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03 名前と方針

「名前…ですか?何の?」


「先ずはお前の名前だよ。いちいちダンジョンコアって呼ぶのも面倒だしこの先別のダンジョンコアにあった時に紛らわしいだろ?」



ダンジョンコアは俺の言葉に成る程と分かりやすい仕草付きで返してくる。というか名前もなしにこれから先どうコミュニケーションとってもらうつもりだったんだ…



「じゃぁめっちゃキュートな名前お願いしますね!」


「いや、既に決まってるからお前ココロな」


「早っ!ちょっと早すぎませんか!もう少し考えてください。シンキングタイムプリーズ!」


「ウザい言動がなかったらもう少し考えてもやれたんだけどなぁ…ほら、第一印象って大事じゃない?」



ついさっき言われた言葉を借りてそっくりそのまま返してやるとココロは大人しくなる。



「ていうかもう既に名前がココロで定まってる!変更!変更を希望します!」



大人しくしてたんじゃなくて名前が定まってないのか確認してただけか。諦めろ、ダンジョンマスターが決めた限り名前は変えられん。



「ガビーン!私ココロになるんですか!」


「そうだ、お前は今日からココロだ。因みに決めた理由は適当に語呂合わせな。お前No.3556だから下3桁をとってココロ」


「そして追い討ちをかけるが如く適当な名付け理由!」



ペットにつけるような名前にしなかっただけありがたいと思って欲しい。



「それで俺の方の名前も登録しておかないとな。ダンクラと同じような世界ならダンクラの時のマスターネームでいいな」



そして俺もコンソールのダンジョンマスターの名前の欄にダンクラで使っていた名前の"ユヒト"と入力して決定する。



「これで完了っと。じゃぁ次はダンジョンの方向性を定めるか。ほら、うだうだ言わずにシャキッとしろ」


「イダァ!」



名前についてまだぐだぐだ言ってるココロの頭にチョップを喰らわせて強制的に黙らせる。



「うぅ…何も攻撃することはないじゃないですか」


「切り替えのできないお前が悪い。とっとと本題に入るぞ。時間は少ないからな」


「時間が少ないって、まだ猶予まで10年もありますよ?」


「あくまで破壊されないそこそこのダンジョンが出来た場合に限って10年の猶予があるってだけだ。現状は洞窟の入り口からコアまでほぼ直通。そんなダンジョンに余裕なんてあってたまるか。さっきも説明してたろ。あくまで同業者に潰されないだけで冒険者には潰されるんだ。早いとこやらないとリスクが高まるぞ」



余裕がないという俺の口ぶりに疑問を持っていたココロだが、俺の説明で今のこのダンジョンが無防備であると理解したのかさっきまでの余裕の表情は消えていた。ふざけたりはするがちゃんと危機管理能力は持っているようだ。



「と言っても大まかな方針は既に決まってるからあとは内容を煮詰めるだけだ。周りのダンジョンの性質を見て宝物型にするかドロップ型にするか採取型にするか決める」


「その宝物型、ドロップ型、採取型というのは?」


「ダンクラプレイヤーの間で使われてたダンジョンの性質の代表的な種類の1つだ。この3つは主に冒険者に対するメリットの項目だな。簡単に言えば宝箱多めが宝物型、モンスター多めがドロップ型、採取ポイント多めが採取型だ」


「成る程、分かりました。ということはマスターの話から察するに必要なのはダンジョンを含めたこの周囲の情報ですね。でしたらダンジョンメニューからマップを選択してその欄にある広域マップを選択してください。それで周囲の土地情報が手に入ります」



ココロのアドバイス通り俺はマップから広域マップを開く。そして周囲のダンジョンと人間達の生活拠点の情報を得る。


どうやら俺がいる初期ダンジョンの場所は当たり外れで言えば当たり寄りの場所らしい。

ここ以外で展開されているダンジョンは合計で3つ。だがそのどれもが共存ドロップ型ダンジョンではない。

街にしても海に面しているということで港町として栄えているようだ。それもかなりの規模らしい。これなら常駐している冒険者も多いだろう。

それに共存ドロップ型ダンジョンによって栄えた街でないというのがいい。


共存ドロップ型ダンジョンは冒険者達にとってとてつもない旨みがある。だが自分が運営するならまだしも商売敵としては最悪の部類だ。共存ドロップ型は近くに街ができることが多い。ダンジョンの旨みを存分に活かすには流通の拠点も必要だ。だったら街を建てるのが早い。資金に関しても流通網さえ確保すればあとはダンジョンからゲットできる素材が資金になる。

こう言った理由から冒険者もそこだけ攻略していればリスクも少ないために他所に行くことは非常に少ない。ならば当然ダンジョンを建てたとしても誰も来ない。そして維持費だけが嵩んで最終的に破産する。


これが共存ドロップ型の恐ろしさであり、ダンジョンバトルに置いて真っ先に狙われる理由でもある。冒険者達の生活基盤レベルの依存による高収入と人員集中化による他所への妨害。これを高水準でやってくれるダンジョンはダンマスとしては手に入れるにせよ潰すにせよ放っておく訳にはいかない。


だが今回はこちらに何もない。移動も難しいし。ダンジョンバトルは仕掛けることもできないから妨害もできない。現状ないない尽くしなのだ。だからここに拠点を構える他ない。故に共存ドロップ型がないのは非常に都合がいいのだ。


あとは3つのダンジョンの性質を見てまずは被らないようにする。被ってしまうと他所に冒険者を全部持ってかれる。


そう思って調べたが。どれも中立型で2つがドロップ、残る1つが採取型のようだ。


これならば俺が最初に想定していたものとかぶることはない。なので気にすることなくこのダンジョンを作ることができる。



「よし、じゃぁダンジョンを作っていくか」



ダンジョンメニューからダンジョンの項目を選び、そこから改造の欄へ進む。そこに進むと現在のダンジョンマップが表示され、サイドには0となっているカウンターと各種ダンジョンパーツが表示されている。

俺は慣れた手つきでダンジョンパーツを選択、配置していき。30分足らずで目的のダンジョン構造が完成した。

あとはこれを作成のボタンをタッチして、現実に反映させる。ゆっくりとゴッ…ゴッ…ゴッ…ゴッ…くらいでできると思っていたんだがゴゴゴゴくらいの速さでダンジョンが出来上がっていく。如何やらダンジョンの初回改造特典の改造時間短縮のお陰でめちゃくちゃ時間が短くなっているようだ。ものの10分で完成した。


隣で俺の作業を見ていたココロはここでハッとなって話しかけてくる。



「えっ、ちょっとマスター速すぎません!?」


「驚くのは管理層に移動してからにしろ。降りるぞ」



ダンジョンメニューから管理層移動をタッチして管理層に移動する。管理層はダンジョンの最終階層の1つ下に生成されるダンジョンマスター専用層で、この管理層に限り同一のダンジョンマスターが作成した全てのダンジョンに繋がっている。当然ながらこの層に入ることができるのはダンジョン側の存在だけだ。他は入ることができない。


到着した部屋はそこそこいい部屋でイメージとしては応接室みたいな感じ。立っているのもいい加減疲れていたのでソファーに深く腰をかける。それを見てココロも机を挟んで対面のソファーに座った。


先ずは一安心といったところか。ここからダンジョンを強化していく必要もあるがそれよりも目の前のココロの質問に応えた方が良さそうだ。





本作では今回のようにダンジョンの性質について◯◯型ダンジョンと呼ぶことがあります。

ここについての細かい設定は今後ダンジョンルールとして公開しますのであくまでフワッとそんな感じだと思っていただけると幸いです。

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