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緑青の血  作者: 辛栗祐二
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序章 - 幾度目かの始まり -(α版)

初投稿です。

双子ドール百合の作品があまりにも少ないので自炊しました。

気が向いたら書きますのでこれっきりかもしれません。

球体関節ってずっとえっちだと思ってるんですけど、どうも同志がいません。

ちなみに胸、腹、腰で三分割されてるのが一番えっちだと思います。


なお本作品はα版です。

私には恥や外聞がないのでとりあえずぶち上げて後で読み返して随時修正したりします。

思いついた時に書かないと消えてしまうから仕方ないですね。

結果的に完成すればいいのですよ結果的に。

ペイルブルーが壊れてしまったわ。

青褪めた青の躰を、白磁を漂白したような指が舐める。

私はあなたを覚えてる。

見透かすような青い瞳。

通わぬ赤。

経ぬ赤。

禁じられぬ色。

ペイルブルー。私の愛しい私を知るもの。

この世にただ一つ私を知るもの。

指は艶のない、温かみのある色を差した滑らかな筒をそっと掌に抱きしめ、花を手向けるようなうやうやしさで青の左下肢の位置に添えた。

彼女の添えた左脚は緩やかな半球のくぼみで膝の球に吸い付く。

口づけするように甘く、隙間なく密着した球体の関節は青の脚を元にあるべき誘うような一本の白百合へと形造った。

青……血の通わぬ人形の肢体は形を取り戻し、その肌にも顔にも血色のいい紅が差してある。

一体の生きた屍は目を瞑り誕生の時を待つ。

目覚めの言葉はゆるやかにその唇の中へと流し込まれた。

「おはようペイルブルー、私のあなた」

「おはようグリーングリーン、あなたの私はここよ」

生まれながらに互いを知るもの。

生まれながらに完成された、赤子を経ぬ静物。

緑色の緑を知る、ただ一人の青褪めた青は汚れ得ぬ見慣れたベッドから起き上がり滑らかな首の動きで緑を見る。

褪せた青の瞳が、深い命の色を宿した瞳に吸い込まれる。

「大丈夫よ、もう動けるわ」

「そう、ゴーサインね」

緑は微笑み、首に吊るした鍵を取り出す。

翡翠の埋まった大きな銀の鍵を二人の寝所の扉に差した。

こん、とくぐもった音を立てて簡単に鍵は開く。

頭上に照らされた禁止の警告灯がこの部屋にない色を失った。

改めて、許可の灯りがついた。

「緑になったわ」

「青になったわ」

「今日はいい朝ね。目が覚めて、あなたを初めに見た」

「ええ、私も」

こつ、と二人並び姿見の前で向かい合う。

変わらない形。

変わらない色。

変わらない姿。

変わらない心。

変わらない体。

変わらない、永遠の時間。

「あなたが私を覚えてる限り」

「私はあなたを造り出せる」

二人の可塑性有機素材の両手のひらが結ばれ、鏡の前で一つに重なる。

これから先永遠に変わらない関係。

あなたと私しかない存在として彼女たちは生きていく。


序章 - 幾度目かの始まり -

最近手指の関節もえっちなんじゃないかと思い始めてきました。

とはいえ指関節があるドールって1/2サイズくらいからな気がするのでなかなかお目にかかれませんよね。

作中では緑も青も平気で喋ってキスをしますが、その辺のパーツがどうなってるかはご想像にお任せします。

私は双子ドールがキスをしたという事実だけで十分です。

だいたい他人のキスを覗き見ようなんてダメですよ。

そこは暗転するんです。でも事実だけ残るんです。

そうでしょう?

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