プロローグ
『影が薄い』
そう昔から言われてきた。むしろ言われることが少なかったかもしれない。僕を見つけられるのは滅多に無いことだから
家族、それもいつも一緒にいる母と父、祖父母なら僕がちゃんと見えるみたいだけど、たまにあう親戚には全く見つけられないらしい
でもそれは黒い髪で黒い目だった時の話
5歳のとき、朝目を覚まして鏡をみると銀の髪で紫の目になっていた
いくら5歳の僕でも異常なことは分かったから、急いで家族に相談することにした
僕の話を聞いて髪や目を確認した家族は気味悪がりもせず、普通に接してくれた
だけどやっぱりこの容姿だと周りの人たちからいじめられるだろうと言うことで、僕はその日から黒のカツラとカラコンをすることになった
そんなある日、1度だけなにも着けていない状態で母と遠くの町で散歩するとたくさんの視線を感じた
今まで感じたことのない量の視線で、思わず体がすくんでしまった
なにもしないでいると、他の人にも見えるみたいだった
確かに銀の髪で紫の目は目立つから、いくら影が薄いとしても隠すことは無理だろう
学校は祖父母がお金持ちだったから、そういう子供達の学校に入った
そこは初等部、中等部、高等部にわかれていて、高等部は全寮制だったちなみに、この学校はお坊っちゃま学校だったから男子校だ
高等部から全寮制なのは義務教育ではないかららしい
初等部では特に問題がなく、いや、無さすぎるのが問題なほど無く、友達が1人も出来なかった
黒い髪でと黒い目でいると本当に誰も僕に気が付かなくて、名前さえも薄れるようでたまに出席を取られなかった
友達がいないのは問題なのでは?というツッコミはいらない
特に不自由も無かったので自由にしたし、エンジョイしていた
中等部でも学校では同じようにして過ごした
中等部になって始めての夏休み、夕方にカツラもカラコンも着けずに町を歩くと不良に絡まれた
殴りかかられたけど、不思議な程に遅かったのでそのまま避けて無意識のうちに蹴っていた
その1発だけで気絶した不良を不思議に思いながら放置して歩いていると、今度は3人の不良に絡まれた
また殴られそうになったけど無意識のうちに返り討ちにしていた
…喧嘩の才能でもあったのだろうか?
中等部でした本格的なパソコンの授業が楽しくて誕生日に自分専用にノートパソコンを買ってもらった
するとまたもや無意識のうちにホワイトハウスにいらっしゃる人について調べていた
明らかこんなノートパソコンで突破できるセキュリティじゃないのに、あんなことやこんなことまで調べてしまった
…才能の域じゃないよね?
色々とおかしい部分に首を傾げながらも、そんなこんなで僕が高等部に上がった所からこの話は始まる