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第十三章 第一話
正月が過ぎた頃だった。海側は風により雪が積もりにくい。故に海岸沿いの屋敷で過ごしていた。
昨晩の吹雪は終わり、久々に快晴の大空が広がった。私は、一人で砂浜に出向いた。
すると、小舟が打ちあがっていた。とてもじゃないが、荒波に絶えることが出来ないだろう。
ん?
人がいる。
まさかと思ったが、人間だ。漂着したのか。
高季の体は固まった。
その姿は僧形で、粗雑な袈裟を身につけている。
何年もの間、何をしていたのか。
兼任だ。
……いや、違う。兼任あろう者が、僧侶になどなるはずがない。常にどこかで戦い続けるだろう。あきらめることなく、求め続けるだろう。
そうだ。その通りだ。こいつは兼任ではない。ただの、似た男だ。
私は逃げた。




