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ブタの兄弟  作者: 遥胡
7/7

ブタ7

「ねぇ、これって家としてどうなの〜?」

赤美ちゃんとシンディは、木の上の家を見たまま、言葉が出ません。

数分後、やっと意識が戻ったシンディは言いました。

「お前達の兄は馬鹿なのか?それとも天然か?」

「う、うるさいな!ブタいちにいさんは頭がいいんだ!」

「確か、馬鹿と天才は紙一重とか言うよね。」

赤美ちゃんもなんとか言葉を発しました。

ブタとブタさんはもう何も言えませんでした。

「で、今度はどう捕まえる?」

「そうだな。木の上に建っていて、しかも、今にも落ちそうだし・・・」

「結構厄介ね〜。」

3人がうーうーうなっている横では、ブタ二とブタ三が会議中です。

「どうするの?ブタ一兄さんはまだボク達が来たことに気づいてないよね?」

「あぁ、如何どうにかして、僕達が来たことを知らせて警戒してもらわないと・・・」

2匹がブーブー唸っていると、後ろの方から≪ガサガサ≫という音が聞こえました。

2匹は、不思議に思い後ろを振り返ると、そこには、木々の間から出てきているブタいちがいたのです。

「「ブタ一兄さん?!!」」

「おや?ブタ二にブタ三じゃないか。どうした?遊びに来たのか?」

「何言ってんの?!アイツらが来たんだよ!」

「ってか、この状態で遊びに来るって、どんなだよ!」

そう、2匹はまだロープで縛られているままなのです。

「あははは。まぁ、いいじゃないか。で、どうしたの?」

ブタ一は特に気にした風もなく言いました。

ブタ二とブタ三は脱力しながらも、なんとかこれまでの経緯を話し出しました。


「そ、それは大変じゃないか?!早く家に入らないと!ロープをほどくからおいで!」

ブタ一が急いでロープを掴もうとしたとき・・・

「解かれると困るんだけどなぁー。」

と、赤美ちゃんがロープの端をしっかり持って黒い笑みを浮かべて言いました。

その横には、同じような表情をしたシンディと白雪しらゆきもいました。

「丁度良かった。家には行けないから、どうしようかと悩んでいたところなのよ。」

ブタ一は、始めはおびえていましたが、赤美ちゃんの言葉でピーン!とひらめいたようです。




(そうだ!家まで行けば・・・!)




ブタ二とブタ三も同じことを思ったのか、顔を見合わせてうなずき合いました。

そして、3匹は空を見上げて、

「「「あっ!!あれ何だ?!!」

と叫びました。

赤美ちゃんとシンディと白雪の3人は、揃って空を見上げましたが、何もありません。

そこで、≪ハッ!≫として視線を戻すと、そこに仔豚の3匹の姿はなく、周りを見渡すと3匹が木の上の家に向かっているのが見えました。

「こら!待て〜!晩ご飯!!」

赤美ちゃん達は、急いで仔豚たちを追いかけようとしました。

そのときです。


≪ドガゴォォォ〜〜〜〜〜ン!!!≫


と、とんでもない音がしました。

なんと、木の上にあった家が落ちてしまったのです。

家は無残にも、バラバラになっていました。

そのかたわらには、固まってしまった3匹の仔豚。

その後ろには、ロープを持った女の子3人。

そして、森中に響く悲鳴。




この後、仔豚の3兄弟を森で見ることはありませんでした。

しかし、ある夜に、にぎやかで楽しげな声の中に、

「「「ブヒブヒブゥゥ〜〜〜」」」

という鳴き声が聞こえたとか、聞こえなかったとか・・・・・。


終わりました!『赤美ちゃん・番外編―ブタの兄弟―』!『赤美ちゃん』より長くなってしまいましたが如何だったでしょうか?

一応『赤美ちゃんシリーズ』は、これで終わりなのですが、また機会だあったら書こうと思います(^^)


次回作は、普通に現代ものにする予定です!よかったらそちらの方もどうぞよろしくお願いします☆

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