第二話 彼らにとっての日常
……小説神が言っている。俺に小説を書くなと。
楓「いやなにがあったの!? あんた不幸には慣れてるよね!? なのになにが……ああ、アプリが応答しないんだ」
はあ、俺は盛り上がる場所を先に夢想して、後付けでそこまで、そしてそこからのはなしをかくのに……。
楓「うん、もういっそ全てをアドリブで書け。さすれば望んだ結末にならなくても(どうでも)よくなるさ」
いや、一部省いてもう全アドリブなってるよ。
楓「……わたしはパロディは嫌いだよ。よくも知らない、せいぜい二次創作のネタを知ってるにわか勢だ。だが言わせてもらう。
…………なん…………だと…………? 」
おい馬鹿やめろ。俺が自分でエタるならあきらめがつく。だが運営に消されたらあきらめがつかないじゃないか。
っと、ここらで雑談は終わり。
彼らの日常には、すでに異常が入っている。
魔法使い、星継王華は「てーぶる」に置かれてあるスキルカードを見るなりそれは何かということを聞いてきた。
それに作者はまだ興奮しているらしく早口で説明を始めた。
その後、王華は魔法がどうとか、行動の再現はどうとか言っていたが、一応興味があるということなのだろう。
「ねぇ、これってもらっていいのよね」
それは質問の形ではあるが、声に含まれる威圧感が有無を言わさずもらうと言っていた。
「ん、べつにいいよ?元々あげるつもりだしね」
それを聞くと王華は一瞬にして喜びを前面にだした。
その様子を見ていたら、作者が怪しい行動をしていることなどどうでもよくなった。
昔は、守るべき場所も、人もいなかった頃は絶大すぎる力を呪った事もあったが、それがある今は愛おしささえ感じる。
「紅我、それじゃあいつものやりましょうか」
その力も抑えなければ害悪だ。だからそれは、いわば調整。ある程度力を封印して、その状態から万全に動けるように。
「もちろんだ。音をあげんなよ?」
だが、それ以上に愛しい仲間を守れる力が自分にあるということの証明する行為でもあった。
「はっ、どうかしらね。何時までも前回の勝利の上にふんぞり返ってたら転げ落ちるのよ?」
決闘、元々の力を封印した俺と王華が以来ずっと続けているこの行為は、日常に組み込まれていた。