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大河兼任の乱

 文治五年(1189)に奥州合戦っていうのがありました。源頼朝率いる鎌倉軍が、奥州藤原氏を滅ぼした戦いです。これで源氏は全国統一を果たしました。


 ただし藤原氏の残党の中には、まだ戦えるぞという者らが多かった。その筆頭が大河おおかわ兼任かねとうという男。彼はあまたの兵を率いて、再び立ち上がるのである。……本編は戦は夏ぐらいから始めたように書いてますが、あくまで忠実(=吾妻鏡)では冬のスタートです。お間違えなく♪じゃあなぜ真実を捻じ曲げて書いたのかと聞かれるとと、戦いの終末を”冬”にしたかったんです。奥州名物の雪に包まれながらの幕引き。忠実通りにやるとなにもきれいでないし美しくない感じになる。酷いものだけがみえてきてしまう。そこを雪によってオブラートに?抑え目にしてみました。


 とりあえず奥州合戦の後に起きた反乱なので、”奥州再乱”と名付けなおしました。



  考察 -大河兼任-


 では、大河兼任とはどのような人物だったろうか。

資料は限りなく乏しい。最低限、不屈の精神は持っていたと思う。

兵を八郎潟で失っても、戦で何度も敗れても、挑み続けることを忘れない。でっかい人物。この人物こそ、大河ドラマにふさわしいのではないか?????と、のたまわってみる。


 昔だけど、大河の子孫だっていう人と会ったことがありまして……墓所まで案内された(汗)。大河氏の家紋、ものすごくかっこいい。仮面ライダーの額にそれがついてても、違和感なし。ご先祖さんはさぞかし、美意識も高かったか。……そうなると、”戦で花と散り……”なんて言葉が似合うかも。


 ……てっまあ、理想を追い求める男とすることもできる。ですが一方で、現実をみてた面も垣間かいま見れます。忠実では、反乱を起こした際に弟二人は真っ先に鎌倉方へ下るのですが……。示しあわせだと思うんです。”おれは死ぬけど、お前たちは生き残れ。”って感じで。本当のところは。それでいて自分は死ぬってわかっていて突き進んでいく。もちろん、あまよくば勝つことができて、あまよくば有利な形で和睦を結ぶことも考えたかもしれない。


 いまとなっては真相は謎ですが、とりあえずいえること。兼任はきっと、かっこよかった(笑)。



  考察 -安東あんとう高季たかすえ-


 本編では、大河兼任の盟友として彼が登場します。

”高季”って名前は仮に付けたもので、本当のところはわかっていません。戦のあと、なんだかんだあって北奥を治めていくことになる。兼任とは違いむやみに戦を起こすのではなくて、平和裏にことを治めることを意識していく。最初こそは兼任と同じように戦に命をささげようと行動起こしているけど、歳もくて深みが増したし、残された人々の代表として責務を果たすという自覚が生まれたんだろうと考えます。

 


  考察  ”大河兼任の乱”は無駄だったのか?


 結局は負けてますからね。平泉を奪還したところまではよかったですが、そのあとの戦で負け続き。多くの人命が失われました。


 ただ、鎌倉方に”底力”をみせることはできたはず。正直、鎌倉含め関東以西の人々は東北をみくびっていた。アイヌという底辺の集団と、争いで敗れて北へ逃げて行った奴らのあつまりだなんて思いながら。下にみていると。


 だから藤原泰衡という奥州の大将を殺した時点で、鎌倉方はもう終わりだと思ったんです。だから後処理もしっかりとせずに、大軍を引き返すわけです。もう戦はおきようないし、あいつらは黙って俺らに従うしかないんだと。


 ところがどっこい、そうはいかなかった。名だたる武将が殺されるは、奥州の首都ともいえる平泉は奪われるわで大騒ぎ。……相応に、そして大切に扱わなければ、痛い目見るぞと。そういう効果はあったと思います。




……あとは、本編でお楽しみください。


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