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曽我物語外伝 奥州再乱  作者: かんから
錯綜 建久五年(1194)冬
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第十三章 第一話

  正月が過ぎた頃だった。海側は風により雪が積もりにくい。故に海岸沿いの屋敷で過ごしていた。

 昨晩の吹雪は終わり、久々に快晴の大空が広がった。私は、一人で砂浜に出向いた。


  すると、小舟が打ちあがっていた。とてもじゃないが、荒波に絶えることが出来ないだろう。



 ん?

 


 人がいる。



  まさかと思ったが、人間だ。漂着したのか。

 高季の体は固まった。



 その姿は僧形で、粗雑な袈裟を身につけている。


 何年もの間、何をしていたのか。




 兼任(かねとう)だ。


 ……いや、違う。兼任あろう者が、僧侶になどなるはずがない。常にどこかで戦い続けるだろう。あきらめることなく、求め続けるだろう。



 そうだ。その通りだ。こいつは兼任ではない。ただの、似た男だ。




 私は逃げた。


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