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曽我物語外伝 奥州再乱  作者: かんから
二藤次の告白 建久四年(1193)初春
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第八章 第五話

 「そうではないか。安東が船で“北の兵”を連れて来さえいれば勝てたのだ。」



 二藤次は、憤る。


 大円は、弟を憐れむ。



 虎御前には詳しい経緯(いきさつ)は分からない。ただ……その苦しい心うち、悲壮な道への所以(ゆえ)なのか。



 二藤次は、なおも続ける。


「そらあ、わかっているさ。船を白髭公が燃やした。だから連れてこれねえ。そうであってもだ。唯一無二の盟友ならば、単身でも兜味山(とうまいやま)に参じるべきなのだ。」


 虎御前は、心配する。


 “ねえ……あなた。……いつもと違うわよ。”



 二藤次は話すのを止めた。辺りは静まり返る。曽我兄弟も否応ない空気の重さに、下の方を見るだけ。……いおりの砂は、真ん中の火に煽られて、少しずつ外の方へ動く。



 ……火がバチバチと音を鳴らす。



 大円は、二藤次へ顔を向ける。……口を開いた。


 「そろそろ、語るべきでは。」



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