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曽我物語外伝 奥州再乱  作者: かんから
工藤の企み 文治五年(1189)晩夏
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第一章 第二話

「はい・・・。鎌倉方につこうと考えておる者が多いそうで。」


 真備は真っ青な顔をしている。確かに、北方に頼んでいた新兵の依頼が滞っていた。これらが来なければ、果たして奴は鎌倉に勝つことはできるのだろうか。


「そんなもの、代わりに我らが倒せばよいこと。後ろは私が守る。」


 高季はそういうものの、真備は戸惑いを隠せない。高季は再び言った。


「大丈夫だ。“陸の大河・海の安東”。結束している限り、鎌倉に勝てる。」


 高季は座っている真備の肩を軽くたたいた。そのまま木窓へ移り、果てしなく広がる鰺ヶ沢の海を眺める。そこには、大船百艘。



「それで、工藤はどこへ行ったのだ。」



 真備は大変恐縮しながら、小声で答えた。


「福島城に・・・」




「福島城!? 十三湊の白髭公か。」


 そのときだった、後ろから慌ただしい物音が聞こえてきた。ドタドタと足音が近づいてくる。振り向くと、一人の近習が息を切らしながら膝をついていた。



「藤崎に無法者が現れ、奥方がさらわれました!」



 高季と真備は顔を見合わせた。何がどうなっている。




 ・・・もしや、鎌倉方。


 高季は、真備に問い詰める。


「おい。工藤を追っていたのではなかったのか。」


 真備は顔を背けた。そして高季はさとる。ここで言い争いをしていても無意味だ。


 急ぎ、藤崎に戻る。


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