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曽我物語外伝 奥州再乱  作者: かんから
終わりの始まり 文治六年(1190)春
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第六章 第二話

「では、私に見殺しにせというか。無二の友を。」

 

「はい。これ以上、民を苦しめてなりませぬ。」


「……この裏切り者め。」



 高季は真備を蹴飛ばした。真備は小柄ゆえ、少し体が浮いたかと思うと、そのまま背中から雪上に崩れた。黒い烏帽子も、横に落ちる。

だが、真備はやめなかった。倒れた体そのままに、目を高季に向けた。


「負けたと申せ、本気をだせば我らが勝てるかもしれません。いや勝てるでしょう。」


 高季もわかっていた、そんなことは。そう思いたかった。真備は立ち上がり、「屋敷に戻ります。」と告げると、そのまま去った。雪の上には草履の跡がしっかりついている。




 高季はあたりを見渡した。


 館の周りは白いばかり。かつて戦いが起きていたなど信じられぬ情景だ。しかし、負けたのは本当だのだ。


 雪が再び降る。高季はその場所でしゃがみこんだ。どう考えても抗いようのない事実。顔を前にもたれ、手を下につけた。

 なぜ、留められなかったのか。奴はいまだ、どこかで彷徨っている。行く当てもなく。




いつしか、肩が重くなっていた。


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