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今日から消費税率10%-我が家の5%時代と8%時代のささやかな比較-

作者: 三矢 由巳

令和元年10月1日から消費税率が10%になった。

消費税は1989年(平成元年)4月から導入され、当初の税率は3%だった。

1997年(平成9年)4月から5%、2014年(平成26年)4月から8%と平成の歴史とともに税率を上げている。




9月最後の日曜日にスーパーに行くと、軽減税率の適用されない日用品やアルコール類等を買いだめする人をかなり見かけた。紙おむつをスーパーのかごに詰め込んでいる母親たちもいた。

私も洗剤の詰替えを購入した。

消費者にできる精一杯の抵抗である。




でも、小売店もしたたかだなと思う。

8月の末あたりにディスカウントショップに行くと、PB(プライベートブランド)の商品のパッケージが変わった上に、少しだけ値上がりしたり、入数が少なくなっていたりしていた。見えないところで品質も変わっているかもしれない。そうしておいて、10月以降も税込み価格を据え置きますと店内のポスターに書いてある。

何のことはない。消費税増税前に実質的に価格を上げておいて、増税になっても値上げはしませんと言っているのである。増税の先取りである。

同じことは我が家に配達される新聞屋もやっていて、5月に月額購読料を3093円から3400円(307円アップ)に値上げしておいて、軽減税率なので10月1日以降も同じ価格だと言っている。

新聞を印刷するインクにも、運搬するトラックの燃料代にも消費税がかかっているとはいえ、なんだかさもしさを感じてしまう。

増税前に増税は始まっていたのである。




さて、消費税が上がると実際どのくらい影響があるか、気になって我が家の家計簿を調べてみた。

家計簿ソフトですぐに調べることのできたデータは2005年(平成17年)以後のものだけで、3%時代のデータはない。それ以前のデータを現在使用しているソフトでは引き継げなかったためである。

この十四年と九か月分のデータを利用して5%時代と8%時代を比較してみたいと思う。




ただしこのデータは支払った消費税すべてではない。

金融機関から引き落とされる電気代・水道代・ガス代・受信料・新聞代、特別支出等にかかった消費税が含まれていない。

特別支出とは 冠婚葬祭・リフォーム代・旅行代・高額の医療費・車購入代・車検代・冷蔵庫等の高額電化製品にかかった支出である。

特に我が家では5%時代に親族二人の葬儀を出しており、その年や配偶者の実家を解体して更地にした年の特別支出が突出して多い。

年によって大きく差のある特別支出を入れると5%時代と8%時代の比較が難しくなる。

そこで、これから比較するのは日常の食費・衣服費・日用品や消耗品等の通常の支出にかかった消費税とする。

言い換えると小売店やスーパーマーケット、ディスカウントショップ、ホームセンター等での買い物、飲食店での外食等に支払った消費税ということになる。



挿絵(By みてみん)



表の上部2014年3月までが5%時代、2014年の4月以降の下部が8%時代である。

14年と9か月の間に支払った消費税の合計は表の一番下にある。

742,663円。

少ないと思われるかもしれない。

が、これは我が家の一年間の食費(外食を含む)を超える金額である。

特別支出等にかかった消費税を加えれば、恐らく100万円を超えるはずである。

軽自動車の新車が買えると思う。




次に5%時と8%時の税負担の比較をしたい。

月平均で比較する。


5%時代の9年と3か月の月平均は3736円(小数点以下を四捨五入・以下も同様)

8%時代の5年と6か月の月平均は4970円

その差は1234円


5%から8%に税率が上がり、明らかに一か月あたりの負担額が増えている。

1234円というのは5%時の消費税の約33パーセントにあたる。

つまり5%時代の1.33倍を8%時代は払っているということになる。

税率が5%から8%に上がるということは単純計算で税金が1.6倍になるはずだから1.33倍支払っているというのは少なくなったかのように見える。

だが、これにはからくりがある。

5%時代、配偶者の母と同居していた時期があり、食費と日用品・衣服費・消耗品等にかかる費用が8%時代より多かったのである。

加えて私たちも5%の頃より年齢を重ねている。食べる量が全体として減っている。

外食にしても、焼肉食べ放題には行かなくなった。

非課税のネットオークションや道路脇の野菜の無人販売所を利用することも多い。

通常の支出は減っているのだ。

それでも、消費税率が8%になると支払う税は増えている。

10パーセントになったらどれほど増えることか。

今後も家計簿をつけて、どう変化するか見ていきたいと思う。




最後に老婆心で一言。

お読みになっている方には若い方も多いと思う。

家計簿(こづかい帳でも)をつけることをお勧めする。

これを書くため、過去の家計簿をざっと見たが、収入や支出の明細を見ると、過去にあった出来事が思い出せる。

小説や随筆のネタにもなる。

専用のアプリでもいいし、メモやノートでもいい、入って来たお金、今日使ったお金を記録しておけば、十年たてば立派な生活史の資料になる。

すでに家計簿をつけている方も、ご自分の支払った消費税を計算してみてはいかがだろうか。

新しい発見があるかもしれない。


(背景 素色(そしょく)





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