01 ゲームを買ったら異世界に飛ばされるというとんでもバグ
今回から再開もといリメイクとして頑張っていきます
現在時刻は午後3時、PCの前で大好きなゲームをやっていた俺は何故か薄暗い洞窟に立たされてた。
取り敢えず確認の意味も兼ねて自分の頬を抓ってみる。うん痛い。夢ではないようだ。普通ならこの時点でパニックにでもなりそうなものだが、人間驚き過ぎると一周ぐるっと回って冷静になるようだ。
次に俺がいるこの洞窟。見渡してみると何故か見覚えがある。だが現実で見られる光景ではない。となるとゲームしかない。
ゲームといえば俺がやっていたはずなゲームだ。よくよく思い出してみれば俺はゲームのチュートリアルをスキップしたら出てきた変な質問に答えたんだ。そして答え終わったらここにいた。
少しずつ思い出してきたぞ。チュートリアルスキップをして本編を始めようとした時だ。システムからの通知扱いで変な質問が来たんだった。
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ダンジョンマスターになる気はありませんか?
→[はい]
[いいえ]
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そして俺はその質問が運営のお遊びの一環と思って質問の答えに何度確認されても[はい]を押し続けたんだ。途中からは完全にムキになっていたと思うが。
それを踏まえてみればここが見覚えがあったのも頷ける。ここはダンジョンクラフト、略してダンクラの初期ダンジョンの洞窟だ。
ここは文字通り何もないただの洞窟。広さで言えば洞窟よりも洞穴といったほうがぴったりだ。
うん…で、これからどうすればいいのこれ?
ゲームのダンクラならPCからポチポチやってればどうにかなったけどこれ完全に現実くさいぞ。それに飯はどうする?ダンクラには直接的に食料をゲットできるようなシステムはない。
マジでどうする…ふざけて変なラップ叫びながら踊り狂う余裕もないぞ。
俺が真面目に焦りまくるなか、目の前に突如として半透明なパネルみたいなのが現れる。何が何だか全く分からない得体の知れないそのパネルは右を向いても左を向いても俺の真正面に漂っている。取り除こうと手で払っても貫通してしまう。まったく訳が分からん。
取り敢えず何とかしてこの状況を変える為、又はこのウザったらしいパネルをどうにかする為。俺はこのパネルにアプローチをかける事にする。
先ず軽くみると、このパネルは半透明で向こう側が軽く透けている。それにこの縁取りはダンクラのウィンドウと一緒だ。と言うことはこのパネルには何らかのヒントが確実にあると思える。
次に触ってみる。すると不思議な事にさっきは貫通したはずが触ることができた。つまりこれは俺に触る意思がなければ触らない代物なのだろう。
パネルに触れるとメッセージが表示される。そのメッセージを読むと、自分が置かれている状況が分かってきた。
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吉野幸仁様。
この度は我々の質問に3回連続ではいと答えていただき
ありがとうございます。
つきましてはこの度貴方様に最終確認にあった通り、
今までの生活を全て捨て去り。
ダンジョンマスターとして新たな生を送って
いただきたく思います。
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そういえば確認してなかったけどそんな事が最後に書いてあった気がする。最後の方半ばムキになって[はい]を選び続けてたからなぁ…
パニックなりたいけど貴重な時間を無駄にしたくないしなぁ…
心を落ち着けて唯一の手がかりであるこのパネルを見るか。
そこから数十分。スクロールができてこの文章に続きがある事を知った俺は簡単な事に気がつかなかった自分に肩を落としつつ、スクロールして残りの文面を読む。
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つきましては今後のサポートとして、
ダンジョンコアとダンジョン運営に
必要な知識を送らせていただきます
[閉じる]
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必要な知識とダンジョンコア。確かに今の俺には必要なものだ。ダンジョンコアはともかくとして。
[閉じる]を押すとパネルが消え、頭に知識が送られてくる。いきなりそこそこの量の知識を送られたせいで少し頭がガンガンする。
頭痛が漸く治ってきたところで、送られてきた知識の中で必要な事を済ませる事にした。
「システム」
その掛け声だけでさっきと同じ半透明なパネル―システムウィンドウ―が出現する。
俺は送られた知識を元にシステムウィンドウを操作し、目当ての項目に辿り着く。
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→[ダンジョンコアの設定]
[ダンジョンの変更]
[ダンジョンマップ]
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ダンクラでも始めにやっていた事だ。ダンクラでは先ず自分が手を入れるダンジョンのコアを登録する必要がある。今の場合はこのダンジョンのコアだ。
ゲーム内で必要だった手順は至極簡単。そこそこのムービーから現れたダンジョンコアをクリックするだけ。現実であるここでやろうとすると実際にダンジョンコアに触れて登録する必要がある。
なので先ずはこのダンジョンを攻略することから始めなければならない。
といっても今回はダンジョンになる前の洞穴レベルなのでダンジョンコアにはすぐに行き着く。
ここのダンジョンコアは始めにもらえるあのダンジョンコアそのまんまだった。青白い光を淡く放つ水晶球。周りにコアを守るモンスターもいないので簡単に触れられた。
コアに触れると光が溢れ、そしてゲームではなかった現象が起きた。
溢れた光が収束していくと、俺の目の前には少し幼さを感じ顔立ちの1人の女性が立っていた。
「コアNo.3556。ダンジョンマスターによる登録が完了しました。これより当コアはダンジョンマスター吉野幸仁様のサポートに回る事になります」
ダンジョンコアというには余りにも不自然、というか人だ。
その精巧なフォルムをじっくりと見ているとダンジョンコアが喋った。
「そんなにマジマジと見つめないでください。いやん♡」
…今の一瞬でこいつが残念な存在であることを理解した。できるだけ関わりたくないが残念なことにダンジョンコアである為、関わらざるを得ない。真面目にコアのチェンジって出来るかな。
「チェンジしたいけどこいつしかないのか…」
「そうは言わないでください。マスターだってムサイおっさんやデブでブスなのより可愛くて可憐で麗しい美少女の方が嬉しいでしょう?」
「ところで何故に人間型?」
こいつの自画自賛に付き合ってやる必要はない。軽く流して質問に入る。
「ダンジョンコアのフォルムはダンジョンマスターの種族によって決まります。ですから私は人間型なのです。えっへん」
ダンジョンコアは自慢気に胸を張る。その張ったお胸がたゆんたゆんするのを見てしまうのはやはり彼女いない歴=年齢の男の性なのか抗うことはできない。
「あ、私のマスターとはいえ私を性的に襲うのはめっ、ですよ」
素材を与えた俺も悪いがこいつはもうとっとと破壊した方が俺の精神衛生上良いのではなかろうか。
俺の目が冷ややかなものに変わるっているのは分かっているのだろう。少しだけ反省したように俯いている。
「あぁ!その視線いいです!マジでグッドです!」
反省はしてなかったみたいだ。初対面でここまで曝け出す奴とこの先ずっと組んでいくみたいだが俺の精神は持つのだろうか…




