表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/103

第十五話 「謎の男キンジソウ」

「金貨二十枚だって!?」

 色褪せたカウボーイハットの男が皆の気持ちを代弁するように声を上げた。

「そう、金貨二十枚だ」

 キンジソウが答えた。

 だが、この男の不敵そうな部分と、水路について知っていたことを思えば、この男はきっと強いのだろうと誰もの目が訴えていた。せっかく現れた頼もしい存在を逃がして良いものか。

「後で町長達に請求するというのではどうだ?」

 もう一人の男が言ったが、キンジソウはかぶりを振った。

「今だ。今貰えなきゃ俺は出て行くだけだ」

「町民全員の命がかかってるんだぞ! 皆が心を合わせようとしているのに、それでも金が欲しいのか!?」

 色褪せたカウボーイハットの男が怒鳴るが、キンジソウはどこ吹く風。ニヤリとするだけだった。

「仕方あるまい、ワシらの持ち合わせでこの場は凌ぐしかない」

 老人がそう言って財布を出す。

「悪いがワシは金貨二枚きりだ」

 他の者達も渋々老人に続いた。

 老人のを合わせて全部で八枚の金貨が出てきた。

 ランスが一枚出すと、デルターは溜息を吐いた。

 神官長から貰った大事な金だが、人助けのために消えるのならこれも天命か。

「九枚だ」

 デルターは金貨を祭壇の上に置いた。

 並んだ金貨を見てキンジソウは頷き、嬉しそうに懐に収めると言った。

「戦える奴はついて来い。水路から潜入だ」



 二



 キンジソウに続いたのはデルター、ランス、ヤマウチヒロシ、色褪せたカウボーイハットの男で、彼はベンと名乗った。

 老人ともう一人は援軍への状況説明と、女子供達の護衛に残った。

 どの道潜入するなら少人数の方が良い。とは、キンジソウの弁だった。

 街道を北、つまりラーズ方面へ行くと森へ続く小道があった。

「これだ」

 キンジソウは言った。

 そして先に歩き始める。

 デルターが後に続こうとした時だった。

「おい、本当にあんな得体の知れない奴を信じるのか?」

 色褪せたカウボーイハットの男、ベンが言った。

 デルター達は足を止めた。

「確かに、賊の仲間で示し合わせて私達を誘っている可能性もあるが・・・・・・。しかし、あれだけの大金で動いたのだから、金にだけは忠実だと信じるべきでは無いか?」

 ヤマウチヒロシが応じる。

「そうだな。それに戦い慣れてそうだし、正直俺達、素人集団で行動に出るよりはマシってもんだろう」

 デルターが言うとベンは不承不承という様子で頷いた。

 小道に駆け込むとキンジソウが待っていた。

「どうしたんだ、俺を賊に売ろうとか相談でもしていたのか?」

 不敵な笑顔にヤマウチヒロシが答えた。

「その逆だ。アンタが私達を売ろうとしているのでは無いかと思ってね」

「で、結論は?」

 キンジソウが尋ねる。

「信じることにしたよ。金には忠実だろうってな」

 デルターが応じる。

「そうだな、金の分の働きはする。それよりここから少しそれるぞ。はぐれるなよ」

 キンジソウは茂みの中を進んで行く。

「行きましょうか」

 ランスが言い、デルター達も後に続いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ