリリカに言われた通りに、自分の事を復唱し、すっかり元の通りに落ち着いたのだ。
「ありがとう、リリカさん、あんたがいなかったら、あたい達、どうなっていたことか、、」
猫は涙を浮かべ感謝した。
「、、、あたい達?」
リリカの顔が一瞬恐く見えて、猫はびくっとした。
「リリカさん、、?」
「ううん、何でもないの。親友のガーコが元に戻って良かったわ。 猫お嬢様もね。」
親友、、、猫は、その言葉に、引っ掛かる物を感じた。大切な何かを、忘れてしまったような、、
そして、1人と2匹は、再び村の聞き込み調査に向かった。
まずは狸のぽん吉で、見るなり猫とガーコは、跳び跳ねた。さっきやっつけたばかりの、悪名高い、お代官様だったのだ。ぽん吉も、2匹を見るなりひれ伏していた。
森の一軒家の子猫のミミーは、すっかり成人して、バニーズで働いていると言った。
サイのライナサスは、サイじゃなくて、カバだと言った。
「やっぱりね、私、確信したわ。これは呪いなの。このままでは、みんな危ないわ。」
リリカが、はっきりと断言した。
「呪いですって!?」
「キャーーーーッ!!」
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