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挿し絵を入れるつもりが、設定していなかったので、活動報告に載せています。見ていただけると嬉しいです。
「お話、聞かせてくれる?」
霊媒師リリカに連れられて、猫は、喫茶店バニーズに入った。
ピンクのウサギ、モモが出迎えてくれる。
「いらっしゃあい。3名様ねん。こちらへどうぞん。」
リリカはガーコも誘ったのだ。
椅子に腰かけたリリカは猫に確認する。
「つまり、最近の記憶が、曖昧で変なのね?」
「ええ、ええ、そうなんです。あたい、なんだか頭がぼんやりしちゃって、、、」
「確かに、おかしいわ。、、、私ね、こんな話を聞くの実は初めてじゃないのよ。」
「えっ?」
「なんですって?」
猫とガーコが同時に叫ぶ。
「だからね、猫お嬢様のお話、とても作り話とは思えないの。きっと、何かがあるのよ。」
リリカが、声を落として言った。
「あぁ、良かった。ありがとう。あたい、あたい、不安で不安で堪らなくって、、、リリカさんに会えて、本当に良かった。」
猫の目から涙が溢れた。
リリカは猫の手を優しく握って言う。
「私とガーコが、解決してあげるわ。
まずは情報を、集めましょうね。」
***
村の住民に話を聞いてまわると、確かに不審な点が多かった。
村の中心にある、診療所を訪ねた時、狸のぽん吉先生がぼんやりしていた。話を聞くと、昨日まで牢屋に入っていたはずなのに、今日は医者をしていると言った。
森の一軒家では、子猫のミミーが独りぼっちで、家にいた。ママが居ないと、泣いていたのだ。
とりあえず、ミルクを与えておいた。
農家をしているサイのライナサスは、妻に離婚届を突き付けられたと、途方にくれていた。
「やっぱり、何かがおかしいわ。」
リリカは満足そうにメモをとっている。
ガーコも頷いて言う。
「確かにそうね。ライナサスの奥さんを見た人は誰もいないわ。」
猫もなんとなく頷いておいた。
パタン!と、リリカが、メモ帳を閉じて言った。
「明日、もう一度、同じ調査をするわ。何かが分かる気がするの。」
頼りになるリリカの姿を見て、猫は惚れ惚れとするのであった。
読んで下さってありがとうございます。