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___茜色に染まる、夕暮れの教室で待ってる
それはきっと出来すぎた偶然に過ぎなかった。
僕が見えるなんて、僕に笑いかけてくれるなんて、
ありえないはずだった。
「君はひとりなんだね」
ほくそ笑む君の目に薄暗い僕が映っている。
そんなこと、そんなこと、ないと思っていたのに。
「君もひとりだろ」
そう言い返したら、儚く散ると思ったのに。
「そうだよ、よくわかったね」
なんて君が笑って語りかけるから。
僕はただ、君を見つめることしかできなかった。
ねぇ、君は何故。
何故、僕を見るの?