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「まぁ、なんて素敵なお召し物。あたいも着てみたいものだわ。」
猫がウーパールーパーのウーパーちゃんのドレスを見て、目を輝かせた。
「何言ってるのよ! あんたみたいな貧相な女にはこれがお似合いよっ。」
ウーパーちゃんの側仕えホネガイ(貝)に、雑巾を投げられ、倒れる猫。
「お前はもう、お嬢様ではないっ!出ていけっ」
側仕えその2、ホシダカラ(貝)が怒鳴り、猫はなす術もなく、おいおいと涙を流した。
そこへ警察官ガーコと霊媒師リリカが現れる。
「まぁ! 何てこと! 猫お嬢様、私達が事件を解決してあげるわ。このお屋敷は、間違いなくお嬢様のものよっ。」
***
「あのぅ、ガーコさん、先ほどは、大変ありがとうございます。ところで、あたいの事をご存じ?」
事件が解決した後、猫は近付いて聞いた。
「ええ、知っているわ。お嬢様は、有名猫ですもの。」
「あの、変なことを聞きますけど、あたいの職業って先生で間違いないかしら?」
最近猫は、どうも記憶が曖昧なのだ。
ガーコは目をぱちくりさせた。
「お嬢様は、まだ学生よ?」
「えっ? そんな、、、あたい、確かに、先生だったはずなのよ、、、」
ガーコは、猫の肩をぽんと叩いた。
「きっと、お疲れなのね。」
最近こんな違和感ばかりだ。猫は不安になった。
覚めない夢でもみてるのかしら、、、
あ、ガーコが去っていく。
「待って! 待って、ガーコさん、あなた警察官なら、あたいの話を聞いてっ」
猫が追いかけようとして躓いた。
「あいたたたっ!」
その時!
カツーン、コツーン、、、
長い足が音を鳴らしながら近付いてきて、猫はハッと顔をあげた。
霊媒師リリカだ。リリカは微笑みながら、手を差し伸べた。
「猫お嬢様の話、私は信じるわ。」
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